第二十三話 決戦ドリュアス要塞 前編
同盟軍艦隊旗艦、ワルキューレ号のブリッジの扉を開けて、一人の男が入ってきた。
「野郎共、おしゃべりは終わりだ。総員、戦闘配置につけ!!」
その男、艦隊総司令官と作戦指揮を任された国防委員長ゴードン・フェンリルは、決戦を前に部下達に喝を入れる。
そして背後の艦長席に座るアマダ議長の方を振り向く、いつもであればこの席はゴードンが座るべき席だが、最高指導者である評議会議長が乗艦しているため席を譲っていた。
「議長、では始めますぜ!!」
「ああ、始めてくれ」
「了解です」
共和国への報復攻撃、そして国防委員長と艦隊総司令官の両方に任命されていた時からゴードンは、この日が来るのは心待ちにしていた。
現在、イスラ同盟国は、各委員会による派閥抗争が激化しており、どの派閥も手柄を立てることに躍起になっておりそれぞれの得意分野で功績を挙げている。
それはフェンリル傭兵団が母体になっている国防委員会も同じなのだが、幸運な事に、イスラ同盟国は今、共和国との戦争中で、しかもボロ勝ちしているので艦隊と軍を管理している国防委員会は、他の委員会よりも頭一つ抜けた成果を叩き出すことができていた。
その甲斐あって、どの派閥にも属していない弱小派閥の三分の一近くが同盟軍へ志願した事もあり、国防委員会の影響力は、他の委員会を大きく突き放している。
戦争中という事もあるが、大量の人員を得て、ここ最近の共和国との戦いで目覚ましい功績を立てた国防委員会こそがイスラ同盟国における最大勢力という声も大きい。
しかしながら、ゴードンは楽観視していなかった。
(シギンババアめ、最初は裏方仕事である資源管理委員会を選ぶなど、とうとう引退でも決意したかと思ったが、まさか資源を牛耳ることで、裏から国を支配しようとしていたとは)
かつて戦場において、フェンリル傭兵団と幾度も争ったカルスタン家。国防委員会の結成時に、カルスタン家側がうちに国防委員会を任せろと、言ってくるだろうと考えていたが、彼らは得意な戦場ではなく国の土台を掌握するために資源管理委員会を選んでいた。
傭兵として戦場での生活が長かったゴードンは、最初こそはシギンの狙いが分からなかったが、しばらくして気が付いた。
戦争時は、国防委員会の方が強い影響力を振るえるが、平時であれば、資源管理委員会の方が影響力は大きいのだ。
故に、強い危機感を抱くゴードンは、この戦いを、カルスタン家を大きく引き離すための最後にして最大の機会と捉え、この一戦で、共和国を屈服させて、イスラ同盟国内における絶対的な地位を獲得することを目論んでいた。
(それに、あのシギンババアですら一目置く、議長もこの戦いの全てをお前に任せると言ってくれている。必ずや勝利して見せる!)
