【未書籍化】人魚無双~幼女になって転移した先で推しの幸せのために私は生きる〜シリーズ
秋の香り
皆様いつも応援ありがとうございます!!
この間Twitterで、○RTで〜をする、みたいなのをして、19RTでSS書くというのがありまして。
それで書いてみた作品です。
意外と好きな雰囲気に仕上がったので、活動報告で公開したものを加筆してみました( ´ ▽ ` )
よかったら下の☆で評価、感想などしていただけるととっても嬉しいです(*´ω`*)
本編「人魚無双〜幼女となって転移した先で推しの幸せのために私は生きる〜」https://ncode.syosetu.com/n0305hn/もよろしくお願いします。
【秋の香り】
「先生、最近少しだけ涼しくなってきましたし、秋も近づいてきましたね」
「あぁ。気温差で体調管理には気をつけるように」
黒革のソファに座り、まるで先生みたいなことを言いながらも視線は持っている本から外さない本の虫──シリル・クロスフォード先生。
あ、正真正銘、魔法学校グローリアス学園の先生か。
騎士団長と兼任するのはいいけれど、過労死しないか心配だ。
「秋といえば食欲の秋!! 美味しいものたくさん食べに行ったりしたいですよね」
「食べすぎて腹を壊さないようにしなさい」
いやだから先生か!! ──先生だ。
「芸術の秋なんてどうですかね? 私、絵には自信ないですけど、雪像作成能力なら高いですし、雪像作成能力を磨く秋にしましょうかね!!」
なんてったって毎年冬にはとってもリアルな先生の雪像を作ってるからね!!
愛の成せる技よ……!!
「それは秋にすることではない」
ですよねー……。
はい、冬に作ります。
それでも未だ先生の視線は本が独占している状態というのがなんだか面白くなくて、私は先生の隣にストンと腰を下ろす。
私が隣に来ても全く反応を示すことなく先生は小難しい本に夢中だ。
くそぅ。
まさかのライバルは本……!!
ていうか、もはやこれ私の言ってる事聞いてないんじゃない?
「……でも、秋の香りってなんだか少し寂しくなります。懐かしくて、寂しくて、なんだか泣きたくなるの、何なんでしょうね」
どうせまた適当に返ってくる。
そう思って感じていることをそのままに吐露すると、適当な言葉どころか今度は何も返っては来なかった。
ついに無視ですか!?
私が鬱陶しいからって無視ですか!?
半ば発狂しながら隣の先生へと視線を移すと──。
──本から私へと、そのアイスブルーの瞳は視線を移していた。
「……寂しければここにいればいい。ちょうど、このソファは2人掛けだ」
短く不器用ながらも優しい言葉。
すぐに視線はまた本へと向いてしまったけれど、私の居場所はやっぱり暖かくて、私はふにゃりと笑ってまた他愛のない話をくり返すのだった──。
面白かったよーと思っていただけましたら、下の☆で評価や、感想などしていただけると嬉しいです( ´ ▽ ` )
これからも人魚無双をよろしくお願いします!!
本編「人魚無双〜幼女となって転移した先で推しの幸せのために私は生きる〜」https://ncode.syosetu.com/n0305hn/