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砂糖菓子とラピスラズリ  作者: メモ帳
高等部1年
107/116

105.【欄外】 ラピスラズリと9つの星(3人目)

 王立学園の中心部には、中等部や高等部の校舎と渡り通路で繋いだ模擬神殿があった。


 白く豪華な扉を3枚抜けた先に、高い吹き抜けを有した聖堂がある。そこは竜神殿を模して建てられた模擬神殿にある最も広い場所だった。

 秋の陽射しが差し込む聖堂には白い巨大な竜の石像が鎮座する。その裏に飾られたステンドガラスには青い竜が天から降りる様が描かれていた。


 そんな聖堂内に水色の扉がある。その先は聴願の間と呼ばれる小部屋があり、学生たちが相談や告白などを吐露するために利用されてきた。

 そして祝祭月の週末であるその日も、朝から何人かの学生がやってきては話を聞いてもらう。そんな彼らが入る聴願の間には細かい模様が刻まれた格子状の窓があり、向こう側に竜神殿の使者である聴願士が座る。


 心地よい天気に恵まれた昼下がり。聴願の間にやってきたのは高等部騎士科の3年生であるテオドール・ヴァセランだった。

 長身な上に体格に優れた騎士科Aクラスの彼だが、騎士科筆頭ではない。昨年のうちに成績を下げた彼は現在ギリギリAクラスに引っかかっている状態にあった。


「おれにとってセシーは希望そのものなんです。彼女はこの国の王位継承者で、おれはそんな彼女をそばで守る騎士でありたい。それだけなんです。他のように愛されたいとかじゃなくて……でも夏季休暇に…」


 不意に言葉を途切らせたテオドールは顔をしかめる。そんな彼へ格子窓の向こうから鈴なりのような澄んだ声が流れ込んだ。


「夏季休暇に隣国の避暑地へ行くって、前に言ってらしたわよね?」

「そう! そうです。覚えててくれてありがとうございます。おれはそれも楽しかったんです。池でボートを漕いだり、花畑に行ったり。でもある夜、おれたちは一線を越えてしまったんです。それからはもうずっと…毎晩のように行われて。おれもそれは嫌じゃないんです。でも騎士としてそれはおかしいんじゃないかって」

「主君に対するものが、忠誠ではなく愛になっちゃったのね」

「あい……でも、おれは騎士になりたくて」

「でも、歴史を顧みれば、守るべき相手を愛する騎士もいるわ。愛する者を守り愛の中で死んだ騎士もいる。それに愛する者を守り通して、最後には立場すら乗り越えて結ばれた騎士もいる。真実の愛とはそういうものじゃない?」

「真実の愛って……あ、確かに。立場を乗り越えて結ばれる強い愛が…って聞いたことが」


 それはかつてオリヴェタン侯爵が学生だった頃に、卒業レセプションで行った求婚のことだ。だとするなら騎士と女王という立場で結ばれるのは可能なのか。

 そう考えたテオドールは我知らず安堵の息をこぼしていた。そんな彼に聴願士の可憐な声が届く。


「でも真実の愛は必ずしも幸せになれると限らないわ。君は愛のために身を差し出す覚悟はある?」

「あります! おれは騎士なので! セシーのためなら身を差し出すくらいは!」

「じゃあ恐れるものはなにもないわ」


 自分が信じるまま尽くせば良い。その言葉を受け止めたテオドールは礼を言うと勢いよく出ていった。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 その日の相談者は彼で5人目だが、受付時間が昼までなのでこれで最後だろう。そう思い今日の昼食に思いを馳せていた聴願士は、新たに扉が開いた事で座り直した。

