遠すぎる天と狭すぎる地
「そら」です。
世界の果てには 四角い枠があって
その内側がすべてだと思ってた
巨きな手が
山を盛り トンネルを掘り 河を流し そして湖を満たす
これがすべての成り立ちだと そう思っていた
夕暮れが巨きな手を奪い去り
訪れた 星々の静寂をやり過ごすと
また つぎの朝焼けを見るけど
舞い戻った巨きな手は気まぐれに
山を トンネルを 河を そして湖をうち壊し
やがて 新たなる創造を始める
ここは想像のあとの破壊と 破壊のまえの創造の地
すべてがうち壊され
まっさらになった砂漠が 本来の姿であり
山と トンネルと 河と そして湖に彩られたのが
仮初めの姿だとしても
遠すぎる天と 狭すぎる地
それこそが 世界のすべてだと そう思っていた
この枠のそとに
滑り台やブランコ シーソーや そしてジャングルジムが
あることを知らなかった
遠すぎる天と 狭すぎる地
それこそが砂場のすべてだから
それも しかたのないことか