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ロストオブギルティ  作者: 講和 淵衝
パンドラの棺編
1/11

~パンドラの棺編~プロローグ

初めまして、こちらのサイトには初投稿という形になります!

小説同人サークル〈ハムカツオブシンドローム〉で活動しております

講和こうわ 淵衝えんしょうと申します。今後ともよろしくお願いします。

普段はpixivさんの方に投稿させていただいてるのですが、この作品を

より多くの人に読んでもらいたいと思い、こちらの方にも投稿することにしました。皆様に楽しみながら読んでいただけるように頑張りますので今後ともよろしくおねがいします!


  第一部〈パンドラの棺編〉 

      


                 プロローグ「断罪」


「森の入口に派遣した部隊からの連絡は途絶え、全滅したもようです。どうしますか頭領」

 「どうするって、そりゃあ、残った俺たちで何とかするしかないだろうよ」

 「しかし・・・」

商業の街コスタ・デル・ソル近くにあるフェルドの森に入って、一時間ほど経過した。

 数日前から、ギルドを嗅ぎまわっている奴らがいると情報が入り警戒していたところに、森を拠点に動き回っている怪しい奴らがいると情報が入った。そこで、森で調査をすることになったのだ。

 いつまでも、自分の身の周りを嗅ぎまわれるというのも気分がよくなかった、それに酒の入った勢いが重なり、二時間前に急遽作戦を決行したのである。

 最初はやめた方がいいと部下たちにも言われたが、この時の俺はどこかやけになっている部分があった。

 そんなわけで森に入り、俺たちが潜入する一時間ほど前に送り込んでいた先行部隊の連絡待ちという状態だった。

 まぁ小屋に入ってからすぐに部隊から伝令が入ったのだが、どうやら相手は二人だけでこちらに気づかず、呑気にキャンプをしているようだ。

 「まったく、そんなのんきな奴らに警戒していたのか俺たちは」

こんなことなら、俺が出る幕でもなかったな、そう思い撤退すると命令しようとしたその時、突如として森に断末魔が響いた。

 「なんだ、どうしたってんだ」

「どうやら、先行部隊に何かあったみたいだね」

 「そんなの声を聞けば分かる」 

俺はすぐに、キャンプが罠であったことを悟った。しかも敵はどうやら、こちらの動きを把握していたようで動き出そうとすると、周りに設置されていた爆破装置が起動、その結果自分たちの周りは火の海となった。

 それが森に潜入した直後にあった出来事、それから約一時間もの間、小屋に閉じ込められた状態だ。早く次の酒が飲みたい。

 「しょうがない、こうなりゃ、俺が確認してくるか」

「待て、レイル、今動くのは危険だ。君は酒が入るとすぐ無茶なことをしようとする」

 「うるせぇベルカ、俺はまだ酔ってない、まったく今日はとんだ災難な日だぜ」

「落ち着けレイル、僕にとっても今日は災難な日さ、でもこう言うときこそ判断を間違えちゃいけない。相手はたった二人だが、舐めてかかれる相手じゃないわけだし」

 「この〈朱眼しゅがん死神しにがみ〉レイル・ファントム様が生者を恐れるなんざ、笑い話にもなりゃあしないぜ」

 金を積まれれば、どんな仕事でもやった、それが俺たちのギルドだ。

泥棒に始まり、果てには人殺しどんなことでもやってきた。次第に俺の名が世に出始めるとこぞって人々は俺の事を死神と呼んだ。そこに俺が生まれつき片目が赤い色だったことも重なり今では俺の事を〈朱眼の死神〉なんて呼びやがる。別にどういった呼ばれ方をしても気にはならなかったし、正直言えば、自分でも気に入っていた。

 そんな俺がたった二人の人間に恐れをなして何も出来なかったとなれば俺だけではなくギルドが笑いものになってしまう。

 「そこの彼の言う通りだ、少年。頭に血が上るが早すぎはしないか。それでは指揮官としての役割をはたせない。だから簡単に仲間を見殺しにしてしまうんだ」

それは一瞬だった、一瞬のうちに周りにいた部下たちが殺され一面血の海ができあがった。部下を襲ったその男は入口のそばに静かに立っていた。

「貴様、俺の部下を・・・」

 「君たちがのんびりとおしゃべりをしているからさ」

「やってくれる」

 「それほどでも」

「誰ですか!貴方たちは」

 「生憎、弱者に名乗る名は持ち合わせてるつもりはないのだが」

「グリフォン、こんな奴ら、すぐに出向いて殺せばよかったのさ」

 「まあ待て、ハンタードック、私たちも部隊には手こずらされてじゃないか」

「手こずらされたって、予定していた殲滅時間が二秒伸びただけじゃないか。それを手こずらされたとは言わないね」

 「お前らの言っていることが本当なら、外の部隊はとっくに全滅しているってわけか」

 「本当も何も、嘘はついちゃいないのさ。何よりも、僕たちがここに居るのが何よりもの証拠だろ?違うかいレイルファントム?」

 「気易く、俺の名を口にするな、次に一文字でも口にしてみろ、生きてることを後悔させてやるぞ」

 「おお、怖い、だってさギルガメッシュ」

「威勢がいいだけですよ」

 ギルガメッシュとドックか俺が知る限りこんなコードネームを使っている奴は知らないなギルド関係の奴らじゃないってことか?

