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情状酌量
いわゆる、元旦那は、殺人者だったわけだ。
幸いにして、死後の保険というか、安全策というか、自分自身の記憶と必要な程度の生存データは復元できているので、彼の罪状への処罰は軽減できなくもないだろうか。
刑事罰は猶予の余地はないとして、民事としては、情状というか、示談に応じられなくもない。
彼の元妻で、僕にとっては元カノ、離婚は成立していたとは言え、厳密には彼女の浮気相手は僕なので、共有してもらった死亡時前後の記憶が「嘘」や「捏造」されたものでない限り、彼にも言い分はあるのだろう。
もしかすると、現状の彼女の僕に対する協力的な姿勢の後ろには、罪を犯した元旦那への救済を期待する都合の良い意図が含まれているのかもしれない。




