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No12 はじめてのバレエレッスン

 

 ピピちゃんは、はじめてバレエレッスンを受けました。

 先生はピピちゃんを鏡の前に立たせま。足や背中をまっすぐに伸ばしました。首をたてにして、頭も伸ばしました。それからピピちゃんの足元に座り、鏡越しに微笑んで言います。

「うん、こうすれば十五センチほど身長が伸びますね。このまま、つま先立ちができる?」

 やってみると、先生の微笑みが大きくなりました。

「身長がさらに三十センチは伸びました。これは舞台で目立ちますね。さて、あなた足のサイズはいくつ?」

「はぃ四十五センチです」

「標準よりも大きい。これから成長して身長も足も大きくなるし、あなたは貴重種ね。レッスンをがんばってね」

「がんばります」

 先生は立ち上がった。三メートルはある。先生がつま先立ちすると、身長が四メートル以上になり、ピピちゃんは先生のあごしか見えなくなった。他の生徒も踊りだす。巨人専用バレエ教室は今日もにぎやかに始まる。


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