エピローグ。
現在時刻10時30分。場所はK大学105講義室。
「と、いう夢を見てしまってな....」
「なるほど、それはたしかに地獄だ」
俺は今朝みた悪夢の内容を平林健太に語った。こいつもまた処女厨である。
「しかしだな、神谷。付き合う前に処女かどうか聞かなかったお前も悪い」
「ちょっと待て、お前の言い分も確かにわかる。だが付き合う前に、きみ処女かい?とか流石に聞けんだろ」
まぁな、と健太は退屈そうに講義を聞きながらあくびをした。健太とは大学入学時に意気投合しそのまま共にキャンパスライフを過ごしている。かれこれ3ヶ月近い付き合いになる。
「おい、神谷。あれをどう思う」
健太の目線の先にはカップルと思われる1組の男女。と、いうことはまたあれか。
「女の方、処女だと思うか??」
本人たちに聞こえないように声のトーンを下げ健太が聞いてくる。やれやれ、お前も飽きないな。
「非処女に一票」
ほぅ、と健太。なぜそう思う?と言わんとする顔だ。
「まず女の方。顔自体大して可愛くないが、化粧と髪型で誤魔化してる感じ。まぁ典型的な大学デビューだな」
「ふむふむ、で?」
「次に男の方だ。悔しいがそこそこ整った容姿をしてやがる。見たところ1回生の講義に混じってる2回生だな。多分サークルの先輩か何かだろう。簡単に付き合えそうなハードル低そうな女を狙ったんだろうな」
「....サークルの先輩か。では奴は大学デビューした女の処女膜だけを奪ってポイ捨するクズ男と言うわけか!?」
「恐らくだけどな。見てみろ、健太。さっきから男の方がボディタッチばかりしてるだろ。ひと目も気にせずに、だ。相当慣れてないとできない」
「うむ、なるほどな。他の女にも似たような事をして来た訳だ。それを受け入れている女側の反応をみる限り非処女の可能性が高いと??」
「そうだ。付き合って一ヶ月足らずで男の方が手を出して、女の方もそれを受け入れたと予想」
俺の説明を聞き終え、背伸びをする健太。こいつとはカップルを見つけては今みたいなゲームをしている。このやり取りも今回で何度目か。
「で、神谷。どうやって奴を火炙りにする?」
「そうだな。ここに出張リストカット屋を呼ぶのはどうだ」
このやり取りも果たして何回目か。
(キンコーンカンコーン)
2限終了のチャイムが鳴る。今日は2限だけなのでこれで講義は終了だ。
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「飯はどうする?神谷」
「今日は弁当の気分だな。お前の分も買ってくるから、いつもの場所取り頼んだ」
「206講義室だな。任せとけ」
206講義室とはいつも俺たちが弁当を食べている空き教室である。講義が入ることは稀であり、かと言って他の生徒に利用されることも殆どない穴場スポットだ。
健太と別れ、生協に二人分の弁当を買いに行く。弁当2つで800円。なかなかにお手頃である。
「こちら800円になります」
800円を渡し、弁当と割り箸を受け取る。見たことない店員さんだな。なかなかにかわいい清楚系。こんなかわいい店員さんでも夜には彼氏に股開いてると考えるとまじで萎える。
そんなことを思いつつ俺は206講義室へと向かった。
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現在時刻12時30分。206講義室にて。
腕を組み偉そうに佇む美少女。その前で正座させられている俺たち。
「あなた達には処女防衛サークルを作ってもらうわ!!!
口答えすれば分かるわよね??」
いや、まてどうしてこうなった。
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