表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女性嫌いの令息を護衛している男装女子ですが‥なんか思ってたのと違う?  作者: ノーネアユミ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/30

26 襲撃

 1日の仕事を終えた私は別館に戻る。


「ブライト、ちょうど良かった」


 建物からオスカーが駆け寄って来た。


「本館に忘れ物しちゃってさ、一緒に来てくれない?」

「それくらい1人で行きなよ」

「夜のお屋敷は怖いんだって」


 メイド服の彼はちょっとだけ震えた。


「オスカー? 君子供の時からここで育ったんじゃなかったっけ?」

「だってオバケとか出そうじゃん」


 彼はほおをふくらます。

 絶対かわいいと分かって、わざとやってるな。


「しょうがないなー」


 私は可愛い子に弱いのかもしれない。


 


 夜の本館は暗いし人も減る。

 ロウソクの明かりで歩く廊下は確かに不気味。


「あ、あった」


 秘書室の机に封筒がのっている。


「これ、執事に持って来るよう頼まれてたの」



(あれ)


 隣のローアン様の部屋から、変な気配を感じた。

 ガタンと音もする。

 よく分からないけれど気持ち悪い。


「ちょっとゴメン、待ってて」


 こんな直感を無視してはいけないと、家族からしつこく教わったものだ。

 私は隣室の扉を開いた。



「ぐ」


 真っ赤な血しぶきが目に飛びこむ。

 目の前で護衛がゆっくり倒れんだ。


 黒ずくめの男が、小刀の血をはらう。



「侵入者!」


 私は瞬時に叫び剣をぬいた。


 男に切りかかったが、切っ先はかすりもせず空を切る。

 顔は隠してあるが、こんなことができるのはまちがいなくあの男。



 部屋にはローアン様がへたりこんでいた。


「早くお逃げください! オスカー、ローアン様を早く」


 私の後ろから様子を見に来たオスカーへ主人の保護を頼む。


「ぅわ、分かった」



 私は2人を背にかばって侵入者と対峙した。

 息を吸う。刃をかわし敵に剣をふるう。

 私が時間をかせいでいる内に、オスカーたちは部屋を出た。



「何なのですかこの家。女みたいな護衛の他に、男みたいなメイドまで」


 男は無表情のまま軽口をたたいている。

 こんな状況でも余裕があるのか?


 今日の武器は長剣だが、たしかに1人で倒せるかどうかは微妙なライン。

 それでもこの場所は勝手知ったる公爵邸だ。味方はそこら中にいる。この前のようなアウェーではない。


 つまり勝機がある。


 私は剣を握り直しジリッと相手との距離を詰め、一気に飛びかかった。

 カンカンっと刃物がぶつかり火花が飛ぶ。

 相手が肉薄し、剣を打ちあい離れる。何回かくりかえしたら腕がしびれてきた。

 室内では距離を取ろうにも限度がある。


「このままだと俺は君を殺してしまいます。ここは手を引きませんか」


 ペリドットの瞳は感情を読ませない。

 力量差を考えればそれもありだけど、ホームでそれは弱気が過ぎる。

 私は時間さえかせげれば良いのだ。



「そんなことあきらめて、こっちに鞍替えしない?」


 私は勧誘することにした。結構本気で。

 彼のような腕利き、味方に引き入れれば形勢も逆転できよう。


「簡単に裏切る人間が、信頼されると思いますか?」


 侵入者は目を細める。

 まあそれはそうだ。


「君と同じ職場ならそれでも‥いや、同僚を手にかけた俺が君に許せるのかな?」

「それもそうですね」


 絶命しているのはベテランの兵士。

 気の良いおっさんでかわいがってもらった。



「残念ですが、これで終わりにしてあげます」


 空気が冷えた。

 くり出された斬撃をかわすため私は後ろへ飛ぶ。


 後方には開け放たれた扉。

 廊下の壁には激突したが、敵の刃はかわせた。

 すかさず方向を変え第二撃も避ける。


 それでも敵の少刀が胸をえぐった。鮮血が宙を舞う。


「痛っ」


 私はさらに後ろへ下がり敵と距離を取った。傷口を確認すると切れたのはほとんどさらしだ。

 良かった。

 傷は浅い。



(まだ動ける。援軍が来るまであと少し)


 自分を叱咤し、敵に注意を向け直すが‥

 侵入者は目を丸くしてこちらに注目している。


「はあ?」


 変な声まで上げて。珍しくスキだらけだ。



 やっと、やっとお約束にたどり着けました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