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女性嫌いの令息を護衛している男装女子ですが‥なんか思ってたのと違う?  作者: ノーネアユミ


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19/30

19 ちょっとずつ

 


 今の不安は上司の恋愛事情より、自分の職の確保である。

 私は懸念をハロルド隊長に相談してみた。


「ローアン様の女性不信が治ったら首になる? ありえない」


 隊長によると、私の不安は杞憂らしい。笑いながら一蹴された。



「俺から奥様に話をつけてやる。お前を手放してたまるか」


 強い眼差しで見つめられた。ほっとして涙ぐんでしまう。


「これじゃまるで俺が泣かせたみたいだな」


 隊長は私の頭をポンポンしてくれた。やっぱり優しくてかっこいい。


「こんな逸材そうそういない。オリバー様に正体がバレていたって首にはならないさ」


 隊長は確信めいている。



「オリバー様が奥様を迎えられたら、そっちにも護衛は必要だろ? お前だったら間違いが起こりようもないからな。公爵家としても安心だ」

「そうですね」


 私はホッとして笑った。


「これからもよろしくな、仲間として」


 ハロルドは私の両肩をポンっとたたいた。

 まったくその気のないスキンシップは微妙な気分になるから止めて欲しいのだけど。





 隊長が話を通してくれたようで、公爵夫人から居間へ呼び出される。


「あなたの仕事には感謝しているわ。ブライアが望むならこの家にずっといて頂戴。お給料は一般の護衛と同じになっちゃうけれどね」

「ありがとうございます。あはは、同僚は男性ばっかりなのにまったく浮いた話にならなくてあせっていました」


 奥様のお顔がわずかにゆがめられる。


「それについてはこちらにも責任があるわね。どうかしら、あなたの性別を公表するのは」



 私はちょっと思案した。


「それですが、一気に知らせては坊ちゃんが傷つくかもしれません。仲の良い使用人から少しずつ試してよろしいでしょうか」



 奥様の了解は取れた。

 報酬は半分になってしまったが、金貨はきちんとためている。収入が少なくなっても何とかなるだろう。




 で、まず誰からかだけれど、考えているのは1人だけ。

 異性装に慣れているオスカーだ。



「ちょっといい」


 私は仕事終わりのオスカーを自室に呼びよせる。


「相談って何?」


 もう女装を解いてラフなパンツスタイルだ。

 襟ぐりから鎖骨がのぞいていて色気がえぐい。

 


「え~と、僕の秘密を聞いて欲しいんだ。公爵夫妻は知ってるんだけどローアン様にはしばらく黙っていて欲しくて」


 私は慎重に話を切り出す。


「へえ、なになに」


 食いついてくれた。私は上着とベストを脱ぐ。



「は? まさかかわいいボクにいやらしいことしないよね」


 ここまでしても物分かりの悪いオスカーにイラッとして、私はシャツのボタンまで外してさらしを見せつけた。


「そうじゃなくて、私は女なの!」

「はああああ?」


 オスカーはすっとんきょうな叫び声を上げた。



 私はすぐにボタンを留める。さすがにここまでやったらはしたなくて恥ずかしい。

 一応貴族令嬢なのよ私。



 赤い顔のオスカーに、私は公爵夫人との約束を説明した。


「ボクが女装したのと同じ理由でブライトも男装したのか、そっか」


 さすが女装男子だ。ネタバレすれば理解が早い。


「君は女の子だったんだね‥名前は? ブライトじゃないんでしょ」

「本当はブライアです」


「そっか、じゃあブライア」


 彼は両手で私の顔を包み、顔をのぞきこんで来る。

 水色の、きれいな瞳で。


 かわいい系男子にいきなりそんなことされたら、私だって固まってしまうじゃん。


(え? ちょっと待って心の準備がまだ)



「女子だったら基礎化粧くらいしろよ! 信じられない、何もやっていないだなんて!」



 その後は怒れるオスカーによる基礎化粧のレッスンが就寝時間まで続いた。

 



 朝は洗顔の後に化粧タイムが加わった。

 水は夜のうちにくんでおいて、見られないよう全部部屋支度をで済ませる。

 まあ化粧水と保湿クリームにファンデーションくらいだが。



 基礎化粧の効果はすごかった。

 周りの男たちから熱っぽい目で見られることが増えたのだ。


 やっと、やっとである。


「最近のブライトはどんどんきれいになるな、オスカーに感化されたのか?」

「実は僕、女だったりする」


 護衛仲間に冗談めかして伝える。


「ハハハ、え‥いや、まさか」


 それでもまだ手ごたえは薄い。




 反応は女性陣の方が顕著だった。

 ある日の私は数人のメイドに取り囲まれる。


「あの、ブライトさんって本当に男の方なのでしょうか」

「前からあやしかったんですけど、昨日みんなで話題になっちゃって」


 良かった。彼女たちにはちゃんと女に見えていたらしい。

 私はウィンクして人差し指を唇に立てる。


「内緒ですよ」


 メイドたちはキャーと騒ぎながら仕事に戻る。




 観劇デートに同行した時はデイジーにキラキラした目で見つめられた。


「今までも素敵だったのに‥ライバルが増えちゃうじゃない」


 ん? ライバルって誰? 女性ファンのことかな?

 

「女らしくなったとは言ってくれないんだ」

「より耽美感が増していると言いますか‥あ、お姉様をモデルに小説を書いていまして、その世界のお話ですわ、おほほ」


 こっそり耳打つと、分からない返事をされた。




 しかし肝心のローアン様からは何の反応もない。


「ブライトは今日も無駄にさわやかだな。デイジー嬢が惹かれるのはそこなのか? 自分だって顔には自信があったのに‥」


 デートを邪魔したせいでぐちぐち文句を言われてしまう。

 こいつなら、さらし外しても気づかなさそうだ。



 更新が遅れてしまいました。朝の5時くらいまで眠れなかったのでまだボーっとします。

 不眠症きっつ。

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