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No1 バレエレッスン場にて
私は霊能者だが今の悩みは私が通うバレエ教室に地縛霊が一人いること。彼女にとっては、いくら踊っても、お月謝不要ということで居心地がいいらしい。そして彼女が見えるのは私だけ。先生たちには見えない。そのため一曲踊るごとに感想をせがむのでウザイ。
とうとう私もキレて地縛霊に怒鳴った。
「あの世で踊って」
「じゃ、最後に一曲踊らせて」
「……」
「私の踊り、どぉ?」
「お上手~(棒)」
「やっぱここでレッスンする」
「だめ、地縛霊は目障りなのよ」
「それは私のセリフ。霊能者は目障り」
「地縛霊のくせによくもまあ」
そこへ先生が入室してきた。地縛霊は目を輝かせてイケメン先生にまとわりついて踊る。完全に頭に来た私は、元ホストの憑依霊を呼び出し教室からあの世へ連れ出してもらった。二度と帰ってくるな。
霊がいなくなったというのに先生の顔色がまだ悪い。
「大丈夫ですか」
「……頼むから君の生き霊も消してくれ」