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Hope of Fantoccini  作者: 蒟蒻
Exploratory Various Humans
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Lunch Time

 昼食場所に一希たちが選択したのは、二階にあるカフェテリアであった。ここでは美味しいサンドイッチが振る舞われており、窓際にある席で花咲く庭を眺めながら食べるのが最高であるという話のある店だった。しかし、

「混んでるわね」

 並んでいるマーは首をすくめてメニューに目を通す。昼食時ゆえにか店は混在していた。学生たちの雑談の声と調理の音でカフェテリアは賑わっていた。




 学園から少し離れた場所には森があり、奥の遺跡もある。こちらは学園とは打って変わって人はほぼ居なかった。ただ居たのは女性とピエロだった。

 女性は遺跡の半壊した屋根の上に乗ってクッキーを食べている。ピエロは瓦礫の上に座っていた。

 彼女の額からは大きな金色の角が生えており、森の木漏れ日を受けて光っているのがよく目立った。

 しかし、それ以上に派手なのは彼女の服装で、スーツに似た服を着ているが、色は強烈なピンクで、決してこの場に相応しい様相ではなかった。

 銀色の髪をかきあげ、大きくため息をつく。その振る舞い方はかつでジューカルミ市で一希が戦った悪魔によく似通っているように見えた。彼女はピエロ向かって一枚クッキーを投げながら、声を出して彼に話しかける。

「勇者が来るんでしょ?」

「ま、来るでしョうね。勇者の力を見誤るほど人間もおバカじャないでしょうカラ。」

 彼は笑顔の張り付いた仮面を少しばかりずらし、その隙間からクッキーを放り込む。

「必ず来て貰わないと困るわ。そのためにわざわざ神殿に向かったのに。」

「あなたの目的は敵討ちデスものね。」

「…煩いわね。あなたには関係ないでしょう。」

「失礼。魔王様にこのことをお話して、はからいを頂戴しましたのは私ですから。」

「黙れ。」

 彼女の声は明らかに苛立っていた。一方でピエロは明らかに彼女をからかっている口調だった。

「妹さんは大変我々に貢献してくださいましたから。」

 女性はクッキーの入っていた箱を足元に置いた。箱は少し斜面を滑った後に、飛び出した石に引っ掛かって止まる。彼女の手の中には小さな光る槍があった。そのままそれを放つと、それはピエロの胸に突き刺さる。彼の姿が一瞬にして溶けて消えた。あとには木漏れ日だけが残っている。




 学園では、一希らはようやく席に着くことができていた。外が見える席ではないが、壁にかけられた絵がよく見える席だ。

「すごい絵ねぇ…」

 巨大な竜と虎が戦っている絵だ。リアリティに富み、白黒で描かれた二匹の生き物が今にも飛び出してきそうだ。この絵についての話を皮切りに、四人の食事と雑談が始まった。全員おそろいのスパゲッティが昼食だ。

 途中、チコがスパゲッティを巻く手を止めてぽつり、と話し始める。先ほどまでとは違う雰囲気に三人も手を止めた。

「さっきの授業中の魔法の素質についての質問なんですけどね…」

 一度口を止め、言葉を選ぶよう慎重に再開した。

「あんなこと聞いて、驚きましたでしょう?」

「私、生まれつき魔法のコントロールが下手で…自分には適正が無いのかもって心配になったんです。」

 思いつめる表情のチコに、一希は言った。

「あのさ、こんなこと言っても気休めにしかならないかもなんだけど…」

「俺も実は全然ダメなんだよ。チコを助けたときのもたまたまだったんだよね。」

「そうなんですか?」

  彼女は顔を上げた。心なしか少し落ち着いた表情にみえる。二人の会話を聞いたマーが声を上げた。

「私、あなたたちを全力で応援するわ!!」

「私にもお手伝いさせてください。」

 彼女に続くようにシンも言う。午後の大会を控えて、日差し差し込むグラウンドでは準備が進められてた。

ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。

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