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9歳 貧乏脱出計画

翻訳の仕事は、順調だ。


仕事は定期的に来る。

主に、フランス語からドイツ語、英語からドイツ語だったりするときもある。

これは時々、辞書を引きながら訳す。年齢はいまだに明かしていない。

私名義の口座には、地道にお金がたまりだした。


小間物屋の稼ぎは、全て家に入れている。もう3年も働いているので、お留守番も頼まれたりする。


午前中は、翻訳の仕事がない時は、家のことを手伝ったり、、、、父は昔ながらの職人で、、、帳簿を付けていなかったので、帳簿を整え、、、、どこに無駄があるのかがわかってきた。


仕入れ、、、、昔気質の父は、良いものを作るのに一生懸命だ。評価も高い。では、なぜ、それなのに貧乏なのか?が、見えてきた。仕入れ。

生地、ボタンなどの小物、糸、、、ばらばらに買うと単価が高いことを、小間物屋で働いてきた私は学んだ。

そう、、、、ロットで買うと、3割がた安い。100個単位だったりするから、父のような個人でやっているところは、ばらばらで、、、ボタン5個、布地3メートル、とかで買うので、単価が上がるのだ。

卸をやっている方としては当然だ。半端な商品を在庫として抱えることになるから。


「うーーーん、、、、」


父の仕事では、、、、どうも、どこにも、本人の取り分、いわゆる手間賃が確保できていない。丁寧な仕事の分、、、時間のわりに、利益が上がらない。


せっかくギルドがあるので、よく使うものは共同購入したらどうか?と、父に提案する。集まりの時に話してみるらしい。


あとは、、、、これは、市場にあるよく行く古着屋で思いついたんだが、、、庶民は普通古着を買って、サイズを直して着る。ここだ。

だったら、最初っから、個人に合わせて型紙から起こすオーダーではなく、ある程度の見込みのサイズを作っておいて、それを直したらどうか?袖丈とか、ある程度ならウエスト周りとか、着丈とか、、、、

ある程度完成しているので、直しだけで納品できる。単価も少し安く設定できる。

もちろん、高貴な方には使えない手だが、、、、

あと、、極端に太っていたり、背がとても高かったり、、、、この場合には、元々の型紙を利用して、着丈、袖丈などを調整すればいいのでは?要は、作ってあるものに、体を合わせる、みたいな感じか?


凄くいい考えだと思うが、いきなり紳士服はリスクが高すぎる。生地代が高いから。

そこで、まず、母に、私用に夏のワンピースを作ってもらう。全く同じものを2着。

生地は、小間物屋のオヤジさんに、半端になったものを格安で売ってもらった。

なるべくシンプルに。ウエストはリボンで調整できるように。

襟元は一つ大きな飾りボタン。・・・これは、リボンでもいいし、変え襟でもいいな。


母は忙しい中でも、あっという間に完成させてくれた。さすが!


これを持って、仕事先の小間物屋のオヤジさんと交渉する。お店の前に、ハンガーにかけて飾ってくれないか、と。で、場所代は払うから、商品として売りたい、と。

「ええ、、、、古着じゃないんだろ?売れるかな?」

オヤジは渋ったが、まあ、物は試しなので、、、、新品としての値段を付けた。9歳くらい用、このお店の生地で作りました。と、可愛く説明文もつける。

生地代、手間賃、場所代、、、、売れれば元が取れる価格設定だ。

オーダーよりは安いが、古着よりはかなり高い。


もちろん、もう一着は私が着た。広告だ。








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