かみさま
そんなことでどうするの、と
なじり続けるのは
誰の声
まっとうな努力は
そっくりそのまま裏返り
同じ長さのベクトルで
自分にダメ出しをはじめる
際限なく高さを増していくハードル
人より優れていることでしか
存在価値を感じられず
あえぐように見上げた空も
回転性のめまいに
かき乱されるだけ
暗闇に迷える子羊は
壊れた抜けがらを
弔うこともできないままに
頼りなく潤んだ瞳で
途方に暮れる
ああ
かみさま
名前もなく
触れることもできないけれど
壊れてしまったこの世界の中で
形をもたないあなたを探す
もう一度
すべての意味を取り戻すために
目を凝らし
耳を澄まし
胸の奥のあなたに祈る