心の中で改めて決意を固めたゴードンは戦場を俯瞰する。
ドリュアス要塞を守る敵の地上部隊は物凄い数だ。最低でも五万はいるだろう。まともにやり合うなど愚の骨頂だ。ただ、残念なことにこちらは戦力は全て空の上にいるので、地上の軍勢は無視して良い。
問題なのは、こちらと同様に空を飛ぶ共和国艦隊だ。つまり、敵艦隊さえ潰せば、こちらの勝ちだ。
「全艦、微速前進! インドラの射程に入り次第、敵空鯨船に向けて発射しろ!!」
「了解」
命令を受けたクルーは、伝声管を使い、船の上部甲板にいるクルーへゴードンからの命令を伝える。すると、上部甲板で待機していたクルーは、空に向かって異なる三色の炎の魔法を放った。
この魔法は、元は数十年前にカルスタン家が開発した連絡用の魔法だ。
赤、青、緑、黄色などの、色付き炎を、速度を変えたりして空に打ち上げることで離れた場所にいる友軍に合図を送るために開発された。いわゆる発光信号である。
ただ魔法自体は簡単に習得でき、何より敵軍との交渉にも使えるために、魔法と信号のパターンは、あっという間に大陸中に流行した。
そのため、共和国側からもゴードンが同盟軍全体に出した命令は丸分かりなのだが、負けるとは微塵も感じていないゴードンは、特に問題にしなかった。
旗艦からの火球を視認した各艦にいるクルー達は、命令を把握した。
「旗艦からの信号です。早めの赤、遅めの青、黄色……。微速前進、インドラの射程に入り次第、攻撃開始せよ、です」
「了解した。微速前進」
ゴードンの指示でゆっくりと前進していく同盟軍艦隊。
その時、共和国側で大きな動きがあった。
「て、敵艦隊の一部がこちらに突っ込んできます」
「何?! 奴ら血迷ったか!!」
近寄れば同盟軍側の空鯨船に搭載されている雷弓インドラによって一方的に撃墜される。そうならないためにも共和国艦隊は常にインドラの射程範囲外にいなければならない。
そう考えていたゴードンは敵の動きが理解できなかったが、これ幸いだと喜んだ。
「よし、ジワジワ進軍して距離が詰まったところでインドラで蜂の巣にしてやろうと思っていたが、どうやら手間が省けたぜ。全艦に信号を送れ。ただちに攻撃開始だとな!!」
「は!!」
そして、横一列に並ぶ同盟軍艦隊から一斉にインドラが放たれ直撃したいくつかの共和国の空鯨船は飛行に支障をきたし、見る見るうちに高度が下がっていく。
せめてもの救いは爆発物を積んでいないため、いきなり爆散という事態にはならず、地上にいる味方を巻き込まない場所に不時着する力は残っていることだが、それでも、修復せねば再び空を飛ぶことは不可能だ。
こうして、唯一同盟軍艦隊に対抗できる戦力が何一つ成果を出す事もなく、一つまた一つ姿を消していった。
地上部隊右翼。共和国軍第四師団にて。
この戦場にいるほとんどの兵士が、新聞の記事を見てこの戦争の引き金を引いたのは、自国の強欲な商人や政治家達だということは知っていた。
自分たちの欲望から戦いを始めて、国家滅亡の危機になっているのにも関わらず、安全な場所でのうのうとしているのには反吐が出るが、それでも自分達は軍人だ。
上層部が腐っているにしても、国と家族を守るためには、どんな大義や理想があろうとも戦わなければならない。
それだけに 武器や剣を携えた兵士達は、自分たちでは絶対に届かない上空で繰り広げられる戦いを見て強い憤りを感じていた。
「おい、また一隻堕ちたぞ!!」
「畜生、上の連中何をやっているんだよ。近づけば敵のバリスタで撃沈されるのが分からないのか?!!」
「もっと距離を取れよ!!」
「それ以前の問題だ。距離を開けるどころか、共和国艦隊の方から突撃しているように見えるぞ」
「ザルバトーレ大将閣下は何をやっているんだ!」
金とコネで就任した前参謀長とは違い、この戦いの最高司令官である参謀長ガルダ・ザルバトーレ大将は、無能な前任者とは程遠い英雄と呼べる類の人物である。
そんな司令官が、自軍の空鯨船を、イスラ同盟軍艦隊に向かって、絶えず突撃させていた。そんなことをすれば、当然、射程範囲内に入った空鯨船から順番に撃沈される。
地上から見上げる兵士達には、狩人にみすみす獲物を与えているようにしか見えなかった。
このままで大丈夫なのかという不安は大きいが、待機中であることもあり、無策にしか見えない作戦に対する不満の方が強まっていく。
「おい、そこ私語は慎め、戦闘中だぞ!!」
勝手にしゃべりだす兵士達を叱責する士官。だが、彼も内心では兵士達と思いは同じだった。
ドリュアス要塞。
城壁の上に建てられた見張り台から、次席参謀長を命じられたロズウェル・カルスタン中将は、空を見上げていた。
敵の船は一隻も落とせていないのに、味方の被害は増大していく一方だった。
