願い事
大人のみんなが言ってた、今日は流星群だと。自分はそれを聞いて、ある決心をした。
「流星群をみる!」
まずそのためには、夜起きられるように明るいうちから寝ておく。普段夜まで起きているとお母さんたちに怒られちゃうけど、ここは静かにしていれば誰にもばれないから大丈夫。
それに、早い時間に寝てても何にも言われないから安心。
善は急げと、早速カーテンを閉めてベットに入り、目をつぶった。
、、、寝れない。明るすぎて眠れるどころじゃない。
それに、周りの子たちが色々と遊んでて寝れたもんじゃない。
「どうしよう、、流星群見たいのに、、」
カーテンの奥から自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。
返事をしないでいると、自分を心配するお姉さんの顔がカーテンから現れた。
「どうしたー?具合でも悪い?」
「大丈夫だよちょっと眠いだけ」
少し心配そうな声でそっか、といいながらお姉さんは自分の頭を優しくなでてくれた。
それが心地よくていつの間にか眠ってしまっていた。
ふと何かの気配を感じて目を覚ました。
「んー今何時?」
と周りを見渡すともう暗くなっていた。カーテン越しに周りのみんなの寝息が聞こえた。
「夜になったのか?」
と左側にある大きな窓ガラスの方を向くとそこには冬の空が広がっていた。
「うわースッゲー!」
つい大きな声を出しそうになってしまうほど星が綺麗に見えた。
「そうだ、流星群は?あれ?どこだろ」
「君って随分寝つきがいいんだね。残念ながら流星群はさっき終わったよ」
と窓ガラスの冊子に腰掛けるように若い男の人が笑顔で自分に話しかけてきた。
「お兄さん誰?」
「僕は、、そうだな、、流れ星の使い!」
「え、、何それあやしい」
「いや!ほんとほんと信じて!怪しまないで!それにほら、君だって見たいって言ってたでしょ流れ星。だから見せてあげようと思ってきたんだけど、、君ずっと寝てるもんだから流星群もう終わっちゃたよ、、」
「何それ、終わったって!まだ夜なのにもう見れないの?」
「うん、外は暗くても、もう朝なんだ」
それを聞いて自分はすごくがっかりした、明日は、、いやもう今日になるっけ、結果が出る日。これが悪ければまた別途の生活のままになってしまう。それが嫌でみんなと遊びたくて自分は流れ星が願い事を叶えてくれるのを期待していたのに
「まさか寝過ごしちゃうなんて、、」
「泣くな!若者よ!まだ希望はあるだろ」
涙目で顔を上げると、お兄さんは満面の笑みで両手を大きく広げていた。
「この僕は流れ星の使いなんだよ、星の一個や二個ぐらい流すことなんてお手のもんさ!」
「え!ほんと?流れ星見れるの?」
「ああ!こっちにおいで」
と、自分を膝の上に抱き抱えて窓越しに空をみせるとお兄さんは靴の先をコンコンと鳴らした。するとキラッとひとつの星が流れた。あっという間すぎて願い事を言えなかった。
「心配するな!まだまだ、星は流れるぞ」
「え?」
その言葉通りに、ひとつまた一つと星が流れ続け、流星群のよりも多くの星が夜空を駆け夜空を明るくするほどだった。
「すっスゲー!これが流星群、、」
「ぼーっとしてていいの?早くしないとまた終わっちゃうよ」
「あ!そうだった。えっとみんなと早く遊べますように!あと、新しいおもちゃも欲しいです。」
願いを言い終え、空を見上げると流星群はもう終わってしまってい、だんだん空が明るくなってきていた。
「終わっちゃったの?ねえ、お願い叶うかな」
とお兄さんの方を振り向くと、大きな手が自分の目を優しく塞いだ。
「大丈夫叶うよ、だからこれからも元気でね」
その優しい声と手の温もりで自分はまた眠てしまった。
朝、目が覚めて起き上がるとお兄さんの姿はなく、枕の横に欲しかった新しいおもちゃが置いてあった。一週間後、自分はそれを持って外で友達遊ぶことができた。
「流れ星の使いのお兄ちゃん!ありがと」
と自分はその日の夜、家に帰ると窓から空に向かって手を振りながらお礼を言った。
「どういたしまして、、」
その日、夜空にはひとつの流れ星が流れた。