 すると清らかな空気とともに黒髪ながらも緋色の瞳の少年が格子窓の向こうに座る。

 とたんに聴願士は小さく笑った。


「いらっしゃいませ。戦神ルクス・ロールグレン様もお悩み相談ですか?」

「いまの名前はミシェル・ディランだよ。それより君はなぜここに? 闇竜が現れたあの時も生徒に紛れていたな」

「気づきながら放置してくださってありがとう。わたしはここで生徒をしているわ」

「君が?」

「そうよ。わたしはここでも真実の愛を求めてるの。あー……でも、戦神様はそれで許してくれないわよね?」

「そうだな。魔界帝国の序列6位である君がわざわざ学生になる必要はないはずだ」


 格子窓の向こう側から聞こえる声は硬い。聴願士にとって相手は1500年前から知る存在で、その強さや性格は何度転生しても変わらないとも認識している。まさに人類の守護者にふさわしい人物だ。


「ベルフェゴールがここにいる理由を教えてくれ。アスモデウス公が関わっているとは思えないが…」

「あちらは関わってないわ。ここは100年前だってわたしのナワバリだったでしょ。戦神様は知らないかしら? 竜王不在のこの土地を守ったのはわたしなのだけども」

「ああ、その頃は転生していなかったな。だからこの国に思い入れがあるということか」

「それはもっとずっと前からね。すべては1000年前に奇跡の六枚羽さんが未来を見た時から始まってるの」


 奇跡の六枚羽と呼ばれる御使いがこの世に存在したのは1000年前。当時の戦神ロールグレンは人の世に転生しておらず、人に介入してもいなかった。

 そんな時代に人の世を守っていたのは六枚羽の白天使マリア・ルーゼストックだった。そして彼女は白天使にふさわしい万能の力のひとつとして、未来を見ることもできた。

 そんな彼女が行った最後の奇跡こそ、翼が枯れかけた戦神ロールグレンを天使界の輪廻サイクルから救い人の世で転生させることだった。



「彼女が見たのはずっと先の未来。当時は存在しなかった闇竜という魔物がこの大陸を滅ぼしてしまうというものだったの」

「それは昨年のあの騒ぎのことだろうか」

「そうよ。本来の未来なら、あの時に竜王は殺されて天とやらもこの土地を見捨ててしまうの。まあ天の采配なんて我々にはどうでも良いけど、無辜の命が失われるのは悲しいわ」

「そうだな。そしてマリアの未来視は、私の介入を見なかったのだな」

「あなたが参戦できたのはミシェル君が頼んだからでしょう? あなたは前世の残り香で、ミシェル君を守る為にいるのだもの。それにそもそも帝国の人間は誰もここにいなかったから、あなたも間に合わないの。だからね、1000年にゲームを作ったの」


 聴願士がゲームという言葉を出したところ、格子窓の向こう側でコツンとテーブルを小突く音がした。


「先祖返りであるアルノー君が言っていたものか。『ラピスラズリと9つの星』という」

「ええ、表向きは恋を楽しむゲームね。でもわたしたちはそこで、1000年前を生きる彼らに竜王国を救う手立てを求めたの」

「見つかったのか?」

「真実の愛の中にそれはあったわ」

「愛で闇竜が倒せるとは思えないが」

「ゲームをした人間の中にマイカという少女がいたの。彼女自身は周りから愛を受けることなく育ったけれど、とても愛情深い子だったわ。その子は病に犯されながらもゲームの攻略法を世界に残したの。そしてその情報と彼女の愛は世界に広まった。だからね、わたしはマイカの魂に刻まれた記憶を保管することにしたの」


 魂の保管は魔法武具開発の初期段階から行われていたことだ。死にゆく人の魂そのものを他の何かに移して保管する。それにより人と同じ思考力を持つ魔法武具―――魔力剣が誕生していた。

 今回はこれと同じようなことをした。そう語った聴願士の格子窓の向こう側でため息が吐き出される。


「なかなか酷いことをする。つまりアルノー君は、その保管された記憶を押し付けられたのか」

「真実の愛を成就するために尽力する。その姿が多くの学生を動かしたし、帝国の人々も動かして、最後にミシェル君の心も動かした。だから戦神ロールグレン様も闇竜討伐に介入できた。こんなに素晴らしい愛の物語はないわね」