「中将殿。だ、大丈夫なのでしょうか?」
だが、心配する部下達に対して、ロズウェルは気楽そうな感じで返事をした。
「さあ~。でも、大将閣下が、作戦をしくじるような男ではないのはあなた達もよく知っているでしょう。それに私も協力したしね。何とかなるでしょう」
真正面から突撃を仕掛ける共和国艦隊を強力なバリスタである雷弓インドラを使い一方的に葬る同盟軍艦隊。
共和国の空鯨船にも、一応、軍が無理やり載せたゼラシード商会製のバリスタが搭載されているが、性能が違い過ぎて、何の役にも立っていないため、同盟軍艦隊に全く近づく事もできずに一方的に叩き落とされていた。
やがて、残りの敵艦の数が半数を下回った時点で、ゴードンは勝利を確信した。
(よし、情報通りであれば、敵の空鯨船の数は全部で二十一隻。これは勝ったな)
共和国の軍事基地を空爆していた間に、ゴードンは元共和国出身の人間を諜報員として忍ばせていた。彼らは、かつての伝手を使い、この戦いにおける共和国側の戦力を正しく報告してきている。
(地上の部隊は大軍だが、何もできまい。要塞にしたって上から爆弾を投げれば終わりだ。空鯨船だけが、敵がこちらを攻撃できる唯一の戦力なのに無駄にするとは、個人としては無敵の兵士だろうが。指揮官としてお粗末だったな。剣聖ザルバトーレ)
少々気は早いが、もはや勝利は揺るぎないだろう。
「議長、これはもう勝ちましたな。一応、信号を送って敵に投降を呼びかけますか?」
ドリュアス要塞の破壊がこの戦いの目標ではあったが、敵側の被害とこちらの爆弾の消費を抑えられるのであれば、向こうの出方次第でここらで手打ちにしてもいい。
総力戦で臨んだはずの共和国を相手に圧勝。この功績はとてつもなく大きいからだ。
派閥争いにも、これで終止符を打てると満足していたゴードンは、最高指導者であるアマダに降伏を呼びかけるべきか、尋ねたその時、艦内が大きく揺れた。
「ぐ、どうした?」
揺れが収まってから、前方に目をやると、敵艦隊が未だに性懲りもなく突撃してくるのが目に見えるが、何かできるほど距離が近いようにみえなかった。
だとすれば、今の揺れは何だったのか。
その答えは、船の後方と連絡できるはずの伝声管から聞こえてきた。
『ほ、報告します。本艦の後方に未確認の空鯨船が一隻、突然、突っ込んできました!!』
未確認と言われても、同盟軍には既にいる七隻しかいないので、そいつは確実に敵だ。
「何だと!! 見張りの兵は何をしていたんだ! ちっ、手の空いているクルーは被害を確認をしろ! それと戦闘員は船の後方に集結しておけ!」
艦内に指示を出した後、ゴードンと一部のクルーは、ここからでは見えないため、ブリッジの側面にある窓を開け体を乗り出して、船の後ろを確認する。
すると、確かに旗艦の後方に味方ではない空鯨船がいるのが確認できた。
「一体どうやって?!」
敵が真正面からのみ攻めてきたので油断していたのは否めないが、それでも雲一つない空を背後から一隻だけでノコノコやってくる船が、旗艦にぶつかるまで見逃すほど同盟軍の偵察役は無能ではないはずだ。
「七隻もいたのに、誰も気が付かなかった原因はなんだ?」
しばらく観察して敵のカラクリを見破ったゴードンは、やられたと地団駄を踏んだ。
「やられた! その手があったか!!」
すると、顔色一つ変えずに、落ち着いた様子で艦長席に座る議長アマダはゴードンに見破った種を尋ねた。
「どんな手だ?」
「あれをご覧ください」
ゴードンは、ぶつかってきた敵艦の一部を指した。
「あれは何だ。透明になっているのか?」
席から動こうとしないアマダの代わりにゴードンの指差した方を見た、カルスタン家から派遣されていた分家筋の男性クルー、マッシュ・ジョワズが思わず叫んだ。
「まさか!! あれはインヴィジブル・カーテンか?!!」
これ以上の解説は魔法の専門家に譲った方が良いだろうと、ゴードンはその場を一歩引いた。
「インヴィジブル・カーテン? 確か一定時間、対象を透明にしてうっすらと見えなくする魔法か? なるほどな。しかし、普通であれば、あの魔法の効果範囲は、頑張っても家くらいの大きさが限界だとエシャルとシギン婆さんから聞いていたが?」
ぶつかってきた空鯨船は、どう見ても、普通の民家よりもはるかに大きい。世界屈指の二人の魔法使いが限界だと判断していたラインを軽く超えている。
「おっしゃる通りです。どんな魔法使いでも精々一軒家を見えなくできれば御の字でしょう」
攻撃魔法以外の魔法を極限まで強化できる聖女の加護を持つエシャル以外に、こんな大技をできる者がいるのか?という疑問がブリッジにいる全員の脳裏に浮かび上がった。
(一体誰が……ん?)
