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旧想像世界  作者:
8/13

請負人の白天恵瑠 ②

前回のあらすじを簡単に説明しよう。河童がブレスレット返してくんない。


「か、返してくれないと困るんだよ。」

「へっ、ま、こんなもの、ワイにとってゃ持っててもしょうがないもんや。」

「じゃあ、返してよ。」

「かけをしよう。ワイと相撲で勝負や!」

「え、別のじゃダメ?」

「ダメや!ワイは相撲が好きなんや!」

「子供か!」

「うるさいうるさい!お前が勝ったらこのブレスレットは返してやろう。だが、お前が負けたら・・・」

殺される。そう思った恵瑠は怖て顔を真っ青にした。

「お前の尻子玉もらうでぇ!」

「・・・はい?」

聞きなれない言葉を聞くと、顔の青色がなくなった。

「し、尻子玉を?」

「せや。」

しばらくすると恵瑠は

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!変態あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「なんでそうなるんや!尻子玉は食うとうまいんや!」

「変態だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「黙れーーーーーーーーい!!」

恵瑠は尻子玉が何なのかわってなかった。

 そして、恵瑠は泣きべそをかきながら相撲で勝負することになった。

恵瑠には筋肉があまりないため、この勝負はどう頑張っても相撲が得意という河童の方が完全に有利だった。

勝負が始まるとき、恵瑠は首をがっくりさせた。

河童はこれをお辞儀と受け取り、深々とお辞儀をした。ぱしゃん。

勝負が始まると両者ぶつかり合う。しかし、勝負は長くはなかった。

バタッ。

先に倒れたのは、なんと河童だった。恵瑠は今の状況が信じがたかった。

実はさっき、河童がお辞儀をしたときに頭の水をこぼしてしまったのだ。それで、皿が渇いてしまったのだ。河童は頭の皿が渇くと力が入らなくなってしまう。だから、河童は恵瑠に負けた。

「ま、いいや。返してくれるよね?」

「ううぅ、悔しいが、約束は約束や。ワイは河童やけど男や。約束はちゃんと守るで。」

恵瑠は河童の腕からブレスレットを外し、「ありがとう。」と言い、手を振ってから家に帰っていった。

 そして、約束の日になれば事前に洗っておいた(魚臭かったらしい)ブレスレットを持ってリトル街にきた。依頼を受けた場所で待っていると子供に「あ、あのう・・・」と声をかけられた。

「僕のブレスレット、見つかりましたか?」

「赤いブレスレットかな?」

恵瑠はわざと赤いブレスレットと言った。嘘をついて持っていかれる可能性があるからだ。

「いいえ、水色です。み、見つからなかったんですか?」

子供はとても不安そうな表情を浮かべていた。そんな子供に恵瑠は手を出した。手にはしっかりと水色のブレスレットがあった。

「これですね。あなたのブレスレットは無事に見つかりましたよ。」

子供はパッと明るい表情をするとブレスレットを受け取り、「ありがとうございます!」と言った。

「あの、これ、お母さんがほうしゅうって。」

と言い、お金を差し出されたお金を恵瑠は受け取った。商売とはいえ、お金を受け取るのは少々心が痛いことだ。

 こうやって依頼をこなすたびに街の信頼をえる。その度に依頼がどんどん増えていく。請負人も楽ではないのだ。


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