最初
修正と作者の勝手によりセリフまたは説明が変わることがあります。お許しください!
あの日、俺は初めてわかった。
「・・・なにやってんの?」
俺に・・・
「・・・う、うるせっ!」
ヤンキーだった俺に
「そんな元気があるなら早く立ちな」
手を差しのべてくれた。
「っ!?」
学校の憧れの的、会長に恋をしてしまったことに。
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高校の春、入学式
俺は平凡を望んでみた。
中学金髪イケイケヤンキーだった俺はあの人に会ってから髪を黒に染めてピアスも長ズボンもやめて勉強を始めた。最初は先生や周りの奴らに驚かれた。先生に色々言われたがそれでも真面目になると宣言した。あとヤンキー仲間だった奴らにも真面目になると宣言した。それなりにけじめをつけ、仲間は頑張れと言ってくれた。辞めたからには後には引けない。そして目指した。あの人がいる高校を・・・必ずあの高校に入学してやると・・・
そして遂に・・・
「やった・・・やったぜ・・・」
受かった!
「おっしゃあああああああ!!」
周りを気にせずに思わず叫んでしまった。
嬉しかった。自分は感じた事もない達成感を感じた。俺は勉強が面白いと感じるようになった。人生がおもいっきり変わったのを感じた!!
でっ今!!
俺はあの国内で3本の指に入る超エリートで超お金持ちが集まる十文字学園に入学式にいるわけだ。この学園の生徒達が体育館に集まり椅子に座る。てか、多すぎ・・・
周りを見渡すと美男美女が多いな。なんか、庶民で顔がいいだけの俺とは別だわ。
一年生は前に座らされているが残りは後ろにいる。多分、一年生の後ろにいるのが二年生、三年生は二階の席に座っている大勢みたいだ。
ここに来るまでに緊張したがまああまり注目もされてないし自分の服装とか変じゃない事も確認した。ヤンキーだったときはとにかくアホみたいに音を出して夜中に無免許運転していたもんだな。学校に行ったらまあ目立つ目立つ。よくあんな目立つ格好してたもんだな。
「え~、第20回十文字学園入学式をいたします。」
あ、始まった。
教頭っぽい薄らハゲがマイクのある司会の台の前に立ち入学式の開始宣言をする下がっていきどこからか曲が聞こえ始めた。周りはキョロキョロする奴もいれば前をジッとしてキリッと座っている奴もいた。少しすると目の前の幕が閉まっている前で男が一人立っている。くるくる髪でメガネをしている男は俺達に礼をして背を向けた。右手には指揮棒を持っており手を上げた瞬間幕が開き大勢のオーケストラが出来た!
そこから聞いた事のないオーケストラの曲に耳を傾けていた。
30分曲を聞き生オーケストラが終わった。
そこから大拍手が始まった。
どうでもいいけどメイン入学式だよな?
そしてやっと入学式が進む。
長すぎ・・・
「学園長、新入生にお祝いの言葉」
教頭っぽい薄らハゲがまた下がった。
奥からただ者じゃない袴着て雰囲気を醸し出している白髭のじいさんが出てきた。学園長は
「礼」
ザっと頭を下げた。
なんか周りに会わさないと自分がオカシイ奴みたい思われるなー。
「オホンオホン、新入生入学おめでとう・・・んじゃ」
その一言だけを言って裏に帰って行った。
あれ!?終わり!?今ので終わりなの!?
あまりのいい加減さに周りがざわついているけど!
「え~、学園長からのお言葉は以上です。」
学園長の挨拶が普通だったみたいに入学式を進めていく。
本当に終わりかよ・・・
「生徒会からの挨拶。」
お、もしかして・・・
「生徒会会長、香焔 ミツキさん」
「はい!」
返事をして前に移動している。
その姿を見て俺はドキッとしてしまった。
やっぱりあの人だ。俺の初恋・・・
「礼」
おっと
周りに合わせて頭を下げた。
「新入生の皆さん、入学おめでとうございます。」
オー!!、やっぱり凛々しくて美しい!!ンーなんと言えばいいんだ!あの完璧に整っている顔立ち!ボンキュボン!なあのスタイル!まさしく理想の女性だな!
他の奴らも目を引かれている!!
くー!!さすがっす!!
「・・・で、あります。終わりです。」
あ、見とれているうちに終わってしまった。
はーあ、もっと見たかったな。
その後は退屈な挨拶など国家斉唱など面倒くさかった。
入学式も終わり。教室に行く。
「えっと1年B組の14番か」
決められた教室の決められた席に着く。一番後ろみたいだなってスゴっ!
エアコン設備にプロジェクターに一人に一つのパソコンまである!!
ヤバいな十文字学園・・・
さすがお坊っちゃま学校だな。
俺が成績上位の特待生じゃなかった行けれなかったな。
「ふーん、へー」
なんか中学の時よりかはるかに設備が違い過ぎる。なんか偉くなったような。
あれ?俺の隣ががら空きだな。
「ちょっとキミ」
「ん?」
なんか急に話しかけられた。いかにもお坊っちゃまですよっみたいなデブオカッパ野郎だ。
「そこの席譲ってくれないか?」
「え?」
なんか席を渡せと言っているんだけどどゆこと?
「なんでですか?」
「いや、キミみたいないかにも貧乏そうな髪型にメガネなヤツはそこの席に座る必要はないと思うんだ僕は」
ほー、ケンカ売ってんのかこのチャーシューは
昔ツンツンだった金髪頭を黒に染めて髪をおろしただけだ。だから髪で前が見えづらい
メガネは家にあったただの伊達マルメガネだ。
「イヤイヤ、席は決まっているんで決まった席に座ってくださいよ」
ちょっと下手に出る。昔の雑魚みたいでやだな。
「その席を譲れと言ってるだろう!!」
「なんでですか、自分の席座ったら良いじゃないですか」
めんどくせぇな!オカッパを器にしてラーメン作ったろうか!!
大体、なんで俺の席に執着するんだ?意味がわからん。
「お前!その席にどれほどの価値があるのかわかっているのか?」
「価値って、ただの椅子でしょう?」
それ以外にナニがあるの?
「はっ!ただの貧乏平民にはその価値が分からないようだね!」
んだよぉうるせぇ
「いいか!お前がいるその席は横に早乙女財閥の娘サヤカ様とその妹マヤカ様が座るのだ」
「・・・はい?」
早乙女財閥?なんか聞いたことあるような?
「つまりお前はその席に座れるような位でも品格でもないわかったか!!」
「・・・まあ」
物凄いお嬢様って訳だからわからんでもない。
「わかったならどきな」
「イヤです」
「なっ!」
「早く席に戻ってください。先生が来てますから。」
「ムッくっ!!ふんっ!」
顔を真っ赤にして自分がいるべき席に戻って行った。俺を睨んだまんまだけど。
ケンカだったらいつでも買うぞ?
「はい!こっちに注目!」
俺とチャーシューが言い合っている中で教室に入りずらそうにしていた女性の先生
「えっと、新入生の皆さん入学おめでとうございます!私はB組の担任をさしてもらいます宮崎 サナエと言います。一年間ヨロシクね!」
お茶目な女性みたいな挨拶をしてきた。なんというかキツイな。
「えっと皆さんに自己紹介をしてもらおうと思います。」
自己紹介か、どうしようかな。