「……そうかもしれないが、若者に押し付けるには重すぎる負担だ。アルノー君は死にかけたからな」

「人は試練を乗り越えないと成長できない生き物なのよ。竜王国は1000年の平和を感受しすぎて、他国より衰えているからちょうど良いと思うわ」


 いざというときのために自分もいるのだから。そう笑顔で告げた聴願士の視界の中、格子窓の向こうでまたため息が聞こえた。


「わかった。方法がどうあれ、竜王国が救われた事実は変わらないからな」

「ご理解いただけてなによりだわ」

「ところで先祖返りと呼ばれる記憶の保持者たちは、すべて君の差し金か?」

「いいえ。わたしたちが保管したのはマイカの魂だけだから、他は本物の先祖返りよ」

「あの魔女も?」

「マリアが見た未来で、竜王国を滅ぼす原因となった魔女よね。そこも先祖返りだけど、自然発生する先祖返りや悪意は誰にも対処できないもの。だって『将来的にこの娘は竜王国を滅ぼすから殺しますね』なんてことはできないでしょ?」

「そうだな。それは無理な話だ」


 まだ何もしていない段階で、未来予知で知ったからと危害を加えることはできない。

 そこまで話すと納得してもらえたらしく、少年が聴願の間を出た。そのため聴願士である彼女も部屋の外に出る。

 すると彼女が想像していた通り、黒髪の少年が立っていた。彼はこの王立学園で有名な近衛騎士とよく似ている。


「せっかくだから戦神様も一緒にお昼ごはん食べましょ。わたしも、ちょっと聞いて欲しいことがあるの」


 聴願士は竜神殿の関係者がまとうシックな藍色のワンピースを着て、頭には髪を隠すためのヴェールをつけている。

 おかげで聴願士も鮮やかな茶色の髪色を隠すことができていた。ただ日の光により色が変わるアースカラーの瞳だけは隠すことができない。


 そんな聴願士はヴェールを取ると少年と共に聖堂を後にして長い渡り通路を歩いた。週末の午後ということもあり、周囲を歩く生徒の姿はない。


「話とは?」

「わたし、実はここの学生になるずっと前から人に紛れて様子を見てたの。それはそれで良いんだけど……最近、親友たちから様々な場所で質問をされてしまって」


 彼女は、いまこそ本来の姿で聴願士などをしているが、普段は別の姿で学生をしている。ただ学生に扮している間は目立つことなく生きていた。だから学生として生きる彼女の友人は少ない。

 そしてたった4人しかいない親友たちがそろって彼女に問いかけるのだ。


「これからもずっと友達のまま、一緒にいてくれるわよね? その問いかけにわたしはどう答えたら良いのかわからないの」

「その者たちは君の友人なのだろう?」

「偽りのわたしの親友ね」

「名を変え姿を変えたとしても、君の本性が変わることはない。真実の愛とやらのために1000年先の未来を守ろうとするように、その友人たちにも尽くしたからそうなった」

「戦神様が事実を並べるとそうなっちゃうわ。でももう闇竜も倒されて、わたしの役目は終わったのよ。偽りの存在は消さなきゃダメだと思うのよね」

「そうだろうか」

「周囲をだましてその場所に居座るのは、真実の愛とはまったく逆の、不誠実な行為だわ」


 そう言いながらも彼女は決められなかった。そして生真面目な戦神にこんな話を向ける理由もわかっている。

 不誠実ではないと断言されたいのだ。戦神と呼ばれるくせに優しい彼なら、魔族が数十年ほど人間に紛れて生きることも許してくれる。


 だがそれでも彼女は自分からは決められない。

 4人の親友たちを騙すことも、この竜王国を救うためだったから許された。この国と人々への愛ゆえの行為だから仕方ないと思っていたのだ。

 そして闇竜が倒されたなら、彼女たちの記憶から自分の存在を消して、どこかに消えようと思っていた。

 なのに未だにそれができずズルズルと学生をしているのは、親友たちがこれから手にする真実の愛を見守りたいからか。それとも親友たちから向けられる親愛の心地よさを知ってしまったからか。


