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パチンコ店員の俺が異世界へ

216番...インカムから聴こえてくる音

「行きます」

キュインキュイン大当たり『Vをねらえ!!!』

「お待たせしました。」

「どうぞ」



(無愛想な客ばっかりだ箱を取り替えてやったのに会釈ぐらいしろよな…)


「タカオくん休憩どうぞ」


主任の声だ。


(もうこんな時間か…)


「はい、特に引き継ぎ無しです」

「了解!いってらっしゃ~い」



スタスタと休憩室に向かう。

客に呼ばれて行くときは重い足もこの時は軽い。


(飯でも食って少し寝るか)


ガチャ…


自分のロッカーを開けた瞬間、意識が朦朧とした。






(ん?)


「あ、目覚めたわね!私はギャンブルの神こと七福神よ!」

「あなたに娯楽のない世界でパチンコを広めてもらうよ!」




…は???


「いやいやいや、俺パチ屋で働いてますけど、パチンコなんて打ったこと無いですよ!」


「高尾藤丸くん25歳独身パーラーメチャデルでアルバイト歴3年目童貞…あなたの経歴なら全部分かってるよ!」


「いや!そんなことよりここはどこですか!」


「ここは私のお部屋♡みてみてーパチンコ台にスロット台、競馬新聞にサイコロも麻雀牌もあるよ!」


確かに一面中ギャンブル関連ばかり…クズの部屋だ……


「とにかく!あなたには娯楽の一切ない世界、通称ハタラケヤという世界に行ってパチ屋を経営してもらいます!」


「いや、だから俺パチンコなんてプライベートでやらないし…」



「パチ屋で3年働いてるあなたならそんなの心配いらないわよ!それにあなたにはスキルも付いてるわよ!」


ん?…ススス…スキル???


「ステータスオープンって言ってみなさい」


「…ステータスオープン。」


高尾藤丸 25歳


経営 G

接客 F

知識 F

体力 C

精神 D


スキル

・新台入替 ・高速巡回



「接客の悪いペーペーって感じの能力ね。でもハタラケヤに連れて行ける中ではあなたが最高クラスなのよね…」


勝手なことばかり言う神だ…

 


「さっきからそのハタラケヤってどんな世界なんですか?」


「強いて言えば仕事して飯食って寝る。全員そんな生活ばかりしてるわね。連れて行くには現世が充実してる人間は弾かれるのよね。」



はあ‥


「そこで、バイト止まり、童貞、無趣味のあなたを選んだわけ」


「まあ…別に今の人生が面白いわけでもなかったし…心残りなんてないけど経営なんてどうすれば…」  


「それなら大丈夫!あなたには今から七福神ちゃんの7つのガチャを引いてもらいます!!!とりあえずこれ回して」


「はいはい…」

 

1.総台数100台

2.アルバイト募集中

3.木造の店

4.追加スキル"遊技台購入"

5.追加スキル"釘調整"

6.パーソナルシステム

7.資本金 1億G


「う〜んこれは…正直ハズレね…」

クズ神様がポツンとつぶやいた。


「ハズレって…」


「あっ、でもこれはいいわよ!」

クズ神こと七福神がひとつのスキルを指差す。


《パーソナルシステム》


ピンと来なかったおれは七福神に聞く。

「パーソナルシステムってなんですか?」


「えっ!?知らないの?パーソナルシステム通称パーソナルは自動で出玉を計数してくれる画期的なシステムよ!」


「へぇ…そんなのあるんだぁ…」

(玉は箱に入れて最後に交換するものとしか思ってなかったなぁ…)


「う〜ん、でもこのままだとそのまま開店させられないわねぇ…データを集計するホールコンピュータもないし、お金をいれるサンドもないわ。景品もないしこのままだと厳しいわね。」


「確かに…」


「じゃあこの七福神様が特別にスキルを付与するわ!」


〝チュッ〟


急に神の唇が俺の唇に覆いかぶさった…


「えっ…」


「あら、童貞の貴方には刺激が強かったかしら?ごめんなさいね。スキルを見てみなさい。」


「はぁ…」


スキル


・新台入替 ・高速巡回 ・遊技台購入 ・釘調整 ・景品仕入れ



「景品仕入れというスキルが増えてますけど…」


「パチンコの一番の楽しみは出したあとの景品交換よ!いくら出玉が出ても良い景品に交換できなかったら意味ないじゃない!」


七福神は興奮した様子で話している。


(目がキマってんだよなぁ…)


「あとの設備は特別に私が揃えてあげる。全部で1000万Gよ。」


(金取るのかよ…)


「後は台を揃えるだけね。遊技台購入のスキルを使いなさい。」


トントン拍子に話が進んでいく。流石ギャンブルに関する神だ。こっちに隙を与えない…クズだ…

「どうやれば?」


「念じなさい!」


(…遊技台購入)


「毎度ありがとうございます!ワタシは遊技台購入システムのフィルーズと申します。以後お見知りおきを!」


悪魔の様な見た目の男が急に現れた。


「フィルーズちゃんはパチンコ台を製造できる能力を持つ私の部下よ!」


(どんな能力だよ…)なんて思ってる間に男が言う。


「今回は特別にワタシが製造できる最高クラスの台をご用意しましたのでお選びください。」


文字の書いた紙を男が渡してくる。


・金WOLF     1/400   在庫40台  50万G


・シーフード物語  1/350  在庫50台 40万G


・無限大DREAM   1/280   在庫20台 40万G


・トランプ姫 1/100 在庫20台 30万G


・Vシューター ハネモノ  在庫30台 25万G


どれも俺が働いていたメチャデルには無かったから何もわからないな…


「フィルーズさん、どれも聞いたことがないんだけど、これはどんな台なんですか?」


「それでは説明いたしましょう!」

悪魔ことフィリーズが悠々として話し出す。

「まずは金WOLFです!こちらは大当たり確率400分の1の台でして50%で確変に入ります。継続率は80%で出玉は全て2000発という一発に期待できる大爆裂機です!!!!」


「次にシーフード物語、こちらは確率こそ重たいものの70%で1500発がループし、更に70%に漏れても時短が100回付く非常に遊びやすく安定感のある台です!」


「無限大DREAMですが、スピーディーで1時間当たり続ければ約50000発の払い出しが可能なマシンになっています!

確変突入率は50%で75%で1700発がループしますが25%を引いてしまえば即終了です。」


「トランプ姫はデジタル機の中では最高峰に遊びやすいスペックで、出玉は500発オールで大当り後に必ず突入するチャンスタイム10回転で10分の1を引き続ける限り継続という台です。この継続率は65%ですね。」


「VシューターはデジタルではなくV穴に玉を入れたら大当りします。ラウンド中に更にVに入ることでラウンドを継続させるゲーム性になっています。この中では一番遊びやすいですね。」


…なるほど俺はパチンコはやらないが3年もパチ屋で働いていたからなんとなくわかった。


「じゃあ…金WOLFとシーフード物語を40台ずつと無限大DREAMを20台ください。」


「かしこまりました。強いて5200万Gになります。ちなみになぜその3台を?」


「確率が重くていっぱい出る台が人気だからです!」

俺は質問に堂々と答えた。


「なるほど…私は売るだけなので何も口出ししませんが…いい店になるように祈っております。」


「それじゃあとうとう開店よ!ハタヤケヤにいってらっしゃ~い!」


そして…目が覚めるとそこはパチ屋!?

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