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No19 息子のフェッテ

 


 息子は朝夕、玄関でフェッテの練習をする。家が狭いのでそこでしか踊れない。


 くるくる くるくる


 猛練習をする彼の靴下はすぐに破れる、私は彼のために何足もの靴下の穴を繕う。


 くるくる くるくる


 廊下の壁にぶつかると怪我するので慎重に回る。それで軸をまっすぐにすることを覚えた。


 くるくる くるくる


 バレコンで受賞し、バレエ留学をした。靴下の穴は自分で繕っているかしら。


 くるくる くるくる


 彼はバレエ団員になった。誰もいない玄関ではなく満席の観客の前で踊っている。美しいライトと喝采を浴びて。ところがある日、フェッテをすると身体が溶けそうになるという。魔術師に呪いをかけられたらしい。私は封印を破り貯めておいた息子のフェッテパワーを開放し日本から魔術返しをした。その魔術師はオイルになって溶けたらしい。

「母さんありがとう」

「まだフェッテパワーの貯金も利息もある。安心して踊りなさい」



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