電脳とアンドロイド
親からの遺産が入り、ほんの少しではあるが、生活に余裕ができた時に、最新のアンドロイドを手に入れた。
自分自身の死亡保険が入った時には、その後の50年間は4年毎に、可能な限り最新のバージョンのアンドロイドに乗り換えができるようにも準備している。
カーリースや毎月1万円で新車に乗れるなんていうサービスもあるが、あれに近い契約躯体も選択肢にはあった。
僕の死亡時の記憶はなかった。
改めて起動したアンドロイドが、契約に基づいて、過去5年間の記憶データをダウンロードする。
ガレージにあった車のドライブレコーダーの記録データを確認したけれど、事故も起こしてはいない。
すぐに、オンラインで繋がった仕事先にも確認したが、突然死で、遺体を残すなどの手間と迷惑をかけていることもなかった。
時々、世話になっている病院にもない。
ちょっとした謎だなと、他人事のように感じる。
実際、他人事なのかもしれない。
使い慣れたスマホにも、メーカーやキャリアの提供する機能には、癖や偏りがあると思うが、改めて、アンドロイド搭載のAIにも、そのような微妙な癖や偏向があるのだと理解した。
いや、むしろ、その差を感じられるという性能自体は優秀なのかもしれない。
自己更新機能のプログラムが秀逸なのだろう。
コアなファンが評価している製品を選んで良かったと思うし、落ち着いたら、きちんとレビューも書いておこう。




