School Life 7 前
イベントが終わり、休憩時間となった一希ら一行は図書館へと向かう。古書の匂いの籠っている本棚の間を抜けていけば、日差しのあまり入らない窓際にたどり着いた。テーブルにはすでにジャコンが座っており、一冊の本が置かれている。シンプルな赤表紙の本だ。隣には木製の書類ケースが置いてある。
「来てくれてありがとうございます。」
教員は到着した一行を見て立ち上がり軽く手を上げた。
「いえいえ、こちらこそ。魔法についてのお話、どういったお話なんですか?」
一希の言葉に彼は声を控えて話し始めた。
「そうですね...実は貴方がたに神殿に向かってほしいのです」
書類ケースから彼は地図を取り出した。学校から神殿への道が書き込まれている。マーがそれを覗き込んでから尋ねる。
「どういうこと?魔法と何か関連が?」
「すみません。順を追う形でお話しますね。」
彼は本を開いた。その頁には大きな鳥の紋章が描かれている。円形の枠の中で白い鳥が翼を伸び伸びと広げている白黒の絵だった。補足文が下に書かれていた。太陽を示す神の鳥だと。
「先ほどの競技の際に一希さんの手に出たヤケド...これに似てるのではないか、と思いましてね。」
「うーん。」
一希は唸った。確かに奇妙な跡だったが、このように分かりやすい生き物を形どっていたとは思えない。
「その、鳥の模様ではなく、こちらの黒いほうです。」
円形の枠の中、その白鳥の描かれていないところは黒く塗りつぶされている。教員は、指をそこに滑らせた。そこにが似ているというのだ。一希は手を握ったり開いたりして感覚を思い出そうとした。既に跡は少しも残っていない。だが、この抽象的な陰にも見えなくもなかった。
「確かにそうかもしれません。」
彼の言葉に教員が小さく頷くと、
「そして、この紋様は、この近くある王家が管理する神殿のものなのです。そこには封じられた魔力を呼び起こす力があるとか...そして神に選ばれしものがそこへ行くと、強い魔力に目覚め、さらにはご神託を伺えるという話も聞きます。」
「それで、私達に行ってもらいたいと言うワケね。」
合点が行ったように頷くマー。
「王家が管理するといっても、許可を出せば入ることができます。一か月ほど前の調査では魔物はおりませんでしたし。今、調査隊が行っていて、明日に帰りますから、おそらく大丈夫だと思います。」
「なるほどねぇ...どうする一希?」
本当に効果があるかわからないが、やってみる価値はある。
「やってみます。その神託とやらも気になりますし。」
「ありがとうございます!」
彼は書類ケースから取り出した紙にサラサラと何かを書き込み始めた。
「私はこれを上へ話して許可頂きますので。恐らくは明後日には行けるはずです!」
今回は前半のため少し短くなっております。申し訳ございません。
後編については明日の同時刻に投稿させて頂こうと考えております。
よろしくお願い申し上げます。
今日もここまで読んでいただき誠にありがとうございました。




