20/20
バカでどうしようもないお調子者
全力で走っていた。
つもり。
「お前はどうしてこう……」
顧問が何を言いたいのか、僕にはわからない。僕はバカだし、頭の回転が遅いから、だからじっと顧問がこれから言うだろう言葉を待つんだけど……。何も言ってくれないと、僕は続きが気になってしようがない。
「先生」
「とにかくもう少しタイムがでないとな」
諦めたように言う先生に、僕はしゃくぜんとしない気持ちになりながら、頷いた。
わかっているんだ。僕のタイムは伸び悩んでいる。
他の生徒よりずっと遅い。
部活のみんなが、部活やめてしまえって思ってるのも知っている。
でも僕は
全力で走っていたんだ。
「先生」
「なんだ?」
「もう少し頑張りたいです」
顧問は困ったような顔をする。
「お前は言葉だけは本当に誰よりも努力家なんだがなぁ」
褒められてるわけじゃないんだろうけど、こういうこと言われると、僕はまた頑張ろうって思ってしまうんだ。
僕はバカで、頭の回転も遅いし、足も遅いし、お調子者だからさ。