と、ここまで考えて、マッシュの頭にそれができそうな人物が一人思い浮かんだ。
帝国での一件でエシャルの両親を始めカルスタン家の本家筋や分家の大半が命を落とした。なので、不覚にも失念していた。
イスラ同盟国とかつての古巣である帝国以外の地にも、カルスタン家の人間がまだいることを。
「あのお方ですか。そういえばあの方は、こういった魔法に関してはシギン様よりも遥かに上でしたね。確か要塞の司令官をしていると聞いてますし、なるほど恐らくは、あの船に魔法だけを掛けたのでしょうね」
敵軍の情報が全て頭にある司令官ゴードンもまたマッシュの言葉に頷いた。
「間違いないだろう。俺も傭兵をしていた時に何度かあの女とは戦った事がある。彼女は要塞司令官と聞いていたので、戦場には出てこないと考えていたんだがな。してやられたよ……ロズウェル・カルスタン!」
ロズウェル・カルスタン。
アマダもその名前は聞いていた。現世界最強の魔法使いにして、シギン婆さんの娘にして、エシャルの叔母に当たる人物だ。
だが、ゴードンと同様に、彼女はドリュアス要塞の司令官でもあるため、最終局面までは戦いに関わってこないと予想していた。
それが、まさか、こんな形で一杯食わされることになるとは。
「インドラを使えば簡単に撃沈できるとは言え、流石にこちらの三倍以上の敵艦が襲い掛かれば、正面以外は多少はおろそかになる。見張りの意識が前の方に向き、うっすらでも艦全体が見えにくくなれば、衝突されるまでは気がつかないか……」
易々と接近を許した原因は理解できた。しかしまだ一つ謎が残っていた。
「ゴードン。お前の集めた情報によれば、今動かせる共和国の空鯨船は全部で二十一隻なはずだ。じゃあ、あの船は何だ?」
「そ、それは……」
アマダの問いに、覚えのないゴードンは言葉を濁らせたが、衝突による衝撃で徐々に魔法が解除されていき、大部分が視認できるようになった敵艦を見て、マッシュがある事に気が付いた。
「あの空鯨船。見たことがあります!」
「うん? ……そうか以前、我々の首都を空爆した奴だな。まさか、同型がいたとはな」
まさかの敵艦の正体に全員が驚いていると、今度は悲鳴のような叫び声が伝声管から響いた。
『ほ、報告します。敵部隊の侵入を許しました!』
報告を聞き、慌てて伝声管に駆け寄ったゴードンは管に向かって叫んだ。
「馬鹿野郎! この艦にはロカも聖女もいないんだぞ! 何とかしやがれ! そのためのお前達だろう!」
怒鳴るゴードン。
だが、続々と入ってくる艦内の主要な場所が次々と敵の手に落ちていく報告を聞いて、小さな冷や汗を流した。
(どうする。このままでは……)
戸惑いの色を見せ始めた司令官に対し、悠然とした姿勢で艦長席に座る議長が尋ねる。
「大分、追い詰められているようだが、大丈夫か?」
敵の侵入を許したにも関わらず、落ち着いた様子で顔色一つ変えずにこちらを見つめる議長のその一言を、ゴードンは「ピンチのようだから指揮を代わろうか?」と受け取った。
「だ、大丈夫です。このゴードン・フェンリル。全軍の司令官を任された以上、必ずや侵入してきた敵を排除いたします」
