表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

勇者、初戦闘

「おい、ユキ!どーなってるんだよ!?いつのまにかバイオ○ザートみたくなってるぞ!!」


「まあ、それは大変」


棒読みで返してくるユキ。


「何で他人事なんだよ!?第一お前は……」


でも、俺はこれ以上セリフをつづけることができなかった。

なぜなら、


『ゾンビは突然襲いかかって来た!』▼


派手な音楽とともに、戦闘開始。


「てか俺まだ戦闘準備やってないんすけど!」


そんな叫びを無視し、目の前にバトルコマンドは現れる。


『たたかう

ぼうぎょ

まほう

にげる 』


ここは無論、にげるを選択!


『にげられない!』▼


「なんだと!?」


唖然とする俺の耳に、ユキの声が聞こえて来る。


「言い忘れてましたが、これはイベント戦です」


「先に話せ!」


『ゾンビのこうげき!』▼


『勇者は3のダメージをうけた!』▼


ぐふっ……息がつまる。

しかたない、ここは倒すしか……!


俺はティルファングという剣を装備すると、駆け出した。


今思えば、それが全ての始まりだったように思う。


『勇者のこうげき!』▼


『ミス!ゾンビにダメージをあたえられない!』▼


なんだって!


「どーなってるんだよ!?」


「ここの世界のゾンビは剣攻撃が効きません」


「じゃあどうすれば!?」


そうこういっているうちに、


『ゾンビのこうげき!』▼


『勇者は3のダメージをうけた!』▼


……ダメりゃこりゃ。


「こうなったら!」


コマンドから、まほうを選択。

しかし。


『MPが足りない!』▼


忘れてた。まだ俺最大MP0じゃん!


目の前が真っ暗になったその時。


(勝ちたいか?)


「なんだ、今の声?」


「はい?」


ユキは不思議そうな様子で俺を見る。


コイツの台詞じゃないのか。


(ここで倒されたくはないだろう?)


また聞こえる!俺の脳内大丈夫か?


『ゾンビのこうげき!』▼


『勇者は3のダメージをうけた!』▼


(もう1しかHP残っていないぞ)


謎の声に指摘されているし。


でも、俺はふかふかのソファーで札束をつみき代わりにして遊ぶまで死ぬわけには……

死ぬわけにはいかないんダァーーーーーーー!!


(なら力を貸してやろう。しかし、後悔するなよ……)


瞬間、剣から壮絶な光がほとばしった。


『ゾンビはたおれた!』▼


『勇者は50のけいけんちをもらった!』▼


あれ……何かご都合的展開で倒しちゃったよ。


「アンタ……!?」


そんな俺を、ユキは呆然と見つめていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