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砂糖菓子とラピスラズリ  作者: メモ帳
中等部1年
5/52

3.魔力測定

  1000年前の大戦当時、人類は魔力など持っていなかった。そのため魔族や有翼種の蛮行に何の抵抗もできず逃げるか死ぬかしかなかった。

  だがそうして荒れ果てた大地には魔力の残り香のように瘴気が堆積し、そこで作物を作り食べた人間たちは徐々に魔力を体内に宿すようになった。


  それから1000年。人類は個体差こそあれど大半の者が魔力を持つようになっていた。特に昔から優秀な者を取り込んできた貴族の家柄ほど強い魔術を扱える者がいる。

  そして現在の竜王国では、その魔力の強さがひとつのヒエラルキーになっているらしい。


  だが魔力測定機器は優秀で不正を許さない。魔法武具を使って魔力を誤魔化す者が現れないようにされている。

  そのため生体から出る魔力は白で、魔法武具から放たれる魔力は黄色の数値で表示された。

  もちろん検査を受ける前に魔法武具を所持しているかどうかゲートを通る形式で調べられる。魔法武具を隠し持つことも、それで誤魔化すこともできない状態だ。


  白壁に包まれた広い空間に一学年300人が時差はあれど集まり、5個の装置を使って魔力を測定していく。

  名前を告げて魔力測定をするのだが、魔力そのものが学園に登録されるので替え玉はできない。ここで替え玉をした場合、今後の試験や実習で魔力が違うとなれば不正扱いとなり処罰対象となるためだ。


  そうして大半の学生はここで初めて己の魔力量と言うものを知ることになる。ここで魔力量が多い者などは今後、教師と話し合って将来の道を決めていくのかもしれない。

  だが富裕層でも庶民の出身を中心に魔力を持たない者はどうしても現れる。そういった者たちは入学当日にヒエラルキー下位として認識されるのだろう。

  どこの国でも上位貴族など恵まれた世界で生まれ育ち両親の魔力も強く有能なものほど選民思想が強い。


  そんな中でのんびり列に並んでいたリリは、ゲート前で3個の魔法武具を所持していることを告げる。その上でゲートを通過して個数を機械に確認してもらった上で改めて魔法武具の種類を教師に説明した。

  リリが着けている魔法武具はすべてアクセサリーで指輪とペンダントとイヤリングだ。これらは魔力を増幅するものではないし、個々の魔力量も少ない。

  そのため測定機の前に立ったリリの魔力量も申請したままの数字が出た。

  魔法武具はそれぞれ魔力量が10で生体由来の魔力量はゼロ。

  魔力量がまったくない場合は白い数字ではなく横棒で出るらしい。

  他の生徒達の中にも白い横棒が出た者が複数いたのでこれは問題ない。

  にぎやかな施設内で計測を終えたリリは教師が記入を終えるのを待ってその場を離れた。そのゆったりとした歩みを教師は怪訝な顔で眺めるが、すぐ次の生徒の測定に取り掛かる。



  リリ自身もそろそろ自覚し始めているが、自分の歩みは人より遅い。

  もしかしたら土地柄なのだろうか。そう思ったがこの学園の3割が他国の留学生だと聞いているからおそらく違う。

  だとしたら…。リリは恐ろしい現実を手に仕掛けたがすぐ捨てた。母国でヤンチャと言われて育った自分が鈍足であるわけがないのだ。たぶん。




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