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転生先の世界は剣と魔法とTCG  作者: ポンコツ決闘者
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01話 前 転生先は剣と魔法とTCG

オリジナルTCGです

ルールガバガバ



『決まった〜。第12回、マジック・モンスター・カード

全日本優勝者は竜馬選手。準優勝はワタル選手です。』


会場から歓声が沸き立つ


く、くそ。

この日の為に最強のデッキを作り上げてきた。

決勝戦までは順調に勝ち進み最後の決勝戦。

俺は完膚なきまでに負けてしまった。


悔しい。

最後の最後で高コストカードを大量に引いてしまいなにもできなかった。

つまり、手札事故を起こしてしまったのだ。


「対戦ありがとうございました」


目の前の青年は清々しくそういった。


「なんでだよ…」



==================



「ねぇ、起きて、話あるだけど」

「ん?あ、あぁ」


肩をゆすられ目を覚ます

仕事の休憩中、自分のデスクで仮眠をしてたのに起こされてしまったようだ。

起こされたこのに若干苛立ちながら起こした相手を見る


「って、うぉ!」

「なによ、うぉって」


目の前にいた人物に驚き奇声を上げてしまった。

そこにいたのは、会社の先輩、長瀬香織。

容姿端麗、仕事を完璧。そのうえ誰にでも優しく接してくれる会社のマドンナ的な存在だ。

そんな会社のマドンナこと長瀬先輩がなぜ僕なんかに?


「まぁ、いいわ。休憩時間も残り少ないし単刀直入に聞くわ。MMCって知ってる?

カードゲームらしいんだけど…」


え?

なぜ長瀬先輩からその単語が出てくるんだ?

マジック・モンスター・カード。通称MMC

それは、今現在、全世界で大ブームが起きているトレーニングカードゲームだ。

20年前に発売が開始され、今でも根強い人気があり

今ややってはいなくてもその存在は誰でも知っているほどのカードゲームだ。その人気からオリンピックのeスポーツ部門で採用も検討されているほどだ。


「え、えぇ。知っていますよ。」



そしてそれは学生時代にやっていたカードゲーム。

青春を全て注ぎ込み全国大会に出場。

そして決勝戦の試合を最後に引退したカードゲーム


「そう。ならよかったわ。

今晩空いてる?ココ、19時に予約してあるから来てね」

「ちょっ。え?」


そう言って長瀬先輩は居酒屋の地図の書いた紙を渡してきた。

ん?え?

長瀬先輩が僕と食事?


「詳しくはココで…」


僕が聞き返す前に彼女は自分のデスクに行ってしまった。


「どゆこと?」







======================


「焼き鳥セットと胡瓜の漬物。それに麦茶。

 佐々木君は?」

「あ、ジンジャエールで」

「かしこまりました。」


あ、別にお酒を飲むわけではないのね


結局、あの後理由が気になり仕事に手が付かず

思ったよりも仕事が進まなかった。これは明日以降やばいかもな



「えっと、私は詳しい事はわからないので、単刀直入に聞くけど、佐々木君は、そのMMCってゲームをやってたの?」

「はい、やってました」


おお、いきなりだな



「そっか、じゃコレを見て」


そう言って長瀬先輩は自分の携帯を僕が見えるように反対にしてテーブルに置いた。

そこには緑のSNSのトーク画面が映っており…



『香織姉さん

ちょっと頼まれてほしい。

家にアル物を送ったから、添付の人に渡して欲しい。

多分、渡してもよくわからないだろうけど、

何とか受け取って貰えるようによろしく頼む』



「ん?だれですか?」


僕の知ってる人?


「あぁ弟よ。長瀬竜馬。

学校を卒業してから家族にも連絡付かないで呆れていたのよ

それで10年ぶりに連絡来たと思ったら

コレが送られてきた物よ。で、郵送されて来たのがコレ」


そう言って長瀬先輩は自分のバックさら黒い箱を取り出した。大きさはそう、デッキケースのような

周りは皮で出来ていて、高級感ある


「コレは?」

「さぁ?佐々木君はならわかるんじゃない?

 私にはわからないわ。でも、1枚だけカードが入ってたの

 それで思い出したの、そう言えば弟は学生時代にカードゲームをやっていたなって。

それで調べたらMMCってカードのカードだった。それもすごくレアリティの高いらしいわ」

「見ても良いですか?」

「えぇ、もちろん」


僕はテーブルに置かれたデッキケースを手に取り中を開ける

そこには透明のスリーブに入った1枚のカードが入っていた。


「こ、これは…」


そこに入っていたのは全国大会優勝者の景品カード

世界に1枚しかない。超レアカード


「知っているのね?」

「はい」


そのカードは、僕が追い求め

そして今手に入れる事のできなかったカードだった。


「このカードは世界に1枚しか無いカード。

10年前の日本一決定戦の優勝カードです

でも、どうして……あ」


思い出した。

10年前の記憶で忘れていた。

決勝戦、僕の対戦相手の名前


「……」

「やっぱり、そのカードな優勝商品だったんだ。

 でもどうしてそれを何の関係もない佐々木君に?」

「想像だけど…それに理由になってないけど、このカードの決勝戦の対戦相手は僕です」

「佐々木君だったんだ。確か…」

「それ以上言わないでください。僕自身まだ学生でイキッていたんです」


そう、あの決勝戦のあと、僕は自分のクソ引きに苛立ち

それを態度に出してしまったのだ。

名誉ある決勝の場で…


「まぁ、そう。」

「すみません。でも、それでなぜ僕にこのデッキケースとカードを? その理由がわからないですね」

「関係があるとすれば、10年前の決勝戦しか考えられないわよね」




結局そのあとは、2人であーでもない、こーでもんないと、はなしたり

学生時代の思い出の話をしたりとたわいのない話をした。



=====================



「それじゃ、私こっちだら」

「あ、はい。お疲れ様です」


居酒屋を出て駅へ向かう途中の交差点で信号を待っていると

長瀬先輩が駅とは反対方向を指差しながら言う


「明日も仕事なんだから早く寝るのよ」

「わかってますよ。」


そう言う長瀬先輩はいつもより輝いて見えた

まるで後ろから照らされているようで…


ん?


照らされて?

光が近づいてくる?


「危なッ」

「え?」


とっさに長瀬先輩を抱き寄せて、そのまま歩道側に突き飛ばす。その反動で僕は車道に飛び出しそうになり、踏みとどまろうと踏ん張る


一瞬がスローモーションのように引き伸ばされているのを感じながら、目の前に突っ込んでくるトラックの運転席が微かにみえる


眠ってんじゃねぇーよ


「佐キィ」


あぁ、最後に長瀬先輩の声が聞けてよかっ








==================




気がつくと、僕は立っていた。

雨上がりのような空気、若干空に雲が見えるが、青空が綺麗だ。

どこかの街の王通り。


その街の風景はいつしかテレビで見たことあるような中世ヨーロッパのような街並み。


足下は石畳。


そこをガタガタ音を立てながら、

リザードが代車を引っ張っている


大通の左右にはこれもいつしかテレビで見たことながあるような露店が並ぶ

そしてそれを売り買いする住人


服装はこれまた中世のような服だが着ているのは人間だけではない。頭に猫耳がついてる者や、尻尾が生えている者もいる


「えっと……」


これはあれですね

よくあるあれですね


叫んどくか


「なんじゃコリャーーー!!!」






「どうしました?」

「えっ?」




街を行き交う人が、何事かと僕の方を見る中

後ろから声をかけれた。

ゆっくりと振り向くとそこには同じ目線の12歳くらいの

小柄な女の子が立っていた。


修道着に身を包み、肩まである白髪。

まだ幼さの残る顔は、かわいい半分、綺麗半分。

間違いなく言えるのは成長したら美人になるなってこと。

そしてその頭には猫耳。


ん?同じ目線?

違和感を感じ自分の手を見る


「小さい…」


え?


周りはをキョロキョロみて道端にあった水たまりを覗き込む

おぉ


そこには真っ黒な短髪

くるりとしたおっきな目

顔立ちの整った顔

身長は12歳くらい

ザ・イケメンボーイ

あ、ちょっと言いすぎたかも。

チョッとイケメンボーイ

うん。これくらいかな?


そこには中学入り立てだった頃の自分が水たまりを覗き込んでいた。



はーい。

叫びますよー。

それではお腹に力をいれてー




「なんじゃコリャーーーーーー!!!」

「どうしたの!」


白髪の女の子がこちらへかけてくる。

あー。やっぱ可愛いけど、チョッと幼すぎるかな


「えっと、ココはどこ? 私はだれ?」


女の子に問いかける

まず異世界転生したのは間違いない

てか、それ以外わからない


「えっと、ココはアルクライム王国 首都アルク

あなたが誰だかはわからないわよ

初めて会ったのだもん

でも、あなたの腰にデッキケースを付けてるってことは

決闘大会に出るのよね?」

「決闘大会?」


ん?いやいやその前にデッキケース?

え?異世界なのに、カードゲームがあるのか?


「知らないの?明日は1年に1回、王通りで開かれる決闘大会。そこで優勝することが出来れば、名誉貴族とか騎士になれるのよ。」

「そうなの?」


この世界はカードゲームで勝つと貴族になれるのか?

どう言うことだ?


僕は腰を触ると確かにそこにはデッキケースがあった。

そしてそれは長瀬先輩から渡されたデッキケースでもあった。

中を開けると


「空っぽ?」


中には何も入ってなかった。

どうやら転生されて来たのは箱だけのようだ。

あの優勝カードはないのか


「何言ってるの?当たり前じゃない

カード実体化魔法を使わないと」


そう言って白髪の女の子は肩にかけた鞄から

真っ白なデッキケースを取り出して呪文を唱える


「《マジックコード:カード実体化 マイデッキ1》」


女の子の手にもつデッキケースの中から輝き

その光が収まると、見慣れたカードが入っていた。


「MMC…」

「あら、知ってるんじゃない。そうよ。」

「へぇ、君もMMCやるのか」

「何言ってるの。当たり前じゃない。このネクスト大陸にMMCをやらない人なんていないわよ」


ん?

ネクスト大陸。また、新しい単語が出たな。

ネクスト大陸にアルクライム王国、そして首都のアルクか


「お?そこのお嬢ちゃん。カードやるんかい?

なら俺と決闘しよーぜ」


と、いきなりガラの悪そうな奴が話しかけてきた。

黒いジャージのような服に、黒いパーカーのようなものを羽織った全身黒尽くめだ。

おい、異世界仕事しろよ


「やるわけないでしょ。大人と子供の決闘は原則禁止でしょ?」

「あ?こまけー、ことは良いんだよ。」


大人と対戦するのはダメなのか?

なぜ?


「やりません」

「うるせーな、おらこいよ」


そう言って黒尽くめの不良は女の子の首根っこを捕まえ

路地裏まで連れて行く。

そしてそれを周りの大通の大人は助けない?

むしろ怯えているように見える


どゆこと?


ここにいても仕方ないので僕も路地裏にかけて行く





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