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チョコシュニーユバナナクレープ  作者: れもん
第1章 黒き羊と焔尾刀
3/6

第3話 名前を付けますか?


【仲間にしてあげますか?】

→はい

 yes



(……いや、するしか選択肢ねーじゃんか)


仕方なく"はい"を選択する。



【審判の左腕が仲間になった】


チャラチャラチャチャチャ♪

チャラチャラチャチャチャ♪

チャチャチャチャチャラチャラチャッチャッ♪



(うるせーな音楽)



【仲間になった審判の左腕に名前を付けますか?】

→はい

 いいえ



(付けますか? じゃねーよっ!)


ちなみに、龍哉にはまだこの世界での名前はついてない。


(まぁこのままじゃ呼びにくいし……"はい"だな)


すると画面が切り替わる。



            _ _ _ _ _


終わり わ ら や ま は な た さ か あ


 戻る を り   み ひ に ち し き い


 カナ ん る ゆ む ふ ぬ つ す く う


     ゛ れ   め へ ね て せ け え


     ゜ ろ よ も ほ の と そ こ お



(さっきの音楽もだけどなんでいちいちちょっとド○クエに寄せるんだよっ! ……にしても名前か……どーすっかな) 


文句は言いながらも真面目には考える。


(……5文字までか……左腕……左……レフト…………よし!)


どうやら決まったようだ。


画面にその名前を打ち込んでいく。


(今日からお前の名前は……)


心なしか今から名付けられる左腕も緊張している。


(レフティだ!)


審判の左腕……改めレフティは自身の名前が決まったのに微動だにしない。


(気に入らなかったのか? やっぱちょっと安易だったかー)


すると、レフティは急に跳び跳ねて指を激しく動かしだした。


まるで喜びを全力で表現しているようだ。


(おおお……そうか……喜んでくれたのか! 良かった良かった!)


意外と可愛いんじゃないかと思い始めている龍哉であった。


するとそこに嬉しいお知らせが届く。



【初めてパーティーを組みました 特典として通常スキル"念話Lv1"を獲得しました】


(念話?)



念話

自分の意思や想いを相手に念を飛ばし伝える



(よーするに俺からの一方通行なのか……でもこれでレフティに色々伝わるなら便利っちゃ便利だな。ちょっと試しに……レフティ!)


一瞬ビクッと固まったがすぐに呼ばれたことに気付きレフティはのそのそと近づいてきた。


(よし、ちゃんと伝わってるみたいだな……改めて今日からよろしくなレフティ!俺はまだここに来たとこで分かんねぇことばっかだけど一緒に頑張ろうぜ!)


レフティは体全体でコクりと頷いた。






その瞬間




バスッ


と聞いたことのない渇いた音が身体の内側から鳴った。



【耐性スキル"根性"が発動しました】



(なん……だと……!?)


自身の身体を見ると尻尾の部分の約30㎝程が無くなっている。


無(・)く(・)な(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)。


遅れて痛みがやってくる。


(なんだなんだなんだなんだっ!!!なにが起こってるっつーんだよっ!?)



【耐性スキル"恐怖耐性Lv1"を獲得しました】



辺りを見回す。


するとすぐそこに緑色の光沢を放つ大きな百足がいた。


龍哉の無くなった尻尾をその見事な顎で咥えている。


(なんだあいつ……!?)



太古の(アンシヤン)百足(ミルパット) Lv77


古代から現代まで存在しその姿を一切変えていない

それは進化する必要がない程生物として完成されているからである

その毒牙は全てを貫く

大概は群れで行動する



(なんでこう毎回毎回急に……もうちょっとゆっくりさせてくれよっ! しかも最後の一文……)



群(・)れ(・)で(・)行(・)動(・)す(・)る(・)



気付くと龍哉達がいたその場所は十数匹の百足に囲まれていた。


全部の百足が、Lv70オーバーだ。


名付けに集中し周囲の警戒を怠った結果である。


さらに


(さっき"根性"が発動したから……)



"残HP 1"



(結構ヤベェじゃねーか……どうする……このまま死……)


背中がなにかザワザワする。


横目で見るとレフティと背中合わせの様な体勢になっていた。


相棒は斧を持ち臨戦態勢だ。


(なんだよ……イキイキしやがって……)


その姿を見てビビっていた自分を恥じる。


(よし……やるんだな! 背中は任せたぜ相棒!)


OK!っと言わんばかりにレフティは斧を振り上げ百足の群れに飛び込んで行った。


(あっ、あいつら毒持ってるっぽいから気を付けろよー! ……さて、俺も行くか! ……つっても1発貰ったら即アウトだから俺は突っ込めねぇんだよなー……とりあえず上に逃げるか)


糸を出し木の上に陣取る。


(喰らえっ!安定の麻痺×毒コンボだっ!)


レベルの上がった"麻痺針毛"と"毒針毛"を飛ばす。


命中補正のお陰もあってか全ての針毛が数匹の百足に外れることなく吸い込まれていく。


が、刺さらない。


何度やっても刺さらない。


(殻が硬ぇからか……いやいや、これ無理なら俺どーすりゃいーのよ?)


このコンボは無敵だと思っていたから一切次の手を用意していない。


(どうする……!?)


百足達も待ってはくれない。


その頑丈な顎で龍哉のいる大木を一瞬で斬り倒す。


(あっぶねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!)


なんとか糸が間に合い他の木に飛び移る。


(マジでどーする?)


しかしそれでも考えている時間はあまりない。


またすぐに木を斬り倒される。


そして飛び移る。


その繰り返しだ


(このままじゃいつか死んじまう……しょうがねぇ、あんまぶつけ本番では使いたくなかったけど……)


龍哉の発する空気が変わったのを感じ取ったのか百足達は一旦距離を取った。


(あそこまで届くのか分かんねぇけど……俺にはもうこれしかねぇ! 行くぜっ! "焔弾"だぁーーーーー!!!!!)


口許から発せられたその"焔弾"は凄まじいスピードで百足達に向かって行った。


あのスピードならおそらく避けられることはないだろう。


勢い的には心配していた距離も届きそうではある。


ただし


サイズは米粒程しかなかった。


(……すげー小いせぇんだなあれ……当たっても全然効果無さそうだ……あーあ詰んだわこれ……短い毛虫人生だった)


色々と諦めた龍哉だった。


そして遂に"焔弾"が先頭の百足に着弾する。


(さ、あとは煮るなり焼くなり好きにし……!?)


瞬間、視界が真っ白に染まる。


(なんだ……これ? なんも見えねぇ……えっ? 俺もしかしてまた死んだのか?)


どうやらそうではなかった。


視界が晴れる。


すると、


そこにはなにも無かった。


(……どゆこと?)


そこにはさっきまでいた百足達も周りにあった大木も草も無くただただ大きく窪んだ地面だけが残っていた。


よく見ると地面が少し焦げているのか煙が出ている。


(? ……あっ違……これって……まさか……えええええええっっっ!!!!! いや、いくらなんでも威力高過ぎだろーがっ!)


半径20m程の範囲が"焔弾"の熱と爆風で消え失せている。


(……これは封印だな……笑えねぇ威力だ……2度と使わねぇ……あっ! そうだレフティ! 大丈……)


相棒を思い出し振り替えるとそこにもあり得ない光景が広がっていた。


(まともに闘ったらそんなに強いのかよお前)


死体、死体、死体、死体、死体……


そこら中、無惨にも斧で両断された百足の死骸だらけである。


(確かそっち側って俺の方より数多かったよな? えげつないなレフティ)


褒められたと思ったのか照れる様な仕草をする。


(いや褒めてねぇからっ! ……ま、なんにせよ二人とも無事で良かった)


こうして、パーティーを組んで初めての多人数による戦闘が終わった。


(これでまたレベルも上がるだろうし、当面は飯と水場の確保かな? よく考えたらここ来てからまだ何も喰ってねぇな俺……)


と龍哉が次の行動を真剣に考えていると、


斧を仕舞い込んだレフティが百足の死骸に近付いていく。


そして百足の肉片の1つを指で摘まみ戻ってくる。


戻ってくるときに一緒に拾ってきていた大きな葉っぱの上に先程の百足肉を乗せ龍哉の目の前にそれを置きこちらを見る。


どうやら褒めて欲しいようだ。




(……………えっ? 俺これ喰うの?)

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