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「はーい、順番に主席番号1番からねー」
主席番号1番、女子か
「はい、主席番号1番 霧川 ノゾミです。」
ノゾミちゃんね
なんかお嬢様的な雰囲気があるな、さっすが金持ち。
「趣味はバイオリンです。一年間よろしくお願いいたします。」
言ったことは普通だが、やっぱ立ち方や座り方からはお嬢様って感じだな。
順番にいっている途中だが隣のお嬢様の席は後回しにされた。
先生が言うにはしばらくは主席が難しいそうだ。
理由は秘密だそうだ。
後はざっと自己紹介されたところで俺の番
「はい、次どうぞ」
「え、あっはい!」
ヤバいな、やっぱり緊張する!
慌てて席を立ってしまう。
「えっと、主席番号14番 大和 ヤクモです。よろしくっす。えっと、趣味は「もういい!!」・・・」
チャーシューが俺の自己紹介を遮る。
「キミみたいな貧乏人の話しなんか誰も聞きたくない!」
「・・・へいへい」
チャーシューによりそのまま席に座る。
椅子一つに恨みまくってやがる。
「ふん!」
ったくよ、自己紹介も満足にできないのか。
最悪だな。
「え、えっと、次いきましょう」
担任も顔ひきつってやがる。
しっかりしろよセンコー。
ところで、俺の横の人の話だが。
さっきチャーシューが超金持ちのお嬢様が座る席だとか?確か姉妹?双子か?
さっそくいないってことはサボってんのか?
あるんだな・・・この学園でも。
「はい、自己紹介終わりました。えっと、では!チャイムが鳴るまで休憩していてください!鳴るのは15分後です。あ、挨拶はなくていいです」
そう言ってすぐに教室から出ていった。
ヒール履いているのに足が早いな!よっぽどこの教室に居たくないんだろうな。
あ、チャーシューが立ち上がって俺方にやってくる。
「お前、後で後悔するぞ」
そう言って教室から出ていった。
ダシか?いやトイレか。
「大変だね、あんなヤツに絡まれちゃって。」
また急に話しをかけられた。
なんか、長髪で顔は童顔で可愛い系のテンション高めの女子が俺の横にいる。
確か・・・
「なにじっと見て?ああ、えっと私は「確か主席番号5番の西条 ミノリさんだったかな?」えっ?」
「えっ?」
なに?
なんかパッチリした目を丸くして驚かれている。
「覚えてるの?」
「まあ、これから1年間共にするクラスメイトだからね」
昔、ヤンキーだったときにやっていたクラスの女子の名前を覚えてナンパを繰り返していたからな。その癖がでてしまって名前を覚えてしまう。
「へー!ねえねえ!皆の覚えてるの?」
「んー、大体は」
「スゴい!」
ピョンピョンと飛びはねている。ウサギか?
こうやって名前を覚えてますアピールをして好感度をあげる。
「えっと、ヤクモくん?で合ってる?」
「合ってます。」
ミノリさんも俺の名前を覚えていた。
チャーシューと言い合っていたのが目立ったからか?
「ねえ、ヤクモくんはさあどこの中学から来たの?」
いきなり中学の話か。元ヤンだった時のことはあまりバレたくないなー。
「西宮中学です。」
「西宮か~、確か治安が悪かったような」
え、知ってんの?
「え、確かに治安は悪いですけど別に居心地の悪いところじゃありませんよ?」
「そっか、でも暴走族とか結構走ってたよね」
よく知ってるね。俺は元ヤンキーだったけど暴走族じゃあないからな。
「走ってはいますが。僕の家の周りでは走らなかったので」
「ふーん、走ってなかったねー。」
何か怪しげな顔をしているが事実だ。だって俺・・・
「あの西条さんは・・・」
「んとね、私のことはミノリでいいよ!ミーちゃんでもいい」
なんかハードルが高い。
冗談で言っているミノリさんにこちらも答えてやろう。
「じゃあミーちゃんで」
「え?」
「え?」
俺はハードルが高い方を選ぶタイプだ。
「どうしたのミーちゃん?」
そして俺はSである。
女の子の困った顔は可愛いよね?
「い、いや、普通ミノリさんで呼ばない?」
ちょっと顔を赤くして戸惑ってしまっている。
「いやいや、本人がミーちゃんでもいいって言うのだったらミーちゃんって呼びますよ?」
今の俺は嫌な笑みを浮かべているんだろうな。
「ヤクモくんって意地悪だよね。」
「いや、ただ女子を困らせるのが好きなだけですよ。」
「それを意地悪って言うの!」
顔を赤くしている姿が可愛らしい。
ははは、面白いなミノリさんは。
「もう、そんな意地悪なヤクモくんは逮捕しちゃうよ!!」
「え?」
ミノリさんの後ろからジャラジャラと音が・・・なんでミノリさん両手に手錠を持ってるの!?
「あ、あの~ミノリさん?なんで手錠持ってるの?」
「あれ?言ってなかったっけ?私の親は警視総監だよ」
はあああああああああああああ!!!!