第12話嘘らしい
「って言うのは嘘なんだけどねー」
と、片目片足の男はおちゃらけて言った。
「う……そ?」
「そう、嘘だよリーズちゃん。実を言うとさぁ」
男は頬をぽりぽりかきながら続けた。
「僕に妹を殺された君が悪魔になって僕の片目と片足をえぐった時に僕はさ、悪魔を生み出した責任を負わなきゃいけなくてさ、死刑になったんだよ」
「なら何故ここに」
「逃げてきたんだよ。だって意味わからないだろぉ?僕はただ奴隷の商売でいい玉見つけて暗殺部隊に引き入れようとしてただけだってのに
どいつもこいつも責任責任って」
「じゃあ、あなたはここに何しにきたの?もしかしてまた私を奴隷にする気?もう私はあの頃の弱い私じゃないわよ!」
するとライは下を向き、体をぶるぶる振るわせた。
「ふふっふ、あっはははははははは!!!!」
ライは高らかに笑った。
「そんなわけないじゃないかぁ、もう君を奴隷にする力なんてないよ、勇者じゃあるまいしさ」
「じゃあ何をしにきたの!?」
ライは不敵に笑みを浮かべた。
「それはね、魔王をり……」
「そこまでだ、リーズを解放しろ!」
倉庫の扉が勢いよく蹴破られ、そこには魔王とシロ、半分竜化したクロが扉の外でらいの方を睨みつけている。
「てんめぇ、リズねぇに変なことしてねぇだろぉなぁー?変なことしてたらぶっ飛ばすぞ?」
「リーズちゃんに何かしたら魂とっちゃうよ?死んじゃうよ?ってかなにかしなくてもとってやろーか?」
シロとクロは睨みつけていると言うより、目を血走らせて睨みつけている。
「みんな……」
「やあやあ魔王様、随分早く来たね。しかも僕の潜伏先に」
「当然だ、俺の魔力探知を舐めるな!」
リーズが魔力を出してくれたおかげで簡単に探知できた。暗殺部隊のこいつが気付いてないのはラッキーだったな。
「やっぱわかるんだー、まぁリーズが魔力出してたのはわかってたけど。おかげで早く会えてよかったよ、こんな話一目の着くところでできないしね」
「なんだ? 貴様」
「んなこと言ってねぇーでさっさとリズねぇ解放しろやぁ!!」
しびれを切らしたクロが怒鳴り散らかす。
「まあまあそんな怒んないでよ、手紙に書いてあっただろ?これは交渉だって」
「なに?」
ライは椅子から杖を使ってゆっくり立ち上がった。
「単刀直入に言うとさ、ユーシア帝国一緒に滅ぼさない?」
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