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転生先の世界は剣と魔法とTCG  作者: ポンコツ決闘者
2/2

01話 後 転生先は剣と魔法とTCG


「だから、勝負しないって言ってるでしょ

 それに、私と戦っても取れるポイントなんかたかが知れてるわよ」

「そんなの知ってるぜ。ポイントが払えねーなら、その体で払ってもらうしかねぇーな!」


路地に入ると何やら危なそうな会話をしている

なんだよ、たかがフリー対戦で体?

どゆこと?


ただ、雰囲気だけは、何やら危なだ。

さっきの大通りの人の反応もあるし、本格的にやばいのかな?


対戦の原因を作ったのは僕らしいし

どうするか?


「道端で、カード実体化するって事は?

『対戦募集』ってことだろーがよ?

俺が受けてやるぜ」

「違うわよ。私は迷子の男の子に説明してただけよ」

「ワタル。」

「え?」

「あ?」

「僕の名前。あと、そっちのおじさんには言ってないから」


まぁ、見た目は20代だけどね


「あ?おめぇがやるのか?」

「いいよ。僕が相手だ」

「ちょっと君。えっと、ワタル君?そんなの無茶よ。

相手は大人で仕方シルバーランクよ」

「ちっ、よく見てんな」


シルバーランク?

男は自分の右手にある銀色の腕輪を見せつけてくる

なるほど、あの腕輪が銀だからシルバーランクなのかな?強さって事でいいのかな?


「さて、じゃぁ、軽く捻り潰しますか」

「あぁ?やれるもんならやってみろよ。

 《マジックコード:決闘 フィールド展開》」


男が叫ぶと目の前に光るテーブルが出現する

へぇ、流石異世界


「おいおい、お前もフィールド出せよ」

「ふむ。いや、初めてなので。えっと《マジックコード:決闘 フィールド展開》でいいんだっけ?

おお、出た。」


真似して言ってみると僕の前に、男と向かい合うように光るテーブルが出現する

転生者でも問題ないのな。


「《マジックコード:カード実体化 マイデッキ》」


男がデッキケースを取り出してそう叫ぶと

猫耳少女と同じようにデッキケースが光だし

その光が収まると、中にはデッキが入っていた。


「お前もデッキを出せよ」


出せよって言われてもな

同じようにやればいけるかな?


「自分の使いたいデッキを思い浮かべて呪文を唱えれば

 思い浮かべたデッキが出るわ

 もちろん、持ってるカードじゃないとダメだけどね」

「ありがと……ネコミミさん?」


そう言えば、まだ名前を聞いてなかったな

流石にネコミミさんは失礼だったかな?


「セラよ。、わたしの名前。」

「ありがとうセラ」


ふむ。セラというのか

さて、デッキを思い浮かべてか……


思い出せる?

当たり前だ。僕の考えた最強デッキだ。

何十時間と考えて作り上げた最高の構築。

イメージしろ、僕の、俺の最強デッキを!


「《マジックコード:カード実体化 マイデッキ》」


その瞬間。僕の持つデッキケースが光り輝き

その光が収まるとそこには慣れ親しんだ

けれども10年ぶりのカードが入っていた。




====================


その瞬間。

ワタルの実家。

ワタルの部屋押入れが光だし、

その中に眠る大切に保管されていたカードが消えた。



=====================



「さぁ、決闘の開始だ」


お互いがデッキを光るテーブルに置くと

デッキが宙に浮き、勝手にシャッフルされる


え?普通にすごくね?


そして目の前に必要情報が表示されたUIが可視化される

どうやら先行はあの男らしい


そしてUIには名前も表示される

あの不良トムって言うのか

やられ役かな?

まぁ、やられ役なんだけどね


「ドロー! マナをチャージ」


――――――

プレイヤー:トム

LP:4000

マナ:1

先行

――――――



このMMCは初期手札5枚から開始され

毎ターン、ターンの初めにドローする

先行1ターン目のみ1枚。 それ以降は2枚だ。


ドローした後は手札からカードを1枚マナゾーンにおける


MMCではこのマナを使用し

魔法カードやモンスターカードを使い相手のLPライフポイントを減らして勝つゲームだ。


どうやら不良トムは火のカードをマナに置いた。

ここからでは、何を置いたかまでは見れないな


「何をチャージしましたか?」

「あ?言うわけねーだろ」


あ、そうですか

それっていいの?

と、思いサラをみると


何聞いてるの?


見たいな顔をしている

あ、この世界では公開情報じゃないのね


「1マナ使い、俺は《速攻の剣士 アイゼン》を召喚

 先行は攻撃できからターンエンドだ。」


《速攻の剣士 アイゼン》

ランク1

攻撃1000


ランクと言うのは使うのに必要なマナを示している

高ければ高い程、カード自体は強いが、

その分使えるターンは後半になる


トムの斜め前にカードに書かれた剣士が現れる

すご、アニメとかであるホログラム映像ってやつか?

