表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Hope of Fantoccini  作者: 蒟蒻
Exploratory Various Humans
67/182

Scool Life 4

 チャイムが響けば午後の授業の開始だ。学生はもう、それぞれの教室に集まっている。人の少なくなった食堂は、落ち着いた空気が流れていた。


「さて、みんな集まりましたか?」

 グラウンドには体験入学の生徒が待機しており、そこに教員ジャコンの声が響いた。グラウンドには長方形のグラウンドに合わせて楕円が白線で書かれており、彼らはその中央に集合していた。

 近くには大きな的があり、直線状の少し離れた位置にマークがされている。

「午後の授業は実技形式。この国の古くからある伝統競技さ。簡単に言うと射的大会みたいなものだね。」

 彼は説明を始める。太陽の光は適度に放たれて銀の前髪を輝やかせているが、髪の緑のメッシュを乱すほどの風はないようだ。

「あそこに立って、向こうにある的に当てます。4球打って一番得点が高い人が勝ち。的に当てる玉はそこにあるのを使ってもいいし、魔法の弾や武器を投げても大丈夫です。普通の投球や、魔法を打つ時のフォームでも加点があります。持ち込み武器と直接的に攻撃することはアウト、具体的に言うとだね...」

 その言葉が終わらないうちに、彼の瞳が光り出し、ボールがひとりでに的へ向かってまっすぐに飛んでゆく。そのまま見事に的の中央にあたり、ぽとりと落ちた。

「これはNG。投げて当てる、ということがこの競技のポイントですからね。中央に当てれば、50点。離れたぶんだけ点数が下がる。つまり最大は200点。先ほどの説明したフォームによる加点は、離れた分の補填になります。」

 教員のフリを見るあたりフォームはどうやら一希の故郷とほぼ同じらしい。説明がおわると、彼は挑戦者を募集し始めた。


「はい!挑戦してみます。」

 金のポニーテールの女性が歩み出た。マークの上に立ち、軽くジャンプをすれば、ジャンプに合わせて結われた髪の毛が跳ねる。手を高く上げるとそこに氷の塊が現れた。

「いくわよ!」

 彼女が拳を握ると、手の中にある大きな氷が砕ける。その破片が、あたりに飛び散った。特に大きな塊が彼女の手の中に残る。彼女はそれを投げた。投球フォームは悪くない。

 この女性は元の自分の世界に居たら球技に向いているだろう。そんなことを漠然と考えていた一希は、激しい音がして、思わず的のほうへ視線をやった。的の下には粉々になった氷の欠片が沢山落ちている。教員が何かを書き込んでいる。

「30点。」

 同じように彼女はボールを投げ、点数を貰う。これを残り3回繰り返し、彼女の挑戦は終わった。彼女の点数は125点。少し悔しそうな表情をして見える。

「うーん。もうちょっと上手くいくと思ったんだけどな。」

「初めてだろ?それにしてはとても上手でしたよ。」


 次の参加者を募る。 手を挙げたのは黒髪の男性だ。髪に少し白色が混じり、初老の雰囲気を感じさせる。立ち上がるその手には固い石のようなものがある。これが彼の魔法なのだろうか。

「では私が。」

 勢いよく魔法弾を投げる。独特な投げ方だが、素早くまっすぐに飛んでいき、的の中心のかなり近くに命中した。かれの合計点は130点だった。

 その後も何人が挑戦者が続く、マーやシンも挑戦していた。マーは魔法でボールを振り回してから投げ、大暴投を起こし、50点と0点を交互にとるというある種のスーパープレイを見せていた。順位の低さとは裏腹になぜか彼女は満足げであった。

一希の目には残り人数が少なくなっているのが見て取れた。最後になって目立ってから失敗するのは怖いと思い、恐る恐る手を上げると、教員がそれを拾った。

「どうぞ、一希さん」

ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