千億暇人症候群
あんまりネタは入れられなかった。
ボタンの色は知ってても
それを押してみるかはべつのはなし
いざやるとなりゃ 決断力に行動力
それで足りなけりゃ 気の迷いと気まぐれで
どっこいしょと 腰をあげたら
ううんと 背のびをしたあとでようやく
よいしょと とりかかるんだけど
やらなきゃなんない
やらざるをえないことでもないのに
激励をうけたわけでもまるまいし
わざわざ 気合いを入れてまで
出撃することもないんじゃないかと思い直しては
きょうもまた暇をもてあます
地球上の千億人がそんなふうに
歳月を 毎日を ターンやフェイズを過ごすなら
それはもう社会病理を超えて
人類という種が患ったかのように
蔓延していく疫病のよう
やがて文明を 歴史を蝕んで
好奇心を駆逐しきったすえ
勤勉を悪徳と呼ぶようにさえなる
娯楽とコンテンツにあふれた
飽食の時代だからこそ
腹いっぱいになった千億人は
さいごのごちそうさまを済ませて
つぎのいただきますに手を合わせるのすら
億劫になってしまったのだ
セーブしておいたゲームを
ロード コンテニューすることもしなくなる
千億暇人症候群
孔雀の羽根みたいなのを背負って
そこからビームを出しながら
群がる毒蛾を振り払いつつ
冒険活劇でも繰り広げるひとたちには
縁のない病だろうけど
千億暇人症候群
免疫と抗体をきみはもちあわせているか?
シーユーアゲインで締めるのも、自粛!