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女性嫌いの令息を護衛している男装女子ですが‥なんか思ってたのと違う?  作者: ノーネアユミ


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27 勝負の決着


「どこだ! 状況を報告しろ!」

「ここだ、敵1名、手練れ」


 私は叫ぶ。助けが来た。


「ちっ」

 侵入者は舌を打つ。


 ハロルド隊長が後方から突撃した。

 男はよけるがその先には私が切っ先を向けている。



「形勢逆転だね」


 私が笑うと、ペリドット君はフッと笑った。


「?」


 いぶかしんだ次の瞬間、敵の瞳が光った。



 キンッ!


 攻撃を受け止めたのはほぼ偶然。あふれる魔力に体が反応しただけ。

 チリっと感じだのは恐怖か。


 男は両手で小刀を扱っていた。

 私は剣を細かくふるう。敵の後ろにはハロルドがいるし注意を引き付けられれば良いだけなのだ。

 しかし男は私と隊長の攻撃を1人ですべて受けきる。


(何なんだこの強さ!)



 答えは分かっている。身体強化の魔法しかない。


(お見事)


 敵の動きに見とれてしまった。

 洗練された一切の無駄のない動き。美しい、このままずっと戦っていたい。


 だけど私の体はもう限界だった。たった十数秒が長い!

 弾き飛ばされたのに受け身が取れず、壁に激突した体は動かなかった。


 次の刃はかわせないだろう。

 なぜかゆっくり見えるその切っ先は、私の頬をかすって壁に突き刺さった。



「手加減する余裕ある?」


 目の前の男は悔しそうに笑う。瞳からは光がどんどん失われ黒ずんでいった。


「魔力切れです」


 男はそのまま私の上に倒れこむ。

 他の護衛も集まり出し、侵入者は無事確保できた。




「無事か、ブライト」


 こんな時にローアン様だ。急いで胸元を隠す。


「ケガをしたのか、早く手当てを」


 私の出血に狼狽はしているが‥女だとは気がついていない。





 侵入者はオールデン家の地下牢に幽閉された。


(いやー地下牢が個人宅にあるのには引いたよ)


 私は虜囚と向かい合っていた。



「おはよう、眠れた?」


 一夜が過ぎたが、まだ緊張状態は続いている。

 私は水桶を交換し、朝食のトレイを備え付けの机に置く。


 男は微動もしない。


「君は女性‥だったのですね」

「お、やっぱり分かった?」


 さらしが切られた時に分かったのだろう。

 ちょっとだけ恥ずかしい。


「1人だけで不用心ですよ」

「でも今なら私の楽勝じゃん」



 彼には今魔力制御の枷が取りつけられていた。

 あの強さは身体強化のたまものだったのだ。

 いつも感じていた威圧感が今の男からは感じられない。


「魔力が使えないと目は黒いんだ」


 私は暗緑色の瞳をのぞきこむ。


「何の用ですか」


 私から目を離さず彼は問いかける。


「まずは自己紹介だね。私はブライア・センタリオン。あなたの名前を教えて欲しい」

「聞いてどうします」

「呼び方が分からないならこっちで勝手に付けちゃうよ、ペリドット君」

「‥ダッシュです」


 名前を聞き出せて私はにんまりした。



「じゃあダッシュ君、私は説得に来たんだ。これから尋問が始まる。拷問なんか始まる前に、とっととこちらに寝返っちゃいなって」

 

 そのため朝支度を志願したのだ。



「こっちの家だって優秀な護衛は歓迎されるよ」

「正確には護衛でもありません。暗殺者です」


 うわ、イメージピッタリすぎて引く。


「今回の任務は公爵子息の暗殺ですよ。こんな俺を信頼すると?」


 まあ仲間に死人も出ている。こいつが了承しても公爵家が首を振るとは思えない。



「あ、暗殺はさ、あれだろう? なんかこう‥深い理由があるんだよね!」


 知らんけど。


「金です」

「故郷に病気の母親がいて莫大な治療費が必要とか」

「違います」


 何とか穏便にしたい私の希望は打ち砕かれる。


「心配しなくても情報は話しますよ。自分の身はかわいいので」




 ハロルド隊長らがやって来ると、彼はその通りにした。

 ホーク家の見取り図や愛人の存在、裏で動く人員の構成をベラベラと。


「ホーク卿も本当は第一王子が苦手なんですよ。バカなのに自分は利口だと思っているところとか。バカな方が操りやすいから鞍替えしただけです」


 だんだん主人に対しての悪口が増える。


「あの人、無理な仕事を次から次へと押しつけるんですよね。金払いがいいから従って来ましたけど。こっちの苦労を分かってくれないし」


 不満はだいぶたまっていたらしい。


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