剣士の顔がトムに見えなくもない

気のせいかな?


「ドロー マナをチャージ」


カードを引いて1枚マナに置く

慣れ親しんだ動作。これをやるのも10年ぶりから


「今マナに置いた他マナを使い 魔法(マジック)カードを発動 《台地の恵み》を使用」


カードを使うにはマナをタップ(横にして使用した事を相手にわかるようにする)し、なおかつ使用する属性と同じ属性のカードを1枚以上含む必要がある


「《台地の恵み》は山札の一番上のカードを1枚マナにタップしておく。さらにそれが地属性ならアンタップ(再使用可能)にする。…よし」


ふぅ、運が良かった。

ここで地属性以外のカードがめくれるとカードを使えなくなってしまう。


使用した魔法(マジック)カードは墓地に置く。

逆にモンスターはモンスター同士の戦闘や魔法カードの効果以外では場に残り続ける


「カードを2枚伏せてターンエンド」


魔法カードには3種存在する

今使った使い捨ての通常魔法カード

相手ターンにも使用可能な罠魔法(カウンターマジック)カード

そして発動後を場に残り続ける永続魔法(フィールドマジック)カードだ。


魔法カードは盤面に裏向きにして置くことができる

置くだけではマナも召喚しないが、効果も発動しない。


主な使用目的は罠魔法とブラフだ。


「なんだよ、モンスターの召喚は無しか?

 余裕こいてんじゃねーぞ。ドロー、チャージ」


お、やられ役のセリフキター


「2マナを使い、ランク2 《熟練の剣士ブレイダー》を召喚

 いくぜ。まず熟練の剣士でお前に直接攻撃だ!」



《熟練剣士ブレイダー》

ランク2

攻撃力:1500

攻撃後、自分の剣士モンスターの攻撃力を+500する



トムの前に顔に傷があるゴツそうな剣士が現れた僕に切り掛かってくる。


えっ、ちょっ、怖いんだけど

大丈夫だよね?ホログラムだよね


女の子(セラ)の前もありここでビビった声はだせなき

なんとか恐怖に耐えようとくちびる噛む


振り下ろされる剣が目の前に迫り、切り裂かれる瞬間。

視界の端に表示されていたUIが大きくなり光るシールドになり剣を受け止める


いやービビったー


―――――

プレイヤー:ワタル

LP:4000→2500

マナ2

―――――



「僕が攻撃を受けた事で罠魔法(カウンターマジック)発動

 《哀れみの恵み》 僕は500ポイントLAを回復して山札から1枚マナにおける」



女神のような女性が出現し

ゴミを見るような目でこちらを見ながら手から光の玉をだし差し出してきた。


ふわふわとその光の玉が浮遊して僕のテーブルに落ちてきて、テーブルにあたる弾け、ライフが回復し、勝手にデッキの上から1枚、マナゾーンに移動した。


――――

プレイヤー:ワタル

LP:2500→3000

マナ2→3

――――



「また、マナ加速かよ。俺は《熟練の剣士》の効果で《速攻の剣士》の攻撃力を500アップさせられるぜ。

 いけ、そのまま攻撃だ!」

「くっ」


――――

プレイヤー:ワタル

LP:3000→1500

マナ3

――――


ダメージが無いと分かっていても目の前で剣を振り下ろされるのは怖いね。


「これってLPがなくなったらどうなるの?」


セラ聞いてみる

今はUIがシールドになって守ってくれるけど

LPが0なったら直接受けるって事だよね?


