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旧想像世界  作者:
6/13

マジョノ町 ②

部屋の真ん中に立っていた者は顔をこちらに向けた後、体をこちらに向け、

「おお、来たか、ミア。」

という。

 このしわくちゃのババ、この女性が世界一の大魔法使い「ミス・ソルシエール」だ。彼女は世界一だけあって、魔法のことならなんでも知っている。ミアには、魔術はもちろん、クスリの作り方、デーモンのことまで教えているのだ。まあ、それくらいすごいばあさんだってことだ。

ちなみに、今日はクスリの調合をするそうだ。どうやら、アカルイタイヨウというクスリを作るらしい。

ミス・ソルシエールはマヤク草という草と水が入ったバケツ、黄色いプルプルしたものを用意していた。

ミス・ソルシエールはミアに本を見せる。どうやら、この本にはクスリのレシピが書いてあるようだ。

ミアはまず、バケツの中の水を大釜の中に移すとその下に重ねてある薪に向かい、「appear fire」と唱える。薪に火が付いた。それから、ミアはマヤク草をすりつぶす。大釜の水が煮えたぎると、ミアはそこにすりつぶしたマヤク草をぶち込んだ。

 しばらくするとマヤク草がなくなる。大釜の中は透明のままだった。

「よし、魔法のクスリができたな。」

クスリを作るには、まず魔法のクスリがないといけないようだ。ここからアカルイタイヨウを作り上げる。

「さぁ、今度はこれを入れてみよ。黄スライムの欠片だ。」

どうやら、さっきのプルプルはスライムの欠片だったようだ。

ミアは黄スライムの欠片を大釜の中にぶち込んだ。それから超でっかいヘラのようなもので大釜の中を混ぜる。

 大釜の中は黄色い液体になった。

「そのくらいだなぁ。完成じゃ。」

ミアは空き瓶に大釜の中の液体を瓶ですくう。

「それはくれてやろう。」

「ありがとうございます。」

「今日はこれで終わりだ。あのガキ二匹の遊び相手になってはくれないか?」

「ええ、もちろん。」

 このあとミアはグンスとランプーと鬼ごっこをした後、楽しいお話をしていた。

「そしたら、恵瑠がね、川に落ちてねぇ。」

「あははははは!恵瑠ってバカなんだな!」

「お、おにいちゃん、ばかはだめだよ?」

しばらくすると、ランプーはこんな質問をしてきた。

「ねえねえ、ミアおねえちゃんはどうしてまじょになったの?」

ミアは少し考えこみ、

「最初はね、魔女になりたくなかったの。」

「えぇっ!どうしてだよ!?」

「魔女になったら、人間に嫌われちゃうんだって。だから、なりたくなかったの。」

「ミアおねえちゃん、まじょになりたくないのにまじょになっちゃったの?」

「なんでなったんだよ?」

「ならざるを得ない状況だったのよ。大切な友達を守るために。そのためなら、誰に嫌われたって、かまわない。でも、友達は、それでも、私を嫌わなかった。そして、そのおかげでもう一人友達がふえた。」

「ふーん。」

「だからね、守るの!その二人の友達を!そして、この出会いを恵んでくれた、この世界を!」

「ミアねえちゃん、魔女なのに守りたいなんて、変な奴なんだな。」

「うふふ、グンスもわかる日が来るわよ。」

「わたしはミアおねえちゃんはすごいひとだとおもうよ。」

「ありがとう、ランプー。」

この日、ミアは遅くまで話し込んでしまったため、夕飯をごちそうしてもらってから、家に帰るのであった。



マジョノ町①で「奥の方には大きな水瓶」という表現がありましたが、正しくは「奥の方には大きな大釜」でお願いします。大変申し訳ございませんでした。

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