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魔法印  作者: Rizanthe Dravenhart


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7/15

行動に価値はあるのか

足音が反響し、はっきりと聞こえる。

その青年は、終わりのない回廊を歩き続けていた。

眩しい光が視界を覆い、目を開けた瞬間、彼はすでに男子寮の前の広場に立っていた。

青年は学院の廊下を歩き、やがて学園の劇場へと入る。

扉が開くと、舞台の上には一つの影が立ち、鋭い視線と大きな笑みで青年を見つめていた。

彼は反射的に扉を叩きつけるように閉めた。

呼吸は乱れ、冷たい汗が全身を濡らす。

「なぜだ……あの影は、いつも現れる……」

ゆっくりと扉を少しだけ開け、隙間から中を覗く。

「あの影……どうやら、もういないみたいだ」

青年は扉を大きく開け、少し中へ入ったあと、再び劇場の外へと出た。

彼は学院の廊下を通り、1-Aの教室へ向かう。

しかし、暗い隅々から「主よ」と呼ぶ囁きが聞こえる気がしてならなかった。

ギィィ……。 教室の扉が大きく開く。中には誰もいない。

「これは……夢なのか、それとも……?」

二、三歩進んだその時、

扉が激しく閉まり、教室の奥から一つの影が現れた。

「ご卒業おめでとうございます、主よ」 影は高らかに告げた。

青年はすぐさま振り返り、扉を破ろうとする。

【ここから出たい!】

ゆっくりと振り向くと、影はすでに目の前に立ち、広い笑みを浮かべていた。

「主……」

低く囁く声。

「あなたはすでに魔法を使える。だが、選ばねばならない――

支配されるか、支配するかを」

影はゆっくりと青年に近づく。

彼は体を動かせず、左手だけがかろうじて動いた。

空間魔法で影を攻撃するが、それでも止まらない。

冷たい氷のような感触の手が胸に触れ、

影はゆっくりと青年と一体化していく。

「主よ……私を制御できなければ、私があなたを制御する」

影は微笑み、やがて青年の顔を覆った。

青年は叫びながら必死に抵抗するが、体の一部がすでに痺れ、感覚を失っていく。

その瞬間、青年はベッドから転げ落ち、大きな音を立てた。

彼は天井を見つめ、しばらく動けずにいた。

深く息を吸い、ゆっくりと吐き出す。

「まるで……さっきの出来事が夢じゃなかったみたいだ」

チーン……チーン……。

大きな鐘の音が鳴り響く。

「おはようございます。私は錬金術担当の教師、キートン・モンタギューです」

「錬金術とは、薬を作るための素材を見極める学問です」

「回復薬、毒、あるいは中和剤などを作ります」

コルヴィアンが手を挙げた。 「先生、薬の材料は植物だけですか?」

「いいえ。植物だけでなく、時にはモンスターの体の一部――

毒、毛、涙なども使います」

教師は右目の下にある魔法陣を起動した。

「インク」

巨大な魔法陣が教室の床に広がる。

「今日は、ノクティラ山で光草、風花、跳躍茸を探してもらいます」

床の魔法陣から光が溢れ、髪がふわりと浮き上がった瞬間、

彼らはノクティラ山に立っていた。

巨大な木々の隙間からわずかに差し込む太陽光。

湿った空気、無数の昆虫と両生類。

教師は光る草、風をまとった花、根が黒い普通のキノコを取り出す。

「一時間以内に、それぞれ一つずつ見つけなさい」

メラティとコルヴィアンはすでに三つすべてを集めていたが、

ルスクは新鮮な跳躍茸を捕まえられずにいた。

摘もうとするたび、キノコは跳ねて逃げてしまうのだ。

何度も失敗した末――

「なんでこのキノコ、跳ね続けるんだよ!」

ルスクが叫ぶ。

気づかぬうちに、小さな蛇が彼の体を這い上がっていた。

「ルスク、体に――」

メラティが言いかける。

コルヴィアンは彼女を制止した。

「いいよ。今は跳躍茸に夢中だから」

メラティは黙って頷いた。

「やった!」

ルスクが跳躍茸を掲げる。

