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覚醒

ひんやりとした打ちっぱなしの床、、、自分の叫び声で、目が覚める。


「何?」


ドアにつけられたのぞき窓には鉄格子。固定された小さなベットと便器。


足元を生ぬるい感覚が滑り落ちていく。血だまりだ。


「なんなの?」


叫び声は、、自分で上げたようだ。

白衣のお医者さんが走ってきて、注射をされる。


「ああ、、だめだね、、」


なんなの?返して、、トヨタロウ!トヨタロウ!!

なぜ?なぜなの?




*****

目が覚めると、汗びっしょりだった。怖い夢を見た。意味はよく分からないが、、、

あの人は誰だったんだろう?

不思議と、、、床の冷たさと、自分の股の間から流れおりるなまぬるさが、、、知っていることのような気がする。

母親が心配そうに見下ろしている、、、、


「大丈夫?怖い夢でも見たのかい?熱があるからね、、、」


思わず母親にしがみつく。その手は思ったより、、小さい。


熱が上がったらしく、、また眠りにつく、、、その間、、走馬灯のように、、、私は前回の人生を見てしまった。


最低だった。

舞台で踊って、生計の足しにしていた。もう、身売りをするしかないほどの、、、

父が死んでも、葬式が出せないほどの貧乏。教会の前で泣き崩れていた私に、手を差し伸べてくれたのは、、、オオタ。日本人の留学生だった。


一緒に住むようになり、愛し合い、、子供が出来たと告げると、、、

オオタは日本に帰ってしまった。私を、、、私とお腹の子を置いて、、、

先に見ていたのは、その私の最後の有様のようだ。


精神病院にいれられ、、子供もろとも亡くなったらしいな、、、、前回の自分のために、泣いた。


今、、、私は6歳。


オオタに会った16歳まで、あと10年もある。

あんな貧乏も、恋人を捨てる男もこりごりだ。生き抜いてやろう!と、小さな手を握りしめて誓った。

そして、、前回の自分の、なぜ?に答えを見つけたい。






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