天からの暗示?
②占いが大好きな晴美はふと思い出す。運命の人の顔をモンタージュしてくれるサイトを数か月前に見つけてそんなものは当たらないだろうと馬鹿にしながら自分の生年月日を入れて占ったことを。過去に占いを信じすぎてしまって散々痛い目にあっている晴美はもうそろそろ占いには飽き飽きしているところだったのでさすがにこれは信ぴょう性がなさそうだと悟りつつも暇だったので占ってみたのだった。❝生年月日だけだなんて。おんなじ誕生日の人どれだけいると思ってるの。まったくあきれるわね。❞バカにしていたのだが内心少しだけワクワクもしていた。開くと残念!晴美のタイプではなかった。彼女が好きな顔の造形は鼻は尖り、目は二重で・・・いわゆるしょうゆ顔よりもソース顔が好きだった。❝悪くはないけど。んー。たぶん私このような顔の方と出会うこともなければこんな人と付き合うこともないわね。うふふ。❞晴美は普段、自分にとってっどうでもいいことなんてすぐに忘れるのだが彼女の「始まり」はいつも突然なのだ。家族でテレビを見ているときだった。晴美だけ音楽を聴きながらソファーに座り寝転がっていたところ最近のお気に入りの曲が流れだした。数日前にみつけた普段は聞かない系統のジャンルだ。もうその時にはすでに何度かその曲を聴いていたはずなのだが三人目に歌っている人のことがすごく気になりだしたのだ。これがだれなのか歌詞を見て名前を確認した時にウィルだとわかった。彼の顔を詳しく見ようと画像検索してみると鼻は丸みがあり大きめで目は眉から近い一重、それからあごは小さく唇は小さいが分厚い。かわいらしいと思った。たまに眉間にしわを寄せるところもその甘い風貌にはギャップがありだんだん彼に取り込まれていった。数日後彼の特徴的な鼻をずっと見ていて以前見たモンタージュの絵がフラッシュバックしたのだ。あの画像と少し似ている気がしてその日母親に見せたら、やはり少し似ているという。彼は本当に運命の人かもしれない。そうよぎったが晴美はいつもそういう思考になってしまう自分にそろそろ嫌気がさしていたのでそんな風に考えるのはもうよそう❝私いはシンプルに彼を好きでいたい❞そう自分に言い聞かせた。