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俺の家はヤクザの家だ・・・いや元ヤクザの家だ。
何だっけな・・・4代目遠山組組長 遠山ゴンペイ
俺の親父だ。
俺の名字が違う理由は俺の真面目になったせいが関係している。
親父が俺に5代目を継がせたかったみたいで俺はそれを受け入れていた。
俺も親父の期待を応えようとしていた。だからヤンキーやったりむちゃしたり遊んだりを繰り返していたが。あの人に合ってしまって真面目になろうと決意した俺は5代目を継ぐのを辞めた。
その時俺は強い一撃をくらい縁を切られた。今では母方の祖父の家に住み母の性を名乗っている。
ちなみに俺の母親は小さい頃にガンで亡くなった。あれから俺はグレ始めていたからな。
今では後悔とかはしてないしおじいちゃんと一緒に住めるようになったしなんの問題もない。心配をあまりかけられないし負担もかけられない。だからバイトを始めた。
長い説明すまないがこれが俺の家の事情だ。
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「おーい?ヤクモくん?ヤクモくーん!」
「は!」
なんか走馬灯が見えた・・・なんで?
「どしたのヤクモくん?」
「いや、なんか走馬灯が見えたなんでだろ?」
「ヤクモくん、私が警視総監の娘って聞いて走馬灯見るなんて悪いことしたの?」
あー、あまり知られたくない。元ヤンの時悪いことしてたけどな。
「いや、びっくりして走馬灯見ちゃっただけなんだ。」
なんかアホらしい言い訳をしちゃたな。
「いや、びっくりして走馬灯見ちゃうなんてどんだけノミの心臓なの!?」
「う、うん」
冷や汗ダラダラと流して誤魔化す。
自分でももっとマシな事を言えないのか!自分で自分が恥ずかしいです。
「あ、そろそろ時間だね!あのデブに気をつけてね。」
そういって席に戻っていった。
あのチャーシューも教室に戻ってくる。
「・・・ふん」
いちいち睨んできやがる。
まあどうでもいい。
周りはまだ馴染めておらずシーンとしているが、ミノリみたいなフレンドリーなヤツがクラスにいたらすぐに馴染んでくるだろう。
「はーい、ごめんなさいねー!」
バタバタと走って来た担任の先生が教室に入ってきた。
なんであんなに慌ててるんだ?
「はい、今から生徒手帳を渡します。」
え?マジで!
「順番渡していきますからちゃんと受け取ったのを確認してくださいねー」
先生が一人一人に手渡しで配っていく。
「はい」
「ありがとうございます」
俺も受け取ったのを確認した。
「皆ちゃんと受け取りましたか?」
はいはい、ちゃんと受け取りました。
なんか緑色のカバーに入れられてシンプルな感じだ。
自分の無愛想な顔の写真に生年月日等が書かれている。うわー、改めて自分が十文字学園に入学したことを実感する。
「無くさないようにしっかりと各個人管理してください。生徒手帳は無くしてしまえば作るのに10万円かかりますから気をつけてくださいね!」
じゅ、10万円んんんんんんんんんんんん!!??
た、高っ!ヤバすぎるだろ!高校生になんてもんを渡しているのさ!
「なんだたかが10万か安もんだな。」
いやいや、たかが10万て!されど10万だよ!高ーよヤベーよ!
チャーシューお前スゲーな
「でですね、この生徒手帳は食堂や自動販売機などでかざせば無料で食べ物飲み物がいただけます。」
庶民からしたら俺は嬉しい話しだ。
てか、無料なものほどお得なものはないよね。
「さらにですね。学園に入るにも生徒手帳が要ります。生徒手帳がなければ学園に入れませんのでそこもお気をつけてください。学園は24時間開いており使用自由です。食堂などは時間帯が決まっていますが、その他は許可されれば泊まることが可能です。」
学園に泊まることができるのか。
「とりあえずですね!色んなところで生徒手帳は重要などでまずは自分で確かめたほうが早いでしょうから試して見てください!」
ふーん!ヤベー!!俺ワクワクが増えた!
絶対校内を周り尽くしてやろう。
「では、以上です。何か質問ありますか?・・・ありませんね、では明日の説明をいたします。」
明日についてはまたイベントがあるらしい。部活紹介とかな。
よっしゃー!これから楽しくなりそうだな!
先生の説明を聞いた後は解散、帰ることになる。
他のヤツは校内を見るかすぐに帰るか半々でいた。
ミノリはすぐに帰った。なんでも用事があるんだそうだ。
んで、俺は一人で校内探索をする。
他のクラスの奴ら歩いている。すぐに仲良くなって二人で校内回っている奴もいれば俺みたいに一人で歩いている奴もいる。
ダチかー、中学の時バカばっかりのダチしかいなかったからな。あまりダチの作り方がわかんねーな。
まあ、気にせずに回ろう。
とりあえず一階探索。
だが歩いているとチラチラと見られるのはなんでだろ?
なんかおかしいか?
よくわからんけど移動しよう。
とりあえずメガネをクイッと上げて別の場所と移動する。
トイレに入って鏡を見る、だが変なところはなかった。
何が変だったのだろうか。俺には全くわからなかった。