処女防衛サークル、略して"SYOZYO"
気付けば約1年ぶりの投稿となってしまいました。久々に自分が書いた作品を読み返したのですが、発想が処女厨過ぎて付いていけませんでした。1年前の処女厨を憑依させ、必死に作成した話となります。そのためこの4話はある意味では偽りなのかもしれません。少しでも楽しんでいただければ幸いです。
by ナイスネイチャは俺の嫁
「「処女防衛サークルだと....??」」
予想もしていなかった"頼み事"に俺と健太は唖然とする。
「処女防衛サークル、略してSYOZYO。あなた達にはSYOZYOの一員になってもらう」
いや略してるようで全然略せていない。そもそもSYOZYOって何するサークルだよ。
「そのまんまよ。処女のことをやり捨てるような男達から処女達を守るサークル」
「いや、何も分からん。つまりどういうことだ」
「つまり、処女が付き合う、もしくは付き合ってる男がほんとに処女を大切にする男であるか。それを私達で調査するのよ。んでもってその男が処女に相応しくないと判断すればその男を処女から遠ざける。そういうサークルよ」
この女はほんとにさっきから何を言ってるんだろうか。んな調査をするにしても俺達みたいな大学生の限度は知れてるし、もし相応しくないと判断したとしてその男を遠ざけることなんてできるもんなのか...??
「できるわよ、我が鬼龍院財閥の力を持ってすればね!!」
"鬼龍院財閥"という言葉を聞き、健太がはっとした面持ちで言った。
「鬼龍院....どっかで聞いたことあると思ってたが、まさかあの鬼龍院財閥だと.....!?」
お決まりのフレーズで健太は鬼龍院財閥についての解説を始めた。なるほど、健太の話を聞く限り鬼龍院財閥ってのは相当すごい財閥らしい。
「そして私はその鬼龍院財閥当主の跡継ぎ候補って訳。どう?私の凄さがわかったかしら??」
「ああ、分かったよ。で、その鬼龍院財閥様の力を持ってすれば、一見意味不明であるSYOZYOですらサークルとして成り立たせることができる...と?」
「そういうことよ。調査に必要な物や環境はこちらで用意するし、男を遠ざけるなんて適当な理由つけて退学させればいいだけだし」
さらっと恐ろしいことを言うな...この女は。
「神谷、どうする....??鬼龍院は本気っぽいぞ...」
「どうするもこうするも、俺達のキャンパスライフが掛かってるんだ。引き受けざる負えないだろ。だがその前に.....」
「....その前に何かしら??」
カッと俺は目を見開く。
「お前の処女に対する熱意を見せてもらおうか!!!!!!」
「処女に対する熱意...ね。どうしてあなたにそんな事言われなきゃいけないわけ??」
「SYOZYOなんてサークル作ろうとしてんだ。あんたにも処女に対する"何かしら"があるんだろ??じゃなきゃこんなサークル思いつきすらしない」
「それに俺たちはもう仲間だ。仲間同士、処女への熱い思いを語り合いたいと思うのは当たり前だと思うが??」
ナイス便乗、健太。
「まぁあなた達の言うとおりね。その意見は間違っていない。けど残念。今あなた達とその話をするつもりにはなれないわ」
初めて曇った表情をみせた鬼龍院。それはほんの一瞬であったが、俺はそれを見逃さなかった。
「....お前がそう言うならまぁ仕方ない。無理して話させるのは仲間としてのルールに違反するしな」
「だな」
頷く健太。多少腑に落ちないところはあるが、こいつの処女への熱意はこんなサークル思いついた時点でまぁ十分伝わってるし、良しとしよう。
「で、俺たちは何をすれば言いわけだ」
よくぞ聞いてくれたと云わんばかりの鬼龍院。
「そうね、まずあなた達にはこの大学に潜伏している処女達を探して貰うわ」
得意げに笑う鬼龍院。いや、そもそも潜伏してる処女って何。人狼かよ。
「処女を守るサークルなのだから、まずは守るべき処女を探さないと話が進まないわ。そこであなた達の出番って訳」
なるほど、と健太。
「確かに俺と神谷ほど処女探しに長けた人間は居ないだろうよ、なぁ神谷?」
「まぁ...確かにな」
こと処女探しに置いて俺たちほどの適任は他にいないだろう。
「そういうことよ、まずは一人でいいから処女を見つけてきなさい。期限は...そうね、今日の18時までにしようかしら」
「18時...実時間にして残り5時間と少しか...」
「それだけあれば十分でしょ??ちなみに18時を過ぎた場合は分かってるでしょうね??」
「あぁ、分かってるさ...」
脳裏に多目的トイレでオ〇ニーしてる自分の姿が過ぎった。生唾を飲む。そんなことはあってはならない。
「...いけるか?神谷...」
「...あぁ、俺たちなら出来る。いや、やってみせるッ!」
俺と健太はお互いの目を見て強く頷いた。
「OK。それじゃあ二人とも18時に再びここで会いましょう、結果楽しみにしてるわ」
そう言い残すと鬼龍院は教室をあとにした。先程まで騒がしかった206号室は鬼龍院という嵐が過ぎ去り、数分前が嘘であったかのように静かになる。俺と健太、お互いに無言のまましばらく立ち尽くしていた。
「ミンミンミンミンミンミンミン」
蝉の喘ぎ声が心地よい。あまりの暑さに蒸し上がってしまった弁当がふと眼に入る。
「...とりあえず食べるか」
「...そうだな」
俺たち二人は何とも切ない表情で蒸し上がった弁当に手をつける。こうして俺は予期せぬ形で処女防衛サークル、略してSYOZYOに所属することになってしまったのである。
やっぱ全然略せてないな、これ。
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