「ねぇ、戦神様はどう思う?」

「人生相談なら私よりアスモデウス公にしたほうが良いと思うが、私ならそのまま人として生きることを勧める」


 誰よりも誠実な戦神ロールグレンが、騙し続ける道を勧めてきた。その優しい答えに、彼女は少し許された気がして笑う。


「じゃあもう少し、卒業まで答えを引き伸ばすことにするわ」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 彼女の名はレーヴィン・アリアンロッド・ベルフェゴール。魔界帝国において序列6位を持つ侯爵だ。

 そして最上位魔族でもさらに上位である彼女は『怠惰』の二つ名も受け継いでいる。

 真に怠惰だった父は酒と女が大好きで、多くの子を成した。

 そうして多くの兄を持つ彼女もまた怠惰になりたい少女だった。そして怠惰でいるためまずは最高の淑女となるべく努力をするのだが、そんな彼女を疎んだ兄たちが、何も知らない妹を戦場に送り込んだ。


 天上と人界の間にあるそこは魔界帝国と天使界が殺し合う場所で、日々多くの魔族が死んでいく地獄のような世界だった。そんな中で紅蓮の炎を操り何万もの魔族を殺す御使いがいた。

 もちろん兄たちは、その存在を知っていて彼女を戦場に送り込んでいる。『次期ベルフェゴール侯爵』という椅子を取り合う兄弟たちは手を組み妹を殺そうとしたのだ。

 だが少女にはそんなことはどうでも良かった。


 当時の黒竜王リヴァイアサンすらも燃やし尽くしたという圧倒的な強さを持つ六枚羽の炎天使長。

 その者の前に立って生きていられる魔族はいない。だから何万もの魔族は炎天使長に傷ひとつつけられず死に絶えていった。

 そんな壮絶な場所に放り込まれた幼いレーヴィンは、絶望の中に走る雷を見た。


 怠惰になりたいから最高の淑女になるの。

 そう無邪気にも愚かにも語ったレーヴィンの話を、いつも笑顔で聞いてくれた優しいベリアル公が呼んでくれた助っ人。


 魔界帝国において序列4位より上は別格だと言われている。だから公爵の地位があるのだと。そしてその話が事実であるように、雷を操るアスモデウス公は六枚羽の炎天使長を相手に負けることがなかった。


 だが、数百年に及ぶ戦いの末にたどり着いたのは勝利でもなかった。


 御使いは生命の樹に夫婦が祈りを捧げ、実った卵花から生まれる。けれどその時点で中身が六枚羽だとわかれば、その卵花は夫婦の元ではなく天老院の元で管理されるらしい。

 そうして育った六枚羽の炎天使長戦うこと以外は知らずに育ち、戦場で魔族を殺すためだけに生きる。だが戦場で何万と殺し、何万もの御使いを救ったとしても、その記憶すら不要なものと天使界に戻るたびに天老院へ消されてしまう。


 そんな炎天使長が200年も勝敗のつかない相手に初めて向けたのは「殺して欲しい」というものだった。

 そしてアスモデウス公はそれを拒否した。


 レーヴィンが生まれて初めて目にした『真実の愛』はまさにそこにあった。それは物語にある美しい恋でもなんでもないし、見ていても悲しいだけだった。

 泥にまみれながら殺して欲しいと泣く炎天使長もただ死にたいのではない。己を終わらせたいだけなのだ。そして何度記憶を消されても目の前にいる相手にだから殺されたい。

 それは壮絶な愛なのに、アスモデウス公はそれを叶えてやらない。当時のアスモデウス公は魔力を遮断する黒衣のマントで見を包み全身どころか顔すらも誰にも見せなかった。

 だからレーヴィンもアスモデウス公の顔は知らないし、彼の望みもまた知らない。

 そして500年が経っても炎天使長の願いがかなうことはなかった。


 なぜならアスモデウス公は炎天使長を殺さなかったから。むしろ彼は「炎天使長は己の獲物ゆえ誰が手を出すことも許さない」と魔界帝国内に広く公布し、それを破った者はアスモデウス公が始末している。

