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姫神さまがお昼寝する前のこと ご

姫神さま過去編最終話です。よろしくお願いします。

 白蓮さまから全てを聞いた白虎さまは、白蓮さまの機転に感謝して、姫神さまに謝罪してくださった。


 潔い土下座にドン引きした姫神さまは悪くない。その隣で白蓮さまももう一度頭を下げた。


「あー、もういいです。白蓮さまのおかげで吹っ切れてるんで。言いたいことも言えたし。で、私これからどうなります?」


 こうなってしまったものは仕方ない。割り切りはこの数年でした。でも嫁はイヤだ。


「ふむ。ここまで神力を体内に溜めてしまっては、もう人には戻せぬだろう。故に、嫁ぐのではなく、神として新たにやり直してはもらえぬだろうか」


 ちょうどよくはないが、社がひとつ空くのでな、との白虎さまの声に側近がビクリと反応した。


「そなたはわらわが手塩をかけて育てた故、なんの問題もないぞえ。神力もそこな愚か者より桁違いじゃしのぅ」

「神力に耐えうる器ならば、尚のこと神としてあの地を守ってはもらえぬだろうか」


 え、神様ってガラじゃないんだが、とは思っても言えなかった姫神さまだった。




「まあ、そんなこんなで今に至るよ」

「姫神さまはこの町のご出身でしたか」

「終わり良ければ、ですかねー」


 なんだかんだで姫神さまはこの町が好きなのだ。じゃなきゃ神様になんかならんだろな。お社とか持たずにお昼寝ばっかりしてたかもしれない。


「でもー、前の神様はどうしたんですー?」


 くぅちゃんが首を傾げた。むにゅんと肉球をほっぺに当てる。かわいいは正義である。


「あー、あれなー」


 姫神さまは言いたくないみたいだが、自業自得な奴らのことなんざ、気にかける必要はない。



 姫神さまが新たな神様になる話がトントントンと進んでた頃。


 真っ青な側近と、話が飲み込めないおバカ2人がいた。白蓮さまの側近がコンコンと説教混じりに説明。


「じゃぁ、われらは夫婦なんですよね!」

「まぁ、嬉しい!」


 お花畑ここに咲き誇れり。感極まって抱き合うふたりに、白虎さま再び仁王立ち。


「人ひとりの人生狂わせて、自分たちだけ幸せになろうなどと浅ましい!!」

「そこに思い至るならこんなことになってないと思う」

「ほんにのぅ」


 前猫神は神力の三分の二を、慰謝料として姫神さまに譲渡。神の座から見習いに逆戻り。てかもう二度と昇格はないと白虎さまが固く誓ったことを彼らは知らない。


 当然、当たり前のように姫神さまに仕えようとした猫神の側近も見習いに降格である。甘ぇよ。


 猫神の浮気相手(本命)? 自分は関係ないとばかりにふらーっと消えようとしたけど、元猫神と婚姻している事実は消えないので、一蓮托生となった。


 贅沢させてくれるって言ったのにぃー! と叫んでいたが、誰も気にしなかった。


 余談だが、彼らは見習いすら続かず記憶を消されてただの猫になったのは、姫神さまも知らない出来事である。



 姫神さまの両親は、自分たちのやったことなど忘れて、神様になる姫神さまに擦り寄ろうとし、あれこれと接触をとウロウロしていたので、白虎さま直々に縁切りをされた。


 神様が渾身の力でもって祈ったので、ガッツリサッパリキッパリスパンと切れた。この町への出禁もくらったので、どこでどうしたかは誰も知らない。知ろうとする神がいなかったので。


 だって、一人娘を売った外道だもの。こうなったのは自業自得だし覚悟の上でしょ? 今更後悔したって遅いし泣きたいのは姫神よ? 阿呆なの?


「結局、楽だけでは生きてけないってことだよね」


 深いお言葉である。


「今は町のみんなが家族だからね。家族は大事だし守るよー」


 もちろん玉ちゃんもくうちゃんもミイちゃんもケイちゃんも華凛も華南も大事な家族だよー、と照れて笑う姫神さまに、ノドを鳴らす音や鳴き声が応える。


 平和が一番。守るもの。


 そんな日々。



ありがとうございました! またよろしくお願いします。

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