第13話 四天王が揃ったらしい
「な……ぜ……」
ライの胸から大量の血が川のように流れていく。
「空間の歪みは10分で解ける。だからあなたは10分経つたびに魔法を発動していた。けど、私はいつ空間の歪みが消えるかを知ることができる。」
「お前……に、そんな……力が、」
「貴方が弟を殺したから、私は憎悪で悪魔になった。これは貴方えの憎悪の大きさよ」
「そうか……くくく……」
ライは不気味な笑みを浮かべて笑い出す。
「あっはっはっはっはー。まぁいいよ、僕が死んだところで君たちは勇者に殺されるんだから。」
ライは俺の方を向いて叫ぶ。
「いいか悪魔ども!! 最後には人間が!! 正義が勝つってことを思い知るがいいさ。くくく、じゃあ……みにく……悪魔……ど……」
そう惨めに叫びながら、ライは動かなくなった。
いつの間にか暗殺部隊の奴らもどこかへ行ってしまった。
リーズがその場に倒れ込む。
「おい、リーズ!!」
「リズねぇ!!!!」
リーズの手は緑色の血で染まっている。
「いいんです。私は、ライを、弟の仇を取れて、幸せです。」
「お前がいなくなったら四天王はどうなる!?お前が必要なんだ」
「そうだよリズねぇ」
「諦めないでくださいリーズちゃん」
くそ、魔王に癒す力なんてない。なんで俺は魔王なんかに
「どいて」
「お前は」
半分魔物になったミリアがリーズの胸に手を当てる。
「貴方……いいの?」
「半分人間の私なら回復の魔法も使える。それに、もう私は魔物でもある。その代わり、私もあなたたちについて行かせて」
「何故だ?」
「復讐したいの、ユーシア帝国に」
ユーシア帝国に、復讐か……
「魔王様……」
リーズの瞳がまっすぐ俺を見つめる。そして他の3人も、俺に決意を込めた眼差しを送る。
「わかった……、お前を四天王の一人に加えてやる、そして……」
「我らはこれより、ユーシア帝国に向かう。奴らに自らの愚かさと、無力さを、魔王の怒りを持ってしらしめるそ!!」
「は! 魔王様!!!!」
◉
一方、ユーシア帝国では。
「ふーん、こいつが魔王?」
赤髪の騎士の格好をした男が執事の持つ写真を見て不敵に笑っている。
「はい、いかにもでございます」
「ふーん、じゃあ、俺たち勇者4人パーティで、チャチャっと世界救っちまうか」
「そうね!」
女の勇者の返答に続き、残り二人の勇者も無言で頷く。
「待ってろよ、ネクラー」
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