第6話一夜で一国を滅ぼしたドラゴンがいるらしい
俺とリーズとシロは、魔王軍四天王になる魔物を集めるため、広大な草原の中をひたすら歩いていた。いや、正確にいうとシロはずっと浮かんでいるのだが。
「魔王様、そろそろ転移魔法使いません?」
シロが気だるそうに言う。
「いや、やはり自分の足で歩いてこそだ。これは俺たちの成長のためでもある」
こんな立派なことを言っているが、正直に言うとやっぱり冒険したいからである。
「ところで僕たちはどこに向かっているんですか?」
「私たちが向かっているのは、1500年前にその強大な力で国を一つを滅ぼしたといわれるドラゴンが封印されているバベル山です。」
「山? え、じゃあ僕たちこのあと山登りするってこと?」
「はい! そうですよー、いいじゃないですか山登り。今日は天気もいいですし、気持ちいいですよきっと。」
魔王の旅がこんなほのぼのした感じでいいのだろうか。
「あ、見えてきましたよ」
リーズの指差す方向にある山は、とても歪な形をしていた。雲にも届きそうなほどの高さで、山の中腹から頂上にかけてねじれており、山の頂上付近は不気味な赤い光がまるでこちらを睨んでいるようだった。その異様な光景は、確かにあのバベルの塔を連想させる。
「こ、この高さを今から登るのかい? リーズちゃん」
「ちゃん?」
「リーズさん」
◉
山を登って丸2日ようやく山の中腹に俺たちは差し掛かった。俺たちは魔物だからかあまりまだ疲れは感じていない。一体を除いて。
「ま、魔王様......て、転移魔法使いましょう。もう、し、しんどいです」
「宙に浮いてる貴方が何故疲れてるの?」
「いや、わかんない。こんなこと今までなかったから。」
シロは顔を真っ白にして今にも死にそうだ。死神のくせに。
しかし、何故シロだけがこんなに疲れているのか気になる。魔力探知でもしてみるか。
「おい、お前ら!!!!」
「誰だ!?」
俺たちは即座に臨戦態勢を取る。
「この山に何しにきやがったクソ野郎どもが!!!!」
そこにいたのは15歳くらいの見た目の小さな人間だった。
「とりあえずさっさと帰れ雑魚どもが!!」
そう言うとその少年は両手から謎の黒い闇のオーラを出し、そのオーラを一点に集中させ俺たちに向けて放った。
「まずい魔力反射!!」
黒いオーラはそのまま少年の方えはね返るが、それをいとも簡単に弾き飛ばす。
「何物だ!? 貴様!!」
「俺は闇竜。闇竜ダクロス。皆さんご存知1500年前にこの国を滅ぼしたと言われるドラゴンだ!!」
「そしてこの山に入るものは全員殺す!!」
するとまたこのダクロスはまた闇のオーラを出してそれを槍状に変化させた。
「死ねぇぇーーーーー!!!!!」
「まて!!!」
声を上げたのはシロだった。
「ノル、この名前を知っているか?」
ダクロスはひどく動揺した。
「何故その名前をテメェが知ってる!?」
「僕の妹だからだ!」
なんだ? なんの話だ?
「リーズ、どう言うことかわかるか?」
「い、いえ、私にもさっぱり。」
リーズもわからないのか。シロに聞くしかなさそうだ。
「おい、シロ説明しろ」
「魔王様、ごめんなさい。僕、行かなきゃ」
シロはそう言うとダクロスは背中から突然羽をドラゴンのような羽を生やした。シロとダクロスはそのままこの山の頂上にその大きな羽を羽ばたかせて飛んでいってしまった。
何が何だかわからないが、おそらくシロとダクロスは山の頂上に行ったはずだ。
「行くぞ、リーズ!! 俺たちも転移魔法で、このバベル山の頂上に!!」
「はい! 魔王様!!」
リーズは俺の肩に手を置き、俺とリーズはバベル山の頂上へ転移した。
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