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呂布が動き、連合は揺れる

投稿が少し遅れてすみません。

今回は短めです。


 諸侯はどこかしら董卓を侮っていたかもしれない。


 反董卓連合軍に参加さえすれば、おのずと董卓は誰かが討伐するだろうと。


「呂布奉先……ここまでの強さとは」


 曹操は呂布の軍勢の恐ろしさを目のあたりにする。


 虎牢関ころうかんに連合軍が到着すると、虎牢関ころうかんに攻め入ろうとした。


 虎牢関ころうかんに董卓がいるとわかっているためか、連合軍の士気は上がった。

 誰もが董卓の首を手柄として欲した。


 諸侯も我先と先鋒を名乗り出る者が相次ぎ、軍議によって連合軍を六軍にわけられた。


 曹操は昨夜の曹和の言葉を信じ、先鋒には名乗り出ずに敵の出方をうかがうことにした。

 そのためか、曹操軍は第五軍の後方に配置された。


 後方に配置されたことによって曹操は損害を抑えられると考えていた。

 第一軍から第六軍までの兵力は約十三万。


 虎牢関ころうかんにも十万がいるが、籠城戦となれば十万を生かすことはできない。

 そのため軍議においても敵は野戦で挑んでくると曹操は唱えた。


 だが、諸侯は董卓は虎牢関ころうかんで固く籠城すると曹操と公孫瓉こうそうさん以外の諸侯によって満場一致がなされた。


 これには曹操も溜息を吐くことしかできなかった。

 諸侯は董卓を侮りすぎている部分が多々あった。


 案の定、敵は虎牢関ころうかんから打って出てきた。


 先頭にいたのは赤い頭巾を巻き威風堂々とした男だった。

 片手には方天画戟を軽々と持ち上げ、無言で軍を指揮する男の眼は笑っているようにも見えた。


「あれが呂布です、兄者」


 曹和もまた呂布の姿が見えなくとも場の雰囲気から悟った。

 数年ぶりに感じる呂布の戦場さえも支配する圧倒的な武人としての威圧。


「恐ろしい男だ。呂布が出てきただけで董卓軍の兵の雰囲気が変わるのか」


 まさしく呂布が姿を現すと、虎牢関ころうかんから凄まじいほどの声が聞こえる。

 それは呂布がいかに軍を率いる者として圧倒しているかを象徴するような声にも聞こえてくる。


 呂布が率いるのは二万。

 二万の中にに呂布自ら鍛えに鍛えた五千の騎馬隊がいる。


 先頭に呂布が立ち、両翼には騎馬隊。

 歩兵が中央に広がり、鮮麗された動きで陣形が組まれていく。


 一種の芸術のように見えてしまう呂布軍の陣形に曹操は喉を鳴らす。


「あれが呂布軍二万か。敵ながら厄介な軍だな」


 呂布を称賛しながらも、呂布が自ら鍛えた二万の精鋭を警戒する。


「おそらく騎馬隊が軍の中核を担っているのでしょう」


「そのようだな。騎馬隊には十分警戒したほうがいいが、歩兵も侮れん」


「呂布軍の中核は騎馬隊です。騎馬隊さえ止めてしまえば自然と歩兵も止まるが、あの騎馬隊を止めるには相当な犠牲が必要です」


「第一軍に伝令だ。呂布の騎馬隊とは正面からぶつからないようにと」


 第一軍が崩されるわけにもいかないため、曹操は伝令を出す。


「はたして伝令は間に合うか……」


「間に合わなければあっという間に第二軍も突破されるぞ」


「そうなればここも危険です。後方に下がった方がよろしいかと」


「戦場に安全なところなどない。呂布がここを突破してくるなら戦うだけだ」


 曹操は呂布が連合軍相手にどう戦うかを知りたかった。


 二万で連合軍十三万を相手にすれば呂布と言えども軽々しく動けない。

 普通ならば間違いなく慎重になる。


 だが、呂布軍の陣形は守りの陣形ではない。

 いつでも前に動けるような陣形だ。


「動いたぞ」


 曹操は呂布軍が動くと思わず声を出した。

 それほどまでに呂布に興味がわいている。


 第一軍と呂布軍がぶつかる。

 第一軍が呂布軍にぶつかると、先頭を走る呂布に斬られる。


 ただ斬られるのではなく兵士の体が宙に浮いて吹き飛ばされている。


 連合軍の誰もが眼を疑った。

 文字通り、呂布の一振りで人間の体が吹き飛ばされるのである。


 第一軍に恐怖が伝染する。

 それは第一軍のみならず第二軍以降の連合軍にも伝染する。


 第一軍は一度ぶつかっただけで中央を突破され、両翼の騎馬隊に分断される。

 分断された第一軍は呂布に軽くあしらわれる。


 第一軍は呂布とぶつかってから束の間、潰走しはじめる。


「第一軍を易々と突破したか。第二軍も抜かれるのは時間の問題か」


「このままでは損害が大きくなるだけです。ここはわれわれが―」


 曹和の言葉を曹操が妨げる。


「それはならぬ、子元。単独で動くことは許さないと言ったはずだ。そして、お前が呂布と戦うのは今ではない」


「早く呂布と闘ってみたいです、兄者。呂布を見ていると体があいつと闘いたくてたまらない」


「焦るな。呂布も同じ気持ちだ」


 曹操は血気盛んな曹和を見て頼もしいと思いながらも、己を制御できていない弟を心配する。


 呂布は潰走する第一軍を深追いせず、あっさりと軍を引き上げた。

 まるで連合軍にいつでも殺せるぞと言い残すような見事で鮮やかな戦いだった。


 第二軍は潰走した第一軍を吸収しながら、後方に後退する。


 呂布の騎馬隊はまったく乱れがなく、曹和でさえも見とれてしまいそうなほどの動きだった。

 呂布が動けば、騎馬隊も動く。

 呂布が止まれば、騎馬隊も止まる。


 まるで曹和の黒騎を映した鏡のようだった。


「軍議だ。呂布を封じる戦い方をしなければ勝てないぞ。子元、お前の力が必要だ」


「呂布と闘っても?」


「それをこれから軍議で話し合う。お前もついてこい」


 曹操に言われ、曹和は諸侯が集まる軍議に出た。


 第一軍を指揮していた大将の顔は真っ青だった。

 生きて帰れたのが奇跡のようなだったと周りに話している。


「呂布の騎馬隊と呂布を封じる。呂布を封じなければ、この戦いに勝利はない」


 諸侯を見渡しながら曹操は言う。


 すでに虎牢関ころうかんに軍議は曹操が中心に軍議が行われる。


「呂布にはわが軍の曹和を当てたい。呂布を止めるにはそれしか方法はない」


 曹操はついに曹和の存在を連合軍に告げた。

二日ぶりに見てみたらブックマークが300を超えていることに非常に驚いております!

駄作ながら多くの読者様に読まれていると感謝しながらこれからも書き続けます!

二日に一回の投稿を目標に頑張らせていただくので、これからもよろしくお願いします!


次回の更新日は少し先で8月29日です。

ブックマークや評価、感想をいただけるとありがたいです。

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