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6歳 まず、何から?

まず、、何からだろう?


父親が、私が16歳の時死んでいる。これをできれば避けたい。

父は腕のいい仕立て屋だ。母も祖母も手伝っているが、、その割に、収入が少ない。

私は、、そんな家族に遠慮して、学校も行かなかった。ここからかな。


「学校に行きたい」


病み上がりに、父にそう言うと、娘に甘い父はすぐに教会で無償で教えてくれている学校に頼みに行ってくれた。


幸いにして、、前回の記憶は残っている。


オオタが、、、まあ、人間としてはクズだが、、、割と親切にドイツ語の読み書き、フランス語、簡単な歴史・文化・社会情勢、計算、、、、あと、、、あいさつ程度の日本語、、、を教えてくれていた。新聞の記事を書くのに、自宅にこもることが多かった彼は、、、いろいろな新聞を持ち込んでいたから。

・・・かといって、6歳で学校にも通わず、いきなり読み書きができるのも変かと思って、、、


毎日、午前中は教会の学校に行く。

ささやかな図書室が楽しみだ。父親には、ギルドに行ったら、捨ててある新聞や雑誌を拾ってきてくれるように頼んである。


午後は、、、なにか6歳児でも働けるところがないか、と、探してみる。何日か市場をうろうろしていると、配達兼小間使いの貼り紙を見つけた。その貼り紙を引っ剥がして、募集先に行ってみる。


「おチビちゃんがかい?」


布地や小間物を扱う、この辺では大きめな店だ。

「エルンストのとこの子だろう?読み書きもできないチビちゃんに頼む仕事はないなあ」

店主は笑いながら門前払いしようとする。

「・・・読めます」

「ほお、、ちょっと教会に通ったくらいで?どれどれ、、じゃあ、これを読んでご覧。そしたら雇ってやるよ。」

ニヤニヤ笑いながら、店主が差し出したのは、、、とんだゴシップ記事。まあ、、小ばかにしているってことだね。


「・・・ヘンリー侯爵の恋愛事情。ヘンリーはなんと下町の踊り子と熱愛中。屋敷にも帰らずに、踊り子との情事におぼれているらしい。奥様はかんかんだが、若くて情熱的な踊り子は、彼をくわえ込んで離さない、、二人は毎日のように、、、」


「・・・わかった、、、すまなかった、、、」

「・・・・・雇っていただけるので?」

「・・・ああ、仕方ない、、、明日からおいで。何て名前だった?」


「エリスです。エリス・ワイゲルト」


よし!仕事を手に入れた!!


家に帰って、手伝いをしたり、暇があれば父が拾ってきてくれた新聞を読む。

楽しい記事があると、針仕事をしているおばあちゃんに読んで聞かせて上げたりする。この頃は、、、母も祖母も、、まだ穏やかだ。貧乏には違いはないが。


毎日、午後には仕事に行く。


掃除したり、商品を並べたり、配達したり、、、

配達先もいろいろある。近所の仕立て屋だったり、一人暮らしの老婦人だったり、、

けっこうみんなかわいがってくれて、飴とかもらったりする。

毎日通っているうちに、市場の八百屋さんから痛みかけた野菜を貰ったり、肉屋さんから切れ端を貰ったり、、、けっこう家の食糧事情も改善した。まあ、、、基本的な改善ではないが。

店で働いて、小遣い程度だが収入も増えた。



こうしているうちに店番も任されるようになった。

簡単な計算は出来たので。お会計も間違わなかった。




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