 「貴方たちですか、最近我々を探っていたというのは」

「そうだね、といっても探っていたというよりも、タイミングを見計らっていただけなんだけどさ」

 「そうだ、ちょっとした事情でね、君たちのギルドを潰しに来たんだよ」

「だからどうした、俺達は国が認めたギルドだ、俺たちに手を出したことが分かればここで死ななくてもすぐに死ぬ、お前らも国とギルドの契約の事くらい知っているだろう」

 この国ではギルドと国がお互いの間で契約を交わすことにより、お互いの行動を邪魔しない他、非常時にはお互いを助け合うことがあった。

 まぁ、国側の真の目的は自分たちの好きに動かせる駒がほしかったというのが大方の予想であった。そんな国のやり方には反対する者も少なくはなかった。

「私たちが国に殺されてしまう?おかしいことを言う」

 「俺は酒が入っているが酔っちゃいないし、おかしなことは何も言っていない」

「十分おかしなことをいっているよ、なんせ僕たちはその国が派遣した人間だから」

 「何だと・・・そりゃあ、穏やかじゃないな」

「ハンタードック、余計な事を言うな」

 「別にいいじゃないのさ。どうせ、こいつらみんな死ぬんだし」

こいつは、雲行きが怪しくなってきた。国が契約を破ってギルドを潰すだと?一体何が目的だ。

 「まさか!君たちはしち・・・」

「おっと、私たちの正体をしっているのですか、これは真っ先に消す対象になりましたね」

 「やべぇ!おい、ベルカ逃げろ!」

「え・・・」

 「気づくのが遅いよ。ほら、チェックメイトだ」

瞬間、ギルガメッシュと呼ばれた男が、ベルカのに近づき、頭を掴んだ。

「ベルカ!」

 「ぐ・・・あ・・・」

男がその手を放すとベルカはその場に崩れるように倒れた。何が起きているのかもはや訳が分からなかった。

 「よくも・・・よくもベルカを!許さねぇ!」

「ほう、ではどうする、私を殺すか?」

 「ああ、そのつもりだ。次は俺がお前を一瞬で消し去ってやる」

「面白い、ではそんな少年に一つ質問だ」

 「くだらねぇ、そんなもの、地獄でお友達と一緒にやってな」

自身の心の中を怒りという感情が駆け巡った。俺はそばに置いていた、槍を持ち、その怒りをそいつらに放った。

 「夜幻流・・・一の陣〈月夜狩キャストレイり〉!」

月夜に現れる影が如く、相手に気づかれることのない素早い動きで、懐に忍び込み、突きを食らわせる技だ。ギルガメッシュと呼ばれた男がどういった攻撃手段を持っているのか不明だった為、とっさに俺は奴の中心から懐に入りこもうとした。

 「まだ、話は終わっていないのですがね・・・」

しかし、勢い任せの技は相手に届くことはなく気が付けば槍の先端が空を切っていた。

 「まったく、威勢だけは一人前です。しかしそれだけでは私にその槍の先端はとどかないでしょう。さて、先ほどの続きですが・・・」

 「二の陣〈月見盃ムーンカップ〉」

避けられはしたが、それも俺の中では計算内だった。始めからこの攻撃は二段構えの行動だった。

 「おっと、これは予想外」

一の陣の勢いを殺すことなくそのまま、相手に向かって攻撃を繰り出した、これで間違いなく、決まったそう思った瞬間、自分の頭を掴まれていた。

 「意外です。まさか、一撃をくらってしまうとは、しかし、チェックメイト」

男の頬の部分に槍がかすってできた傷があった。

 「ざまあみろ」

「・・・質問です、貴方はどうして生きているのですか?」

 「なに?」

「質問に答えなさい」

 「・・・抗う為さ」

「ほう・・ならば抗って見せろ、この時代、そして己の運命に」

 「己の運命・・・だと?」

「そうだ、直にこの今の時代は新たな時代へと変わっていくことになるだろう、その革命こそ貴様の運命、それにせいぜい抗ってみせろ」

 男の手に、力が入ったのが分かった。次第に意識が遠のいていった。

「ち、ちくしょ・・・」

そして、レイルもその場に倒れこんだ。

 「もういいの?」

「ああ、これで少年が目覚めた時、その時はすべてが動き出す」

 「楽しみだね」

「これから世界の革命、人類の革命を見ることになる、これからが楽しみですね、レイル・ファントムいや・・・」

 ギルガメッシュのその眼はどんなものよりも冷たくそして冷酷に見えた。

「全ての元凶となりし蛇」

 「ねぇ、ギルガメッシュ」

「なんだい?」

「改めて、もう戻れないスタート地点に立ったわけだけど、僕らはこれでよかったのかな。僕らのしていることがもしも間違いなら・・・」

 「そうなれば、その時だよ。運命の半分はもう動き出している、どうにもならないさ」

 「それもそうか」

これから、時代は動く。我々の手によって、全ての歯車は動き始めるのだから。

如何でしたでしょうか、プロローグではありますが、ここから物語が始まっていきます。

次回からの第一話もお楽しみに!

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