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浦川 日歌里ノウラジュウニシ【side:U】

遠すぎる天と狭すぎる地

作者: 歌川 詩季

「そら」です。

 世界の果てには 四角い枠があって

 その内側がすべてだと思ってた

 (おお)きな手が

 山を盛り トンネルを掘り 河を流し そして湖を満たす

 これがすべての成り立ちだと そう思っていた


 夕暮れが(おお)きな手を奪い去り

 訪れた 星々の静寂をやり過ごすと

 また つぎの朝焼けを見るけど

 舞い戻った(おお)きな手は気まぐれに

 山を トンネルを 河を そして湖をうち壊し

 やがて 新たなる創造を始める


 ここは想像のあとの破壊と 破壊のまえの創造の地


 すべてがうち壊され

 まっさらになった砂漠が 本来の姿であり

 山と トンネルと 河と そして湖に彩られたのが

 仮初(かりそ)めの姿だとしても


 遠すぎる(そら)と 狭すぎる地

 それこそが 世界のすべてだと そう思っていた

 この枠のそとに

 滑り台やブランコ シーソーや そしてジャングルジムが

 あることを知らなかった


 遠すぎる(そら)と 狭すぎる地

 それこそが砂場のすべてだから

 それも しかたのないことか

 砂遊びしたい。

 虫がいると、やだけど。


挿絵(By みてみん)


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【同一課題作品】
夜に咲く
作者:日浦海里先生
― 新着の感想 ―
[一言] 砂場の情景がこんなにも劇的になるなんて。 タイトルから想像し得なかった内容になるほどと思いながら読ませて頂きました。 想像のあとの破壊と破壊の前の創造の地、たしかにそうですね。 四角い枠の外…
[良い点]  最初の章は、自然もしくは神による、  世界の創造と破壊。  次で、砂場の光景に変化。  壮大な世界観と子どもの遊びの対比が  面白かったです。  ある意味、この世界もそうなのかも。
[良い点]  壮大すぎる砂遊び。 [一言]  不特定多数が使う場所なので、割とあっさり打ち捨てられる作品群。  こうして『棄てる』『諦める』を覚えていくのでしょうか…。  なかなか元の姿に戻れない方…
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