少女の探し物
たまに、少女があちこちを気にした様に見渡すので、何の気なしに聞いてみたことがある。
「何を探しているの?」
と。
はて、と不思議そうな顔をして、少女は首をかしげた。そして何かを思い出したかの様に、はっとしたのちに、やはり不思議そうな顔をして、首を反対にかしげるのだ。
どうやら少女もよくわからぬ何かを探しているらしいと受け取って、それでその時は姉妹となった。
1年後、少女に再びあった。
あの頃の様に中空を見てぼんやりすることはなくなった様だった。
何を探していたのか。は今はもう聞くまいと黙ってみたが、やはりとても気になって、尋ねてみた。
「何を探していたの?」
と。
すると今度は驚いた様な顔をして、人の顔をじっと見るのだ。
そして嬉しそうに笑っていった。
「かみさまをさがしていたの」
「神様?」
「そうよ。かみさま。いつもそばにいるのに、だれかといっしょだとそばにいてくれなくて、いつもさがしたたのよ」
それは、なんだか不気味な話だった。
子供はそういうものを見るというが、そういうやつだろうか。
いや、あれは子供の頃は空想ばかりするから、現実と見分けがつかぬだけとも聞くし。そう思って適当に頷く。こちらの様子など知りもしないで、少女はそれでね。えっとね。と続けようとしている。
「それじゃあ、今はもう探してないの?」
「うん」
なんだ。やはり見えなくなってしまったのか。
「さがさなくてもいるの」
思わず少女を見つめてしまった。
少女の視線がこちらを見ている。
いや、後ろを見ている。
私の後ろを。
「そこにいるもの」
以来私は、少女にあっていない。