 だがそうしてまで炎天使長を生かし続けても、御使いには寿命がある。


 500年戦い続け瘴気に触れ続ければ、六枚羽でも翼が枯れ始める。そうして終わりを察した炎天使長は初めて人界に降りた。

 既に戦争は尻すぼみに停戦を迎え、炎天使長は死ぬ機会もなくなっている。だから彼は人界にある砂漠の国に降り立ち、改めてアスモデウス公に殺されることを願った。


 けれど炎天使長のその願いはかなわない。御使いは願うことしかしないが、魔族はそうではないから。

 レーヴィン自身もそうだが、魔族は己の私欲のために良くも悪くも行動する。

 そしてアスモデウス公もまた、炎天使長と戦いながらも300年かけて彼を天老院と天の輪廻から救う方法を探し続けた。


 後にわかったことだが、アスモデウス公の願いは炎天使長に触れることだった。

 序列3位ほどの強い魔力を持つアスモデウス公が触れれば、六枚羽の御使いでもすぐに翼が枯れてしまう。だから500年間、アスモデウス公は炎天使長に触れられなかった。


 けれどその長い苦悩も砂漠の国で成就する。奇跡の六枚羽が残した力を使い、天の輪廻ではなく人界で転生させる。

 そうして消滅の間際に転生して、人の身を持ち生まれた彼は炎天使長ではなく戦神ロールグレンと呼ばれるようになった。


 それ以降も戦神ロールグレンは人の世で転生を繰り返し、人の中で生きていく。そして既にアスモデウス公の地位を息子に譲った彼は、現在も魔族が人界で悪事を働いた際に処罰する役目を負っている。



 そんなふたりを見続けているレーヴィンだから、真実の愛は何よりも強いと思っていた。

 アルノー・グランデがあれほど強くなったのは真実の愛を持っていたからだし、ベルナール・ローランが未来視のまま単独で闇竜に向かい死ななかったのも真実の愛を知ったからだ。


 人を信じることも、背を預けることも、肩を並べることも何もかも愛を知らなければできない。



 けれどこの物語におけるレーヴィン自身に愛はないと思っている。

 デュムーリエ伯爵家の者たちの記憶をいじり、リゼットという名の娘の存在を作り。さらに後に悪役令嬢と断罪される未来を持つ幼い少女たちにも身分や名を偽り親しくなった。


 偽りだらけで愛のない今回の自分が幸せになることは許されない。

 ただそれでも『リゼット』を辞められないのは、親友たちが見せる真実の愛に魅せられてしまったからだ。特にミリュエルの聡明さと行動力と勇気は、一目惚れから始まった恋物語を幸せな結末に導こうとしている。

 だからせめて卒業レセプションでその結末を目にするまではそばにいたいと思えてしまう。


 それが許されないことだとしても。



レーヴィン・アリアンロッド・ベルフェゴールは1500年生きる悪魔です。

魔界帝国での序列は6位。悪魔学で語られる怠惰で女好きでヤバい父親や兄を倒して侯爵になりました。




前アスモデウス公は研究肌の方で『色欲』の二つ名がありますが、正確には『めちゃくちゃ強い魅了を垂れ流して周囲を発情させる厄介な体質』の持ち主です。

なので引きこもって魔法武具制作ばかりしていました。現在語られる古代遺物クラスの魔法武具を作ったのは彼です。

今は息子がアスモデウス公を継いでます。


序列4位のベリアル公は『贄を与えなければ真実を語らない』と言われますが、1500年前の幼いレーヴィンがおやつ持参で彼の元に通い「最高の淑女ってどうしたらなれる?」と問いかけたところ全面協力してくれることになりました。

子供のおやつでも贄は贄なので、で許してくれる緩い方です。



※アスモデウス公とベリアル公はこの物語にでてきません。

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