開戦以来、ここまで勝利を積み重ねてきたのに、最後の最後に、議長とはいえ、他人に譲るなどという選択肢はなかった。
最初から最後まで自分の手でのみで完遂することに意味がある。
(この戦いに、勝利すればイスラ同盟国内の派閥争いは、我々の勝利で幕を下ろす。ここまで来たんだ。あともう少しなんだ)
責任を背負うからこそ、達成した時に、最大の栄誉を賜れる。
ゴードン・フェンリルは己の頭をフル回転して侵入者の迎撃を開始した。
イスラ同盟国の人間は、空鯨船の性能には興味はあるが、誰が作っているかについては深く考えていなかった。
事実、ゴードンも建造元の情報を入手していたが、役に立つとは考えていない。
しかし、共和国の人間は、常にトップを走ってきたゼラシード商会の失墜を意味していることもあり、重要な事柄であると考えている。
近頃は、ユニオン商会製の空鯨船ばかり見るが、元々空鯨船を開発したのは、ゼラシード商会なのだ。
そして、同盟軍艦隊が発足してから、今日まで撃沈したのは全てユニオン商会製の空鯨船だった。
なので、最初にリチャード准将が、村を襲撃した時に返り討ちにしたゼラシード商会製の空鯨船一番船スルトの他にも、ゼラシード商会製の二隻の同型船が残っていることをイスラ同盟国側は知らなかった。
そもそも軍とゼラシード商会が一隻ずつ隠していたその二隻の存在は、国家最高機密に当たるので、ゴードンが把握していないのも無理はないのだが、ともかくまだ共和国には二隻の空鯨船が健在なのだ。
その内の一隻、碌な武装もない二番船ミーミルに乗り込んでいた共和国軍参謀長ガルダ・ザルバトーレ大将は、アマダとゴードンが乗る同盟軍艦隊旗艦ワルキューレ号の内部への侵入を果たすと、安堵しつつニヤリと笑った。
「ふ~、全艦隊を陽動として使い捨ててまで実行した作戦が今のところは成功して一安心だぜ」
剣聖ザルバトーレは、今までの戦いの記録から、どう考えてもまともにやりあっては勝てないと判断した。
ならば、奇策に走るしかない。
二十一隻からなる虎の子の共和国艦隊。
無策にしか思えない正面からの突撃による陽動作戦。
完璧に見えなくするわけではないが、陽動作戦と併用すれば気付かれることはないであろう世界最強の魔法使いが船全体に掛けた透明化の魔法。
そして、恐らく敵が把握していない二十二隻目の空鯨船。
「それと、火球による連絡方法は諸刃の剣だぜ。内容もそうだが最初に火球を出した船が旗艦だとすぐに分かるからな」
これら全てを使い切り、最強の使徒、剣聖ガルダ・ザルバトーレは、全共和国軍最精鋭と呼ばれる強襲部隊を率いて、見事、同盟軍艦隊旗艦ワルキューレ号の中への侵入に成功した。
「大将閣下。敵艦の後方はこちらの部隊が占領しましたが、どうやら敵司令官がいると思われるブリッジは艦前方にあるようです。それから先行した連中が現在中央付近で敵と交戦中です」
「了解だ。急ぐぞ! 味方艦が特攻をしている間は交戦中の他の敵艦からの援軍はない。故に共和国艦隊が全滅するまでに敵の司令官を捕らえて戦いを終わりにする。狂戦鬼と聖女以外のブリッジにいない敵は即殺でいけ!」
次回の投稿はできるだけ早めに行えるように頑張ります。




