School Life 8 前
体験入学最後の授業は、この世界の神話の紹介であった。終礼へと続く関係で、この授業は少し短めになり、概略の紹介程度であったが、いくつかの神話は一希の故郷で聞いたことのある神話と似ていることが印象に残ったが、相変わらずノートにとるのが精いっぱいであった。
特に彼の印象に残った話はやはり「生まれ変わり」に関する話であった。記述は少ないが、このような話があった。
―人を守る神が生まれ変わりを決める。そして、神は一人ではなく、何人かでこの世界の命運について会議する。会議する神々の中には人に試練を与える神もおり、人間はそれを乗り越えなければいけない。
終わった際に、図書館であとで調べようとノートを眺める一希のもとへ、ジャコンはと申し訳なさげな声と共に現れた。
「申し訳ないんだけれど...神殿へ行くのは中止ということでお願いできないかな。」
「どうしたのですか?」
一希の近くにある空いた席に彼は座り、話を始めた。
「あのあと、神殿へ行った調査隊が戻って来たんです。負傷した姿で。魔物に襲われたらしいのです」
「元々あそこは神のご加護を受けた場所のはずですから。魔物は近寄れないはずなのです...それに調査隊も名うての者を揃えていたのです。それなのに...」
「流石に、そういう危険な場所に人は送れないってことですね」
「そうなんです...本当に申し訳ございません。」
「そんな、気にしないでください。」
ご神託など、気になることがあったが、危険ならば仕方がない...死んでしまったら元も子もない。一希そう考えながら小さく頷いた。
「待ってください、先生。」
話を終え、教員が離れようとした時、、一人の女性が彼らに声を掛けた。女性は薄橙のワンピースを着ていたが、それより頭に巻かれた包帯が目立つ。
「私は調査隊の一員です。伺いたいことがあって...お邪魔させていただきました。先生、お時間大丈夫ですか。」
教員が頷くのを見ると、彼女は話し始めた。
「そちらの方が、その、神殿の紋章に関するかもしれないお方なんですよね。」
「まぁ、一応」
「実は、私が神殿に調査に向かった際にいた魔物が、やけに勇者に固執していたんです。私たちを倒したあとに、一瞥してこういったのです。それから森の奥へ消えって行ってしまいました。」
―勇者じゃないなら意味がないわ。
彼女は声を小さくして囁くように言った。
「もしあなたが紋様を持つ人で、ほんとうに勇者なら...もしかしたら狙われているのかもしれません。」
今回は、前週に引き続き前半のため少し短くなっております。申し訳ございません。
後編については同じく明日の同時刻に投稿させて頂こうと考えております。
よろしくお願い申し上げます。
ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。