「ついに最後の材料だ!」

その時、体に違和感を覚え、掴んで見てみると――小さな蛇だった。

悲鳴を上げ、彼は蛇を遠くへ投げ捨てた。

「なんで蛇がいるって教えてくれなかったんだ!」

ルスクは声を荒げる。

「言おうとしたけど、彼に止められたの」

メラティはコルヴィアンを指差した。

「まだ蛇が怖いのか見たかったんだ」

コルヴィアンは薄く笑った。

突然、遠くから熱波が押し寄せ、三人は驚いて振り向く。

「なんで急に暑くなったんだ?」

ルスクが言う。

「近くにモンスターが……?」

メラティが小さく呟き、胸の鼓動が早まる。

コルヴィアンが遠くを見ると、

サイドポニーテールの少女が巨大な熊と戦っていた。

「あれは……シールドベア?」

ルスクは唾を飲み込む。

「本来は防御型のモンスターのはずだ……なぜ攻撃を?」

コルヴィアンが答える。

「シールドベアは防御力が非常に高い魔獣で――」

メラティは拳を強く握りしめ、動けずに見つめていた。

「メラティ……」

「先生のところへ戻って助けを呼んで!」

コルヴィアンが言う。

メラティは頷き、杖を握って走り出した。

「ルスク、彼女を助けよう」

コルヴィアンが言う。

「なに!? あんなモンスターと戦うのか!」

ルスクは声を荒げた。

シールドベアは地面を砕き、少女を吹き飛ばす。

彼女は気を失った。

コルヴィアンは即座に空間魔法で彼女を守った。

「頼む、彼女を連れて逃げてくれ。俺が注意を引く」

コルヴィアンが言う。

「正気か!? 魔法が効かない相手だぞ!」

ルスクが叫ぶ。

コルヴィアンは俯いた。

「……選ばなきゃいけないんだ」

静かに言った。

ルスクは一瞬黙り込み、

コルヴィアンが熊の注意を引くのを見て、少女を抱えて走り出した。

シールドベアは次々と物を投げつけるが、

コルヴィアンは空間魔法で必死に防ぐ。

【どうやって倒す……?】

彼は後ろを振り返りながら考える。

目の前には深い崖。

汗が滲み、心臓が激しく鳴る。

「……倒すしかない」

空間魔法で攻撃するが、熊は止まらない。

その瞬間、

無数の黒い矢が熊の背に突き刺さり、巨体が倒れ伏した。

「間に合ってよかった」

教師が呟く。

コルヴィアンはその場に崩れ落ちた。

「ありがとうございます、キートン先生」

「まだ入学して一週間だ。無茶な判断はするな」

「……すみません」

「罰として、学食の料理長を一ヶ月手伝え」

「インク」

足元に魔法陣が現れ、光に包まれ、二人は学院へ戻った。

教室ではルスク、メラティ、そしてあの少女が待っていた。

キートン教師は職員室へ戻っていく。

「無事でよかった……怪我がなくて」

メラティが言う。

「熊の餌になったかと思ったぞ」

ルスクが大声で言う。

「なに!?」

「俺は勇敢なんだ! お前みたいな臆病者じゃない!」

コルヴィアンが言い返す。

二人は睨み合った。

「助けてくれて……ありがとう」

少女は顔を赤らめて言った。

「困っている人がいたからだ」

コルヴィアンは答える。

「あなたたちが邪魔しなければ、私一人で倒せたのに」

少女はそう言い残し、教室を出て行った。

【あの子……プライドが高い】

メラティは心の中で思った。

「変な奴だな」

ルスクが言う。

「何が言いたかったんだ……?」

コルヴィアンが首を傾げる。

「二人とも、食堂に行こう。ケーキがなくなる前に」

メラティが言った。

「今日はチョコレートケーキの日でしょ?」

「そうだ!」

「急がないと!」

コルヴィアンが声を上げる。

三人は、緊張の一日を終え、学院の食堂へ向かった。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

至らない点などがありましたら、ぜひコメントで教えてください。

皆さまの声を糧に、これからも精進していきます。

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