「そのまま攻撃されるわよ

 でも大丈夫。痛みはあるけど実際にダメージを負ったりはしないわ」

「え?痛いの?」

「そりゃそうでしょ。魔力で作ったモンスターに攻撃されてるからね。ワタル君って、ほんとに何にもしらないのね」

「そうですか。まぁ、その話は置いておいて…

 ドロー、チャージ!」




――――

プレイヤー:ワタル

LP:1500

マナ4

――――


――――

プレイヤー:トム

LP:4000

マナ:2

――――



LPの差では僕が圧倒的に不利。

しかしこのターン。僕は4マナまで自由に使う事ができる。

MMCではいかに少ないマナを貯める事で、ランクの弱いカードを複数枚使用出来たり、より強力な高ランクカードを使用できる。

おそらく相手のデッキは速攻デッキ。

そして僕のデッキはマナブーストからの高ランクカードによる制圧デッキ。


そしてもう一つ。

僕が感じた違和感があった。

それはカードプールだ。今相手の不良が使っているカードは今から20年前、最初期に発売されたカード達だ。


それに対し僕のデッキは10年前のカードを中心としたデッキ

つまり10年の差によるカードパワーが圧倒的に違う


少なくても僕のやっていた時に速攻デッキと言えば安定して2ターンキルをしてくる。


「おいおい、手詰まりか?俺の連続攻撃にビビっちまったか?」

「いや、どのカードを出すかなんでしまって…。決めました。僕はこれを使います。」


今の発言から別に引きが悪いわけではなさそうだ。


「4マナ使用。行きます。ランク4 《次元龍 ジ エンドドラゴン》!」


何もない空間が裂ける

小さな次元の裂け目は徐々に大きくなり、やがて10メートル近くで止まり、そこから巨大な黒竜が現れる


すげー。カッケー。、


全長20メートル。その細長い蛇のような体をクネクネとうねらせながら僕の周囲にとぐろをまく。


「なっ!? ランク4だと…

 ランク3までしかし無いんじゃ無いのかよ」


あ、やっぱりランク4のカードしらないのか?


「行きます! 《次元龍》には3つの特殊能力を持っている。一つ目の能力は、攻撃時、相手のモンスター全てに攻撃可能。《速攻の剣士》と《熟練の剣士》に攻撃!」


黒竜が目を光らせる。

その光見た剣士2人は硬直する。

次の瞬間、剣士の足元に次元の裂け目が出現。慌てた2人は横に逃げようとするが黒竜の尻尾が叩きつけられ、なすすべなく次元の裂け目に消えていく。


「二つ目の能力は、バトルを行ったモンスターを別次元に追いやる。そして別次元に送ったモンスターの攻撃力分相手に直接ダメージを与える」


黒竜は不良を消し灰にしようと、漆黒のブレスをはく


「ぐぁぁぁああ」


――――

プレイヤー:トム

LP:4000→1000

マナ:2

――――


「僕は1枚カードを伏せてターン終了」

「お前何者だ。ランク4なんて初めて見たぞ。

 ドロー、チャージ。ふっ」


カードを引いて不良が笑みを浮かべる


「確かに俺は不利だ。しかしランク4も所詮モンスターだろ?ならばこいつを食らえ!《フレイムランス》!」



《フレイムランス》

ランク3

魔法カード

相手のモンスターを焼き殺す


巨大な炎の槍が出現し、次元龍を突き刺す

全身が炎に飲まれ煙に飲まれながら爆発する

計画通りだ


「ふっ」

「何がおかしい?」


「次元龍の三つ目の効果発動」

「なに?」

「次元龍は戦闘以外で破壊された時、次元に飲み込んだモンスターを僕の場に召喚できる」


爆発の煙の中から《速攻の剣士》と《熟練の剣士》が姿を表す。


「ドロー。チャージ。

 2枚目の《次元龍 ジ・エンドドラゴン》を召喚。」

「なっ!? 2枚目だと?」


《次元龍 ジ・エンドドラゴン》

ランク4

攻撃力:3000

効果①:このモンスターは相手のすべてのモンスターに同時攻撃できる

効果②:相手のモンスターと戦闘を行う時、戦闘を行う前に相手モンスターをこのモンスターの下に置く。その後、このカードの下にあるモンスターの攻撃力の合計分、相手にダメージを与える

効果③:このモンスターが戦闘以外で破壊された時、このカードの下のカードを召喚する(コントロールを得る)



「《次元龍》で直接攻撃!」

「まっ!?」


何が不良が言いかたが、そんな事は気にせず黒竜がブレスをはく。


「ぐぁぁぁああ。ぁぁぁあ、あつぃぃぃぃいいい」


うわ、痛そう。

あ、あれ、やってみたかったんだよな


「《速攻の剣士》でさらにちょく」

「やめてワタル。トムのLPはもうゼロよ」


おぉ。ナイスツッコミ


って、やつ。




====================



「な、なんだこの反応」


王城地下。

そこでは魔力感知を使い王都での決闘の様子をモニタリングしていた。ある地区をモニタリングしている研究員のような格好をした男が声を荒げたのだ。


「どうした?」

「そ、それが…」


たまたま近くにいたこの場所の責任者が声を上げた男に質問する。

質問に答えるより早く、モニターに写し出された内容に驚愕する。そこには決闘の最中。その決闘で使用されたカードが映し出されていたのだ。


「ら、ランク4だと…」

「な?!」

「そ、そんな事…」

「嘘だろ…」


責任者の動揺する様子に他の研究員の格好をした者も自分の席を立ち、モニターを確認する

そして、表示内容に誰もが驚く


「お、王に報告せねば。決闘を行った者達のモニタリングを続けろ。いや、モニタリングだけではダメだ。直接確保に迎え。いいか、まだ接触はするな。あくまで王の指示を確認してからだ。絶対に現場判断で動くなよ」


「「はい!」」


責任者はそう言い残すとその場所から離れる。


「果たして敵となるか、味方となるか」


そう誰にも聞こえない声で呟いた。







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