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大艦巨砲主義,日本  作者: Iowa
11/16

マレー沖海戦5

遅くなってしまいましたすみません。

  1946年5月3日 マレー沖

「敵戦艦轟沈!」

その声を引き金に総員が雄たけびをあげる。

山本長官を失うという大きい損害を出したが、開戦1週間でイギリス東洋艦隊を潰せたのは大きい。

杉野艦長はそう考え、医務室へ向かった。


「艦長、方位36に敵影確認!」

それは水中、水深30mにいた。

日本艦隊が索敵のために先行させていた、潜水艦である。

「距離はどれくらいだ!」

「距離1万2000です。艦種はおそらくですが、空母だと思われます!」

「なんだと!東洋艦隊には空母はいないはずだ!」

いたのはイギリス軽空母ハーミズと軽巡2隻である。

艦長が否定しても潜望鏡から見える艦影は変わらない。

基準排水量は1万1000トンにも及ばない小型空母で艦載機は14機と少ない。

しかし空母を派遣されてない第一艦隊には脅威だ。

「チッ、第一艦隊に通報しろ。敵空母の発見だ」


「方位36、距離1万2000の地点で敵の通信を確認しました」

「ついに見つかったか...。まあよい、もう攻撃機は発艦済みだ」

この艦隊は東洋艦隊所属の艦ばかりであり、プリンスオブウェールズと同時に出港したのだが、

ハーミズの速力26ノットという遅さもあいまって、最低限の護衛艦だけを残し、置いていったのである。

「近くに水上艦の艦影はみられない、ならば潜水艦に見つかったと考えるべきだ。

おそらくあまり動いていないだろう。命令だ、護衛艦に敵の通信があった地点に爆雷をおとせ」

この命令を聞いた途端、サイドを守る軽巡2隻が喜ぶように増速した。


「対空戦闘用意!」

敵機は10機と少ないながらも、低空に6機、高空に4機と2手に分かれて攻撃してくる。

「上を狙うか下を狙うか...」

おそらく上は爆撃機、下は雷撃機だろう。脅威度的には雷撃機を先に狙う。

杉野艦長も同じ判断を下した。

「対空砲を20度にしろ!雷撃機を先に落とすのだ!」

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