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No45 希少価値な存在


「…キミがメスなら、右に行かされ延々と卵を産まされる。オスなら、そうでないもっとひどいところへ。どちらも何一ついいところがない地獄だよ…キミの選択肢はそれしかない…では性別判定をしよう」

「私の身体は私だけの物。オスメス左右も無関係。ただ踊るだけ、跳ぶだけ回るだけ」

「えっ、しゃべった? ヒヨコのくせに」

 私は驚く鑑定士を越えて羽ばたいた。やがて部屋いっぱいに大きくなり、飛び回る。羽が散乱するごとに嘴と翼が大きくなった。窓を突き破って広い空と海辺に出る。私は十億に一羽だけ出現するひよこプリマだった。私は踊りながら世界中を回る。希少価値の私を見ると強運になるらしく、逆に観客が付いて回るようになった。ハメルンの笛吹のように。

 私はひよこ判別士の前にいた不遇な時代が忘れられぬ。だから人間には踊りを見せても幸せは与えない。幸せが欲しければ自ら踊ればよかろう。私のように自ら不幸枠をはずすがよい。



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