見た目に騙されているお前等が悪い!
こんにちは。
初めましての人もお久しぶりの人も楽しんで下さると幸いです。
皆が私に言う言葉。それは「黙っていれば可愛いのにね」
どうやら中身と見た目が合わないらしい。
胸まである、サラサラで真っ直ぐの真っ黒の艶やかな髪、まつげの長い大きな目、そして小さなぷっくりとした唇。肌は雪のように白く、頬はほんのり桜色。自分で言うのもなんだが、大和撫子系美少女ってかんじ。しかし、見た目と反して中身は女子力がとてつもなく低い。女子力はまさかの、お父さんに負けてしまった。おっと。涙が。
普通、ハンカチなんて持ち歩かないよね?スカートとかで拭けば良くない?お父さんはしっかりとハンカチ、ティッシュ、しかも絆創膏まで持ち歩いている。
おかしいよね?
「歩夢、普通ハンカチなんて持ち歩かないよね?」
「持ち歩くよ?」
何言ってんだ?みたいな目、止めてよ。
「お。歩夢、和希、おはよー。こうやって見ると女子高生が仲良くしゃべっているようにしか見えないわぁ」
歩夢は女の格好をしている。美しいものが好きなのだそうだ。私とはジャンルが異なるが、美人だ。目は鋭く、赤色のぷるりとした唇はセクシーで、髪は光が当たると少し赤く見える明るめの茶色で、おろすとうなじほどの長さがある。手足は長く、身長差があるにしても、私のお腹の高さに歩夢の腰がある。モデル体系なのだ。
でも、歩夢は男なんだよねー。忘れそうになる。
「うっせ」
歩夢は栗色の髪を今日は赤いゴムでポニーテールにしている。どっから見ても女の子にしか見えないんだよねー。だから、男ということを忘れてしまってもしょうがないよね
「うん。可愛い。可愛い。」
「やめろ」
さっと頭にのせた手を払われる。
むぅ。ツレない奴め!!
頬をぷぅと膨らませる。これは私の癖だ。前に歩夢に心臓に悪いから止めろって言われたけれど、癖なのだからしょうがない。そもそも、何で心臓に悪いんだろう?
「っつ…」
手で口元を覆って、顔を背けた。
ちょっと歩夢君よ、そんなに私の顔は酷いのかい?結構美少女だと思っているのだけれどな。つまり…
「美少女嫌いなのか。なるほどなるほど。」
「どうやってソコにたどり着いたのかが分かんないんだけど」
ツッコミを有り難うございます。
キィーンコォーンカーンコォーン
やべっ。チャイムが鳴ってしまった。急げっ
「先生におーこーらーれーるぅ」
「口より足を動かせ」
私を引っ張りながら早口で言った
「申し訳ない!!」
心の中で土下座しますよ!!
お。教室がもう目の前にあるー!流石だねー。男子は足が速いねぇ
「おはようございます!!遅れてごめんなさいいいい!」
「おはよー。まだ先生来てないよぉ。あははは。相変わらず、和希は見た目と中身が違うわぁ」
「本当に。見た目は儚げな美少女なのにねー。実際はただの馬鹿。残念な馬鹿。」
馬鹿を二回も言ったよ。コイツ。イラッとするね。
「喋らない方がいいよ。人形のように黙って微笑んでいた方が良いよ。これ、アドバイスね」
「黙れ!!もう、いいもん。」
今日は誰とも口きいてやんない!!
有言実行!!……まぁ、口に出してないけど。
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キィーンコォーンカーンコォーン
最終下校の鐘が鳴った。ダッシュして帰る。
「おい、待てよ」
歩夢が私の手を掴む。
「離してよ」
「嫌だ。…だって…少しでも…一緒に…いたいなぁ…って」
「なんて言っているの?まぁ、どうでもいいんだけどさ」
とにかく私は早く美容院に行きたいんだけどー。 離してくれないならしょうがない。
がぶっ
まぁ。なんて素敵な、は・が・た♡
「痛っ」
腕が離れた瞬間走り出す。
はぁはぁはぁはぁ…
やっと家に着いた…
ささっと着替える。だぼっとした青の黒猫が描かれているパーカーにGパン。そしてスニーカー。つまり男の子の様な格好だ。
大和撫子のような顔の自分には全く似合っていない。中身だけ見たら似合っているのかもしれないが。
カランッ
美容院ー♪とーちゃくっ!!きゃードキドキするよー!!
あぁもう、テンション高すぎる!!そんなことよりも、アイツ等を見返してやるんだ!中身も外見も統一させるぜ!
「髪型はいかがなさいますか?」
「男の子の髪型にしてください!!!」
えっ?マジで!?みたいな顔された。ふん。私は生まれ変わるのよ!!
ちょきちょきちょき…
長い…そして眠い…
「終わりましたよ」
はい。寝てしまいましたー!!へーい!!
頭が軽いなぁ。あれだけ切ればそう感じるか。これからはシャンプーが楽だなぁ。ふふふ
鏡を見るとあーら美少年!!その美少年はなんと私!!
女顔の男の子って美形にみえるのは何でなんだろうね。
これで中身と見た目が同じー♪ウェーイ☆明日の学校が楽しみだなぁ。ふふふふふふ
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「おっはよー」
「は?」
皆、ビックリしてるー。
イケメンでしょー。自分で言うのもなんだけどねー
「おま…何してんだよ」
顔を真っ青にしながら歩夢は震えた指で私を指さす。
「残念だったなぁ、歩夢。こっちとしてはた楽しい展開なんだけどねーあはは」
楽しい展開?
何かよく分からないが、楽しそうなので良しとしよう。
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和希の最も近くに居るためには女の子になった方が良いと思って女装しているのだが今度は全く男として見てくれなくて困っている。
はぁ。アイツは鈍いからなぁ。俺が好きな女は自分だということに気付いてくれない…。
更に
「見た目が可愛らしい女の子なのに中身は女子力が無くて中身と見た目が違うってよく言われるから、いっそ見た目を男の子にしてみたよー」
なんて言い始めた。
これじゃあ、付き合う日が来たら女装を止めようと思っていたのにこれじゃあ、俺が彼女で和希が彼氏……嫌だ。とてつもなく嫌。
この思考が漏れているのか?
クラスメートの奴ら…面白がってニヤニヤと笑いやがっている。口パクで…が・ん・ば・れ!?余計なお世話だ!!中には目尻には涙を浮かべ、爆笑しているヤツまでいる。後で覚えておけよ?




