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好きなものを書こう〜読書感想文のすすめ

作者: クマもっと

 大人になってから読書感想文を書く機会がほとんどなくなりました。子供の頃は毎年書いていたのに。どうして読書感想文を書くのでしょう。小説家が文庫本に批評を書くのはどうしてだろう。そんな事を思いながら思いを書き綴りました。宜しければお読みください。

 小学校の時毎年夏休みに宿題が出されていましたよね。その中で読書感想文がありました。子供ながらに何故読書感想文を書かなければいけないのかと思ったものです。本を読み感動した言葉の意味を考える。登場人物と自分を照らし合わせてみる。全体の流れを要約し自分なりの表現で書く。その様な過程を得てようやく読書感想文が出来上がりました。文章を紐解き記述する力が身についた気がします。だからこそ思います。小説を書く上で読書感想文は有用性が高いと。



 文庫本の小説はあらすじ、前書き、本文、後書き、批評で構成されていますが、面白い小説とはどの様なものなのでしょうか。先日随分昔から利用していたなろう読者様とお話しする機会があったのですが、「前書き、あらすじがおもしろい作品っていいよね」そうおっしゃってました。思えば高校時代本屋で小説を買う時あらすじで面白そうか判断していたことがあります。あらすじとは読者に一番最初に伝わる言葉であり言わば広告である。そう思います。

  

 

 僕の考えるあらすじの書き方は物語の大まかな流れ、作者が伝えたいテーマを抽象的に伝えるか、はっきり伝えるかです。僕は物語を想像させる為に含みをもたせる方が面白い気がします。どんな登場人物がいるのか、どの様な時代背景、物語なのか。作者はどんな事を伝えたいんだろう。タイトルとあらすじをみてワクワクする。本屋で一番好きな過程です。ではあらすじを書く練習はどうすればいいでしょうか。答えは簡単です。読書感想文、あるいはレビューというものです。



 何故僕が読書感想文を勧めるのか。それは、面白い文章を書く事ができる作家は読書感想文を書くのが上手いからです。最近まで僕は文庫本の批評というものを読もうとしませんでした。自分が本を読んで思った感想に他人の意見を入り込ませたくなかったからです。自分の気持ちを大事にしたかった。それにつきます。しかし、ふと小説の批評を見ると自分の好きな作家さんが書いている時があります。その人の批評を見ると面白かった。当たり前のことかもしれませんが感動しました。思えば出版社さんがお金を払って作家さんに批評を依頼しているわけです。経験の豊富な作家さんが精読し面白いと思ったこと、自分自身の体験談を踏まえて思いを綴るのです。面白くないわけがありません。ですから読書感想文をお勧めするのです。



 さて、では読書感想文で鍛えられる力とは何でしょうか?大まかに考えて文章を記述する力、面白いものをみつける力、要約する力だと思います。これらは批評を書く時もそうですがあらすじにも必要な力だと思います。

 

 では読書感想文を書く前に読書とはなんでしょうか。本を読むことは自分との対峙だと思います。読んだ時の感想は紛れもないあなたの主観であり大事にしなければなりません。なぜならあなたはかけがえのないたった一人の人間だから。作者もまたたった一人です。どんな人生を送ってきたか。人間を観察し、小説をたくさん読み。伝えたい思いを厳選して言葉を紡ぎ小説が出来上がります。本だって読者だって一様ではない。だからこそ読書感想文は読むのも書くのも面白いのです。



 読書感想文で気をつけるべきことは冒頭でも述べました様に


 ・本を読み感動した言葉、印象に残った言葉の意味を考える。 (言葉の吟味)

 ・登場人物と自分を照らし合わせてみる。(周りに似た様な人間がいないかな?)

 ・全体の流れを要約し自分なりの表現で書く。


 この3点ではないでしょうか。言葉の吟味、何万もの言葉がある中で何故この表現を使ったのか、どうしてその言葉が印象に残ったのか考えると面白いものです。例えば僕が最近印象に残った言葉ですが、トッカンのある一文です。税務官であるトッカンの女主人公ですが倹約家で、お金を切り詰める為にペットボトルの飲み物を買わず冷水機で喉を潤します。癒しを求めて高級デパ地下のスイーツを楽しみにしている女性です。そんな主人公ですが、


 わたしは、手のひらで男らしく口元をぬぐった。(高殿円:トッカン 微収ロワイヤル p11より抜粋)


 と綴られております。女性らしい内面を持ち合わせている主人公の動作を何故男らしくと表現したのでしょうか。主人公は税務官です。税務官とは皆さんどの様なイメージでしょうか。僕は誠実な人、決然としている人を思い浮かべます。税務官は脱税している人、生活が困窮している人と日々向き合わなければなりません。クレームや切実な訴えを日々聞くでしょう。プレッシャーだって凄いはずですがお金を国を運営していく為に税金を徴収しなければなりません。...男らしく、すごくいい表現です。言葉の意図を考えるのは大変楽しいことだと思いませんか?



 自分と登場人物と照らし合わせてみるについてですが、読書感想文を書く時自分の実体験を踏まえて書くと良いでしょう。一人一人生きてきた経験は違います。どんな人達と関わってきたか、嗜好、仕事、学校生活、全部違うのです。何故、自分がその小説を思って感動したのか。自分の面白いと思う事を再認識できます。また、昔読んだ小説を再読してみてもいいでしょう。何故なら昔の自分とあなたは違う人間だから。当時自分の自分を振り返ることで思考に深みが増します。



 全体の流れを要約し自分なりの表現で書く。自分の面白いと思った所をピックアップしながら登場人物や背景描写を記述しましょう。この時、自分の書いた文章を再読し自分の癖を見つけましょう。いつも同じ言葉を使っていないかな。別の表現の方が相応しいのではないか。修正を繰り返す事でよりよい文章を書く事ができると思います。


 ざっとこんな感じでしょうか。偉そうな事を申しましたが。僕は小説を書いた事がありません。エッセイ、読書感想文を書く事で小説を書く準備をしている段階です。恥ずかしながらまだ小説の書き方の本は購入しましたが積読になっておりまして読めずじまいです。そう素人の感想なのです。自分の考えが正しいのかそれを問う形で駄文を書き連ねました。僕と同じ思いに共感できた方は読書感想文、是非書いてみませんか。発表の場はいろいろあります。小説家になろう内でもいいですし、後は僕がお勧めするのは読書メーターです。好きな本の感想を書く事が出来ます。(文字数制限はありますが...)自分の好きな小説の読書感想文もみつけやすいです。



 最後になりますが、このような駄文を読んでくださり深く感謝いたします。


 


 

 

 

 

 あくまで素人の考えですので戯れ言とお考えください。ご感想いただければ大変喜びます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 小学生の頃から、読書感想文は夏休みの宿題の中でもとびきりボーナスステージでしたよー。 (ただし、毎日継続するタイプの課題がダメで、日記系は途中から白紙でしたが) 文庫本で本編のあとにある…
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