救いの手
「―――さ・・・ん・・・に――・・さん」
自分を呼ぶ声が聞こえる。
「おにーさん?・・・死にたいの?こんなところで寝て」
「!!」
死というワードに無意識に反応して飛び起きる。
「あ・・・起きた?まぁ大丈夫だと思ってたけど・・・」
硬い地面の感触、目が覚めたら自室のベットの上だったのならどれだけよかっただろう、
思わずため息が漏れる。
「ね、無視しないでほしいんだけど」
「え・・・?あ!ごめん」
傍らの声をかけてきた人物を見やる。
座っている自分と比べて膝をついた態勢で背丈は同じ程度
かなり小柄で中学生、いや小学生にも見える。
みずぼらしい布を頭まですっぽり被っているため性別は不明、
声は高かったが男の子の可能性もある。
見てくれに関してはどう見ても自分のほうが見られたものではなかったが・・・
先ほど以上に衣類はボロボロのドロドロで、なにより――
「なんとも・・・ない!?」
あの化け物の突進はたしかに致命傷のはずだった、
だというのに体に外傷らしい外傷は見受けられない。
「たぶんケガはしてないと思うよ、血の匂いもしない。」
「いや、さっき間違いなく化けイノシシにやられたんだ!その前も俺は刺されてっ――!」
「ちょっと、落ち着いてよ。おにーさん、あんた『蘇生者』でしょう?」
「は?蘇生・・・?」
聞きなれない言葉に聞き返す。
フードの子供は「そ。」とうなずくと
「『蘇生者』ときどき死んだ人間がこっちにやってくるの、妙な力持ってたりするんだけどね」
立ち上がり膝の砂をパンパンとはらうとこちらに手を差し出して。
「とりあえず移動しようよ、また獣に襲われたくはないでしょ?連れてったげる」
「あ・・・ああ」
とまどいながらも手を取る
小さな手が全体重をかけて九朗を立ち上がらせる。
「あたしハクアってゆうの、『蘇生者』のおにーさんは?」
「俺は、九朗。二宮 九朗だ」
「ニノミヤ・・・クロー?変な名前だねクロウ」
フードから犬歯をのぞかせてニッと